2020年10月10日 (土)

金融財政事情に拙稿を掲載いただきました。

Img_20201010_122348_400関西電力の金品受領問題への会社法違反罪の適用、令和元年改正会社法による電子提供制度の安定的な運用、コロナ禍を契機としたバーチャル株主総会への関心の高まり、といった話題に触れますと、会社法改正(刑事罰規定に関する改正)は喫緊の課題であり、今すぐにでも改正作業を開始すべきと考えますが、いかがなものでしょうか。

さて、本日は拙稿のご紹介です。週刊金融財政事情(2020年10月12日号)におきまして「高まる議決権行使助言会社の圧力にどう対処すべきか」と題する論稿を掲載していただきました(原稿執筆が大幅に遅れまして、きんざいさんには大変ご迷惑をおかけいたしました)。

株主総会における機関投資家の発言力が増すにしたがって議決権行使助言会社の影響力も高まりつつあります。その影響力の行使に関する実例を紹介しながら、企業側の対処について語ったものです。もしお時間がございましたら、お読みいただければ幸いです。

第三者委員会の業務が継続しておりまして、ブログが更新できない日々が続いておりますが、業務終了後には、本稿のようなテーマについても私的な意見をここで述べてみたいと思います。

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2020年10月 4日 (日)

日本CSR普及協会セミナー-社外取締役の各種委員会における活動

毎回タイムリーなテーマで内部統制やガバナンスに関連したセミナーを開催しておられる日本CSR普及協会さんですが(私も何度か関西支部の企画には参加しております)、11月6日(金)にWEB形式にて無料セミナーを開催されるそうです。

日本CSR普及協会 2020年度第1回研修セミナー 社外取締役の各種委員会における活動

令和元年改正会社法で(公開会社の監査役設置会社において)社外取締役の設置が義務付けられ、また経産省から社外取締役実務指針も公表されておりまして、社外取締役の活動にも関心が寄せられています。なかでも、平時における指名・報酬委員会や有事における不祥事発生時の調査委員会、事業再編時の公正価値算定委員会での社外取締役の役割(活動)は、会社の長期的な方向性を検討するにあたっては極めて重要です。

たとえば(私的には)このたびの日本ペイントHDさんの「攻めの身売り」と言われる大胆な第三者割当増資などは、昨年の同社における指名諮問委員会でのCEO(田中正明氏)選任、執行のスピードを上げるための指名委員会等設置会社への移行決定が布石となっていますが、このような布石を打つにあたって同社の5名の社外取締役がどう動いたのか、とても興味があります。

社外取締役さんも「取締役会に出席していれば良い」、といった意識を持っておられる方が多いかもしれませんが、①社外取締役の数が増えてきて各社の取締役会における影響力が高まってきたこと、②ネオエコノミー(環境、社会問題に配慮しつつ株主利益の長期的な利益最大化を図る)の考え方が浸透して、取締役会の多様性が必須のものとなってきたこと等から、今後はさらに各種委員会における社外取締役の活動の在り方を論じる必要性が高まってくるのではないでしょうか。各種委員としての役割が社外取締役さんに期待される時代になった、と言えます。

毎回、CSR普及協会のセミナー会場(東京開催分)には100名を超える聴講者の方がお見えになるようですが、今回はWEBでの講演・パネルディスカッションということで、どなたでも事前のお申込みで聴講できるそうです(事前申し込みをされた方に視聴URLが送信されるそうです)。おそらく、社外役員経験の豊富な経営者の方や企業法務の分野で著名な弁護士の皆様によるセミナーですから、具体的な事例などに基づくわかりやすいセミナーが展開されるのではないでしょうか。ご興味のある方はぜひご参加ください(しかし社外取締役も勉強しなければいけない時代になりましたね💦)。

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2020年10月 1日 (木)

第三者委員会は折り返し地点です

ブログの更新が止まっておりますが、9月29日に中間調査報告書が公表されまして、ようやく折り返し地点です。もうしばらくブログはお休みさせていただきますが、なんとか生きておりますので(笑)、引き続きよろしくお願いいたします。

※ ちなみに本日も大阪地裁で興味深い判決が出ておりますね(エディオン・上新電機 損害賠償請求事件)。ぜひ判決全文を読んでみたいのですが、あと1か月くらいは辛抱。

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2020年9月21日 (月)

New Normal 時代の企業が取り組むべきリスク対策(ACFE JAPAN 年次カンファレンスのお知らせ)

第三者委員会の活動が最も忙しい時期となり、自身のブログを書く時間はございませんが、日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)の毎年恒例の年次カンファレンスの告知だけさせていただきます(私自身の体調はすこぶる良好でございます!)。

例年この時期は「申し訳ありません、会場が満席となりました」と告知するのですが、今年はオンライン開催なのでまだまだ視聴者募集中です(ライブ視聴と録画視聴があるようです)。もう11回目なのですね。協会のキックオフミーティングを新橋の第一ホテルアネックスで開催した日が昨日のように蘇ります・・・。たしか八田進二先生と名刺交換をしたのもこの日でした。初対面の印象は「いかさまマジシャン」だったことを鮮明に記憶しています(本当のマジシャンであることを存じ上げるまでには相当の時間を要しました)。

2020年10月9日(金)オンラインで開催!第11回ACFE JAPANカンファレンス「Light the way.~New Normal 時代の企業が取り組むべきリスク対策~」

コロナ禍におけるカンファレンスにふさわしいメインテーマですが、おお!基調講演やご登壇者の皆様、豪華メンバーではありませんか!さすがに進化しています。元理事としては関係者の皆様のご尽力に敬服いたします。知ってる人がいっぱいいるけど、うーーん、女性のご登壇者が1人もいないのは(ちょっとだけ)気になるなぁ🐱💦

柳川先生、樋口先生というビッグネームの方々の講演もさることながら、遠藤元一弁護士の基調講演「New Normal 時代の企業不正会計への対応策」はさすがに拝聴したいですね。どういった切り口でお話しされるのか、とても興味深いところです。こういったとき、録画視聴があるのはオンライン開催の利点かもしれません。第3部の「特別講演」では、朝日新聞の加藤裕則さん、元日本監査役協会会長の岡田譲治さん等、企業リスクに精通しておられる方ばかりですし、テーマもリアルでおもしろそうです。

第4部のテーマは、私個人としてはあまりにも生々しいので(笑)、今の仕事が終わった後に拝聴したいと思います(笑)。新時代のガバナンス、内部統制、不正調査等にご関心のある方は、これは参加費を払ってでも拝聴する価値があると思います。まだリアル配信日までは16日ほど先ですが、ぜひともご参加をお勧めいたします。私もリアルは無理ですが11月19日までは録画視聴が可能なので、そちらで勉強させていただく予定です。

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2020年9月14日 (月)

事実は「報告書」よりも奇なり

(土日もなく)第三者委員会の仕事で相変わらず忙しくしております。体調はすこぶる元気ですが、新聞もネットニュースもあまり読む時間がないため、ブログネタに乏しく、更新ができないままでしてたいへん申し訳ございません<(_ _)>。

ただ、半沢直樹「帝国航空編」でモデル(?)として登場する(JAL再生)タスクフォースのリーダー富山和彦さんのこちらの毎日新聞インタビュー記事だけはおもしろく読みました。「事実は小説よりも奇なり」という富山さんの言葉のとおり、非常にリアルで参考になりますが、リアルをそのままドラマに仕立てることはむずかしいでしょうね。

そういえば企業不祥事発生時の第三者委員会報告書を(興味本位で)よく読みますが、実際に調査をやる立場だと、ひとつの報告書としてまとめ上げる過程で判明する事実が本当に大切だと感じます。委員の努力の結晶によって判明した事実のように読めることでも、実際にはいろいろな偶然が重なった結果だったりすることもあります。これまでの不正調査の経験をもとに「報告のためのストーリー(仮説)」を立てますが、調査過程で判明した事実によって脆くも仮説が崩れてショックを受けることもありますね。

リモートによるヒアリングでは証拠の価値判断が困難と思われることでも、実際にリアルの現場で五感で感じることによって「心証形成の自信を深めること」もあります。よく「リモート監査」による代替、と言われますが、調査を一生懸命やればやるほど、その心証形成においては大きな差があることを実感します。今後の課題だと思います。

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2020年9月 6日 (日)

企業法制-「法案を策定すること」と同じくらいに難しい「法案を通すこと」

日曜日の夕方に、少しだけ自由な時間がとれましたのでひさしぶりのブログ更新でございます。

先日、某重要法案の立案担当者の方のお話をオフレコでお聴きしましたが、「なるほど行政官はこんな論理で企業法制を成立に導くのか」と感心いたしました。担当省庁の局長さんが法案を通すために衆参両議院の議長さんのところであいさつに行く、といった行動(根回し?)は知っていましたが、思考過程にまで思いを巡らすことはありませんでした。

法制審議会等で4年も5年もかけて専門家委員(学者や実務家)が法改正を審議する、NPO団体や経済団体などの意見を取り入れながらも、なんとか学者である座長が改正案の提言をまとめて、これをもとに担当行政機関が法案を策定する。内閣法制局の審査も通る。しかしながら、衆参両院の要求事項が出てきて、これを呑まないと廃案(見送り)になってしまう。ひょっとするともう30年くら先にならないと改正が実現しないかもしれない。

行政官は専門家委員の献身的な努力を間近で見てきたため「ここで政治家の意見を呑まないと、委員の皆様による成果物が水の泡と消えてしまう。みんなの努力を無にしないためにも、妥協案を出して成立させよう」との意識が強く働く。ということで、理屈のうえではやや?がつくものの、なんとか法案成立に漕ぎつける。

私のような場末の弁護士は、成立した法案を批判して「なんでこの段階で、このような条項が入ったのか理解不明。」「法律全体の趣旨とやや矛盾している、委員は何を議論していたのか」といった意見を表明します。しかし、行政官の上記のような「法案を通すための妥協点を見出す作業」の存在はあまり理解していませんでした。たしかに国民の負託を受けた国会議員の意見は尊重すべきであり、法律全体の美的な構成が崩れるとしても、個々の国会議員の提言を実現しなければならない、ということになります。

昨年、会社法が改正されましたが、「コーポレートガバナンスをめぐる議論がきっかけとなって、近年、会社法というものが国の経済政策の重要な制度的インフラとして、その在り方が議論されるようになり、会社法の改正もこうした流れのなかで行われるようになった」(神田秀樹著 「会社法入門」初版211頁)のですから、会社法改正においても学者の皆様と立案担当者の力関係もずいぶんと変わってきたのでしょうね。会社関係者間における利害調整のための法律、という基本的な位置づけは同じでも、そこに富国政策という政治の力にも配慮せねばならない、ということになります。行政官には法案を通すためのバランス感覚が要求されるのでしょうね。

法案成立時に衆参の「附帯決議」なども出されるので、これも次の法改正へのプレッシャーになります。さらに最近は企業法制のエンフォースメント(ルールの実効性を担保するもの)が多岐にわたり、たとえばコーポレートガバナンスに関連するルールのエンフォースメントの策定も他省庁にまたがるわけですから(たとえば会社法改正事項を産業競争力強化法等で先行実施する、ガバナンス・コードのようなソフトローで大規模会社の規律を実現する等)、政治家との交渉だけでなく、他省庁の行政官との交渉にも配慮しなければならない、ということのようです。法案を通すことは法案を策定することと同じくらい、いや、ひょっとすると策定以上にむずかしい作業なのかもしれません。

 

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2020年9月 1日 (火)

生涯最初で最後の(?)2件の適時開示(私事でございます・・・)

大きな企業が淡路島に本社機能を移す、とのニュースに驚きました。ニューノーマルへの企業対応の本気度が伝わってきました。「創業の地」を有する企業も多いと思いますが、他社さんはどうするのでしょうかね。

さて、私事ではありますが、自身の「第三者委員会委員長」としての職務について、本日2件の適時開示が出されました。1件は早朝のコード6192「特別調査委員会の調査状況及び第三者委員会設置に関するお知らせ」、2件目は午後4時ころのコード5341「第三者割当による新株式、第4回新株予約権の発行及び引受契約締結に関するお知らせ」です(なお1件目は関東財務局より、有価証券報告書の提出期限の再延長が認められました)。

いずれも「感想すら漏らすことは控えるべき」と思いますので何も申し上げられませんが、当分の間は土日なく業務に精勤して皆様のお役に立つよう尽力しなければなりません(しかし、ホントに弁護士も会計士も、若い人はよく働きますねぇ。。。)ともかく健康を維持することも委員長の務めと心得え、無理せぬ程度に(?)動き回るようにいたします。

ということで、またまたブログが書けない日々が増えますが、どうかご容赦ください。

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2020年8月29日 (土)

公益通報者保護法の「改正法Q&A」公表(消費者庁より)

8月28日、消費者庁より「公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第 51 号)に関するQ&A(改正法Q&A)」が公表されております。「まだ頭出し程度のもの」とうのが個人的な感想ですが、改正法の施行時期(おおむね令和4年になる見込みであること)や公益通報への体制整備義務を果たすための措置の概要などが示されております。

なお、今回の法改正は内部通報と内部告発(外部通報)を通報者に選択させて「制度間競争」を促す意味もあるので、とりわけ事業者の監督官庁への通報保護がかなり重要になります。そういった意味ではQ&Aの最後に示されている行政機関の公益通報を受理する体制整備の措置についても注目されるところですね。

いずれにしても、常勤の従業員が301人以上の事業者に内部統制構築義務を定め、公益通報対応従事者には刑事罰付きの規律を設ける等、法律の性格まで大きく変わるものなので、施行までに検討すべき事項が多いはずです。

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2020年8月27日 (木)

宝印刷「Disclosure&IR」誌に論稿を掲載していただきました。

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このようなご時世に贅沢に思われるかもしれませんが、おそらく9月末頃までは、かなり忙しい日々を送ることになりそうです。諸々書きたいブログネタはあるのですが、書き込む時間的余裕がなさそうです。ということで本日も短めに拙稿のご紹介をさせていただきます。

投資家向けの宝印刷さんの機関誌「Disclosure&IR」におきまして「令和元年改正会社法が社外取締役制度に及ぼす影響」と題する論稿を掲載していただきました。99%の上場会社に社外取締役が就任している現状で、会社法が(公開大会社である監査役会設置会社に)1人以上の社外取締役の選任を義務付けることって、なんの意味があるの?といったご疑問にお答えする内容です。とりわけ、このたびの会社法が社外取締役の設置を義務付けた制度趣旨から、今後は真剣に投資家と会社との間における「期待ギャップ」を埋める努力をしなければならないことを説明しています。

さらに、このたびの改正により、社外取締役にも一定の条件のもとで業務執行権限が付与されます(セーフハーバー・ルールであることは横に置いといて)。私は社外取締役の報酬の多寡を論じるよりも、社外取締役の果たすべき機能を語るには、こちらを真剣に論じることが重要だと思います(実際に、会社法上の社外取締役ではないが、社長と一緒に業務を執行する非常勤社外取締役さんて結構いらっしゃいますよね)。取締役会の実効性評価を実施する企業が増えていますが、本当に評価制度を運用する気があるのであれば、各社外取締役がステークホルダーから期待されている役割を果たしているか、といった点も評価基準にすべきではないかと。

上記機関誌は一般の書店では販売しておりませんが、上場会社のご担当者の方々に広くお読みいただければ幸いです。しかし目次をご覧の通り、かなり興味深いテーマを取り扱う機関誌なので、一般の書店でも販売してくれないかなぁ、との感想を持ちますね。

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2020年8月25日 (火)

企業が「正義」に対して発言する時代

本業がかなり忙しい状況でして、あまりブログを書く時間もないので、短いお話をひとつだけ記しておきます。

日経新聞8月24日の朝刊に阪大の先生による「やさしい経済学-企業が発言する時代」なる小稿が掲載されています。以前であれば企業が政治的な態度を明確にすることはマーケティング上はタブーとされてきたが、現代では「沈黙は共犯」と受け止められるようになり、企業としては「正義」について発言しなければならない時代になった、とのこと。同日の読売新聞(会員記事)では、偶然にも「どうなる21世紀の『国際秩序』、無視できない「正義」の「経済」への影響力」なる特集記事が掲載されており、なるほど時代が変わり、企業も政治問題については何らかの発言が必要ということになったのかもしれません。

たしかに消費者やNPO団体から「御社は化粧品のCMで『ホワイトニング』『美白効果』なる言葉を多用しているが、今後も白いことが優越的との印象を与える当該言葉を広告等で利活用することを予定していますか?」との質問が飛んでくる、という話を耳にしました。これに「回答を控える」との返事を出すとすれば、差別を容認する企業ということで、グローバルな事業展開が困難になることも考えられます。「沈黙は金」どころか「沈黙は共犯」という時代となれば、今後は企業が「正義」に対して発言すること(発言せざるをえないこと)も増えるような気がいたします。

同業他社がどのような反応をするのか見極めてから発言しようとすると「日和見主義」と指摘されかねません。経営トップの思想信条に委ねる、というのも、組織の発言がコロコロ変わることになってしまいそうです。よって、こんな時代だからこそ「組織風土」に根差した企業倫理綱領、行動規範に基づく発言が必要になるものと思います。平時から考えておかねばならない課題のようです。

 

 

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