2022年7月29日 (金)

D社定時株主総会(継続会)が終了いたしました(やっと一区切り・・・)

たいへんご無沙汰しております。1か月以上、ブログを放置しておりまして、久しぶりの更新です(もう誰も閲覧していない?)。本日、私が社外取締役を務めております会社の株主総会(継続会)が開催されまして、計算書類、事業報告等の説明も終えて無事に終了いたしました。不適切な会計処理に関する社内調査チームのリーダーとして、株主の皆様から厳しいご質問がくるのではないかと怯えて(?)おりましたが、株主様からは執行部のほうへ質問があった程度で、私には質問がなくホッといたしました。総会指導弁護士のS先生、証券代行のWさんにも継続会までお世話になり、本当にお疲れ様でした。

再発防止策の提言内容についても意見を述べ、これで社外取締役として、有事のお役目はすべて終了でございます(もちろん、会社としては二度と不適切な会計処理事案を発生させないように、社内で再発防止策の具体策を実行することになります)。社外取締役として調査委員会を率いるという経験は初めてでしたが、やはり当事者だからこそ見えてくる風景がたくさんあり、貴重な経験でした。

これでようやく丸の内の某総合電機メーカーの調査委員会の仕事に100%集中できます。こちらは、あとどれくらいの期間、調査活動に勤しむことになるのかは申し上げられませんが、社会のため、また会社を取りまくステークホルダーの皆様のためにお役に立てるよう、知恵を絞って頑張りたいと思っております(ということで、もうしばらくブログの更新はお休みでございます)。雑誌の原稿執筆のご依頼等も、ずっとお断りしておりますので、もうご依頼もなくなるかも(=^・^=);;

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2022年6月24日 (金)

不適切な会計処理-社内調査の結果を公表いたしました。

当職が社外取締役を務めております大東建託が「当社連結子会社等における不適切な会計処理に関する調査報告書(要旨)」を公表いたしました。このたびは株主、投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます(適時開示は23日17:00)。

丸ノ内の総合電機メーカーのレビュー委員会の仕事に、この40日ほど、こちらの調査チームリーダーの仕事が重なりまして、本当に気苦労が多かったのですが、とりあえず調査報告書を提出(ただし開示版は要旨のみ)に至り、すこしホッとしております(まだこれから再発防止策の検討などは残っておりますが)。

しかし、(自分のことを棚に上げて申し上げるのもナンですが・・)私が当ブログで2年以上前に予想しておりましたとおり、本当に企業不正案件が増えていますね(「増えている」は正確ではなく、「発覚している」が正確かと。しかも大手の監査法人が会計監査を担当している上場会社が多いですね)。

新型コロナは、多くの上場会社の「監査」を直撃しました。ようやくその影響が出始めたようですが、「監査の脆弱化」にいまだ気が付いていない上場会社はまだまだ多いので、おそらくもっと「不適切な会計処理」を公表する上場会社は増えるはずです。

なお、このたびの調査には多くの弁護士、会計士の方々にお世話になりました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。

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2022年6月 6日 (月)

近況のご報告(さらにモノが言えない状況・・・)

さすがに1か月ほどブログの更新が滞っておりますと、「病気ちゃうか?」「やっぱり何かおかしなことを起こして業務停止?」などなど、いろんなところから問い合わせがございまして。簡単な近況報告をさせていただきます。

5月25日の記者会見のとおり、三菱電機の一連の品質問題の調査が継続しております。ガバナンスレビュー委員会としても、事実調査委員会による調査が継続しておりますので、内部統制・ガバナンスの視点からの意見、責任判定に関する意見も検討中、ということになります。委員長としては何も語れない状況です。

5月24日の適時開示で示されたように、恥ずかしながら私が社外取締役を務めております会社で会計不正事案が発覚しました(多くのステークホルダーの皆様にご迷惑とご心配をおかけしており、本当に申し訳ございません)。こちらも社内調査に関わっておりますので、開示された内容以外のことについては何も語れません。なお、会社が6月1日にリリースしましたが、今月28日開催予定の定時株主総会については(計算書類等の報告ができないので)「継続会」を開催する予定です。

ということで(?)、連日調査業務に忙殺されておりまして、まだまだブログについて更新できそうにもありません。ただ、健康面には留意しながら元気に仕事しております。また通常業務の状況に戻りましたらブログを更新する気は満々なので、もう少しお待ちいただければ幸いでございます。

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2022年5月11日 (水)

PEファンドとコーポレートガバナンス

まったく更新できておりませんが、備忘録程度にほんの一言だけ。

本日(5月10日)は東京の某研究会にて、ユニゾンキャピタルの代表取締役の方とお話ができました(ひさしぶりにインプットする機会が得られてよかったです)。なぜ最近、PEファンドがガバナンスに関心を持っているのか・・・という点が、お話をお聞きして納得できました。もちろんガバナンス3.0への関心ということもありますが、それ以前に長期的に企業価値を向上させるためには(多少高くついても)ガバナンスの整備と適正運用が不可欠というPEの考え方がよく理解できました。

また何かの機会にお話しできればと。しかし20年以上、リスクをとりながらハンズオンで企業と向き合ってきた人の話というのは、なかなか説得力があるなぁと感心いたしました。数値化による説得力とアートの両方のセンスが必要ですね。ちょっと私にはまねできないかも('◇')ゞ。

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2022年5月 2日 (月)

「会社法大要(第3版)」龍田先生のご冥福をお祈りいたします

Img_20220428_154210946_400 令和元年改正会社法を盛り込んだ会社法の解説書として、ようやく待望の「会社法大要(第3版)」が出版されました(龍田節・前田雅弘著 有斐閣)。5年ぶりの改訂です。4月20日に改訂版が全国の書店に並びましたが、その直前である4月7日、著者でいらっしゃる龍田節先生(京都大学名誉教授)が逝去されました。

龍田先生といえば、平成19年から22年まで、私が同志社大学法科大学院の非常勤講師(会社法)を務めさせていただいたときに、同大学院教授としてご一緒させていただきました。こんな実務家講師にすぎない私にもお声かけいただき、龍田先生の退官記念論文集に「会計監査人の法的責任と司法判断のあり方 : ナナボシ事件地裁判決を中心に」と題する論文を掲載していただきました(同志社法学2009年7月31日号)。著名な先生の記念論文集に寄稿させていただくという体験は、おそらく最初で最後だと思います。龍田先生からいただいた記念品(木製の角盆)は今でも事務所で愛用しております。

寄稿の御礼に・・・ということで、龍田先生から拙稿へのコメントをいただきましたが、さすがに会社法の歴史を知り尽くしておられる先生から鋭い問題提起がなされ、ご質問にきちんとお答えできないままになってしまいました。この「大要」と同じく、自由闊達なご意見をロースクールでも述べられ、私自身もとても勉強になりました。謹んで龍田先生のご冥福をお祈りいたします。どうもありがとうございました。

また、この時期に第3版が世に出たのは、共著者でいらっしゃる前田雅弘先生(京都大学教授)の執筆のご苦労があったからこそだと拝察いたします。重ねて御礼申し上げます。

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2022年4月22日 (金)

近況のご報告(モノが言えない状況がもう少し続きます・・・)

本日、新聞各紙で報じられております通り、三菱電機の品質不正問題に関する事実調査委員会の調査がまだまだ続いており、我々ガバナンスレビュー委員会の調査についても同様に時間を要しております。昨年12月の記者会見で、私も「来年4月下旬に最終報告書を提出する」と申し上げておりましたが、新たに判明する事案も出てきていることから、さらに調査を要するところです。

ということで、ゴールデンウイークも、連日検証作業や起案が続く予定でありまして、ブログが更新できない、というよりも「モノが言えない状況」となっております。ブログを愛読していただいている皆様、また記者の皆様、どうかご理解のほど、よろしくお願いいたします。_(._.)_

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2022年4月20日 (水)

「会社補償の実務(第2版)」のご紹介

Img_20220419_220412_4004月に入ってからは全くブログの更新もせず、あいかわらず丸ノ内の総合電機メーカーに行ったり来たりしておりまして、忙しい毎日が続いております(なお、私自身はとても元気にしております🐱)。牛丼屋さんの常務取締役の方の発言がとても問題になっており(すでに解任?)、普段ならブログネタとして取り上げたかったのですが・・・。

いろいろと社会的に批判されていますが、あの方と「出前館」の創業者の方との座談会動画(たしか2020年末ころだった)は(今でもyoutubeでご覧になれますが)、起業を目指している方々にはとても参考になるのではないかと(私はたいへん勉強になりました)。いろいろと引き出しを持っておられる方のようでしたので、今回の件はとても残念です。

今週は久しぶりに大阪の事務所に戻って仕事をしておりますが、事務所の方へNA(西村あさひ法律事務所)の武井一浩弁護士から「会社補償の実務(第2版)」(会社補償実務研究会編 商事法務)をご献本いただいておりました(どうもありがとうございます!)そういえば先週はNAの事務所で別の弁護士の方々と仕事をしておりました。NAに伺うたびに思いますが、専用エレベーターで各フロアに受付がある驚きの事務所。同じ「弁護士事務所」ですが、ウチとはエライ違い(笑)。

「会社補償の実務」は4年ぶりの改訂ですが、令和元年の会社法改正を盛り込んだ内容で、私にとっては改訂を待ち望んでいた一冊です。第2版といっても、冒頭からの100頁程度がほぼ全面改訂であり、読み応え十分な内容です(研究会の委員でいらっしゃる神田秀樹先生の座談会記録も含まれています)。いまはちょっと別件で手一杯ですが、会社補償契約関連の相談事案も増えていますので、(今の仕事が終わり次第?)ぜひ参考にさせていただきます。

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2022年4月 8日 (金)

4月はほぼ毎日東京で過ごしております(現状報告のみ)

ブログを更新する時間的な余裕がないまま、ほぼ毎日を東京で過ごしております。いまのところコロナに感染もせず、元気に仕事をしております。あまり仕事でストレスをためない性格ですが、ここまで来ると、さすがに花見くらいはゆっくりと出かけたいなぁ・・・と( ´艸`)

ともかく、今は何も語れない状況ですので、とりあえず更新できない「言い訳」のみで失礼します。「心と体の健康」こそ最大の資産である、と痛感します。

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2022年3月31日 (木)

日本郵政グループ「グループコンダクト向上委員会」の委員に就任いたしました。

昨日(3月30日)リリースされましたが、日本郵政グループが新たに設置する「グループコンダクト向上委員会」の委員に就任いたしました(設置は4月1日付け)。かんぽ生命HPでは、以下のように紹介されています。

日本郵政株式会社(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 増田 寬也)、日本郵便株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長兼執行役員社長 衣川和秀)、株式会社ゆうちょ銀行(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 池田憲人)および株式会社かんぽ生命保険(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 千田哲也)は、グループコンダクト向上委員会を設置することといたしましたのでお知らせいたします。 日本郵政グループの全社員・役員が、日本郵政グループの経営理念の実現を目指し、グループ行動憲章を実践していくためのグループコンダクトを向上させる取組みについて、外部有識者による助言をいただき、改善などに取り組んでまいります。

他の委員の方々のように金融実務に詳しいわけではありませんが、グループにおいてここ2、3年ほど不祥事が続いておりましたので、グループ挙げて組織風土の改革に前向きに取り組むことの支援をさせていただきます。なお、リリースにもありますように、当委員会はモニタリングが中心なので、当職が委員長を務めております総合電機メーカーのガバナンスレビュー委員会職務への影響は軽微です。

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2022年3月28日 (月)

「社外役員特化型D&O保険(会社役員賠償責任保険)」は必要と考える

今年も日本監査役協会の研修講師を担当させていただいておりまして、「攻めと守りのガバナンスを支える会社役員賠償責任保険と会社補償契約」とのテーマで講演いたしました。しかし、この16年間でもっとも低調です(笑)。いつも企業不祥事や有事のガバナンスをテーマにすると満員御礼の日が続くのですが、今年はホントに聴講される監査役員さんが少なくて閑古鳥が鳴いております(´;ω;`)。聞くところによると「サイバー保険」に関連する講演も集客力が低いそうで、会社役員の皆様の「保険や補償ということへの関心」がやや低いことを知りました。

ということで、少しへこみぎみだったのですが、旬刊商事法務の最新号(3月25日号)にて、オリックス グループ人事部報酬チーム兼グループ総務部 担当部長でいらっしゃる山越さんの論稿「社外役員のリスクと特化型D&O保険」を拝読して、「うんうん、そうだよなあ」と少し元気が出ました。業務執行役員とは別に社外役員(社外取締役や社外監査役)だけに特化した会社役員賠償責任保険を締結することも検討する必要があるのではないか、とのご意見はまさにそのとおりかと。

山越さんの上記ご論稿に書かれているわけではありませんが、私が会社役員全体を通して保険や補償契約に関心を持っていただきたいと考えているのは、以下の4つの理由(役員責任をめぐる近時の経営環境の変化)からでして、敗訴リスクはあまり高くなくても、提訴リスクは確実に高まっており、弁護士費用を含めた個人負担についての付保は必須の時代ではないかと思うからです。とりわけ社外役員は「保険に加入しているから安心」「責任限定契約を締結しているからリスクを回避している」では済まないのではないかと。

まずひとつめは「世間を騒がせる企業不祥事の頻発」により、会社自身が自浄作用の一環として不祥事発生当時の役員を提訴することが増えていることです。つぎに国内外でのM&A(組織再編)が急増し、支配権の交代によって旧経営陣が提訴されるリスクが増えていることです(これは上場、非上場にかかわらず役員のリスクです)。3つめにモノ言う株主(機関投資家)が、その背後の実質株主への説明責任を果たさねばならない状況が増えているということ(つまり、どれだけ回収できるかわからないが、役員を提訴して司法判断を仰ぐことで説明責任を果たす、ということ)です。4つめは役員を提訴する株主の「代表訴訟のハードルが低くなってきた」ことです。証拠収集には公益通報が活用されることが増えていますし、原告側訴訟代理人の力量も変わってきたことによるところかと思います。

ほかにも損害賠償債務が「不真正連帯債務」であるがゆえに、責任限定契約は求償権に対抗できないのではないか、といった論点もありますが、ここでは法律論については言及いたしません。いずれにしても、こういった問題に社外役員はどのように対応されているのでしょうか。以前にも書きましたが、私はニッセンホールディングスの社外取締役を退任する際、D&O保険についてはランオフ・カバー条項を付けていただきましたし、さらに念のため会社側と補償契約(役員退任後も一定期間は補償する)を締結しました(幸い、法人が消滅することはなかったですし、リーガルリスクが顕在化することはありませんでしたが・・・)。

大株主から社外取締役が選任されることが増えて、社外取締役や社外監査役も「一枚岩」ではなくなってきた時代となりました。社外役員ではありませんが、会社から(辞任要求を拒否した)常勤監査役さんが損害賠償請求訴訟を提起される事件も最近の判例時報に掲載されています。これだけ取締役会改革が進んでいる状況ですから、役員間や株主との間で意見の食い違いが裁判沙汰に発展することが増えても当然です。したがって会社側の保険料負担で「社外役員だけを被保険者とする会社役員賠償責任保険」を締結することも、約款(社外役員特別枠特約)だけでは対処しきれない部分をカバーするものとして検討する必要があるように思います。また、(社外役員に限った話ではありませんが)この3月総会までに、ネットで確認できるだけでも40社ほどの上場会社(比較的大規模な上場会社が多い)が役員と補償契約を締結していることが確認できますので、会社補償契約の活用も検討すべきです。

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«今後注目すべき「法人処罰」に関連する2つの論点