2016年9月28日 (水)

ニッセンHD臨時株主総会を終えて・・・独立社外取締役の重み

すでに日経ニュース、産経ビズニュース等でも報じられておりますとおり、セブン&アイ・ネットメディア(セブン&アイHDの100%子会社)との三角株式交換を承認するためのニッセンホールディングス臨時株主総会が本日開催されまして、特別多数(賛成率97%)をもって株主の皆様より承認されました。これをもってニッセンHDはセブン&アイHDの100%子会社となりますので、10月27日には上場廃止となる予定です(産経ビズニュースはこちら)。株主の皆様、本当に、本当にご承認どうもありがとうございました。

ここ3カ月ほど、ニッセンHDの第三者委員会委員長として、大株主と少数株主との公平な利益分配に尽力してまいりました。業績は既報の通りであり、経営責任をとらねばならない立場ではございますが、役員一同とりわけ独立役員は少数株主保護のための対応(三角株式交換方式を採用した正当性、株式交換比率の合理性、手続きの公正性)には万全を尽くしました(第三者委員会のためだけのリーガルアドバイザーとのコミュニケーションも十分にとりました)。交換比率の合理性にあたっては、セレブリックス株式取得価格決定申立事件の決定(東京地裁決定平成25年9月17日)の要旨を参考にし、また手続きの合理性については今年2月のジュピターテレコム事件最高裁決定の立場を参考にいたしました。

本日の株主総会では、もちろん厳しいご質問も受けましたが、想定していたよりも短い時間で終了し、ニッセンは上場会社としての最後の株主総会を終えました。私の独立役員(社外取締役)としての任務もほぼ終えました。まったく偉そうに言える立場ではございませんが、有事における手続きの公正性については自信を持って確保できたと申し上げます。何が公正な手続きであるかという理屈を考えることよりも、公正だと信じる手続きをいかに実践するか、という点のほうがよっぽどムズカシイことを認識しました。とくにニッセンHDの取締役会には親会社関係取締役が3名おりますので、株式交換に関する情報障壁を確立しながらも、同時に日常の重要な業務執行を決定する取締役会を運営する意識の共有が求められました。

親会社が50.7%を保有する上場子会社において、特別多数(66.7%)の賛成を得るためには、創業家の方々を含め、本当に少数株主の皆様のご理解、ご賛同を得る努力が求められます。そういった意味ではISSさんとグラスルイスさん(議決権行使助言会社)の賛成意見は大きかった。また、「モノ言う個人株主」の皆様による猛烈な反対推奨運動がなかったことにも助けられたように思います(もちろん、今のところ、という意味ですが)。このように株主の皆様に非上場化を理解していただいたわけですから、今後はセブン&アイグループにおいて(一日も早く)赤字体質の脱却がはかられねばなりません。

そういえば、「モノ言う個人株主」として(以前、事務所にも遊びに来ていただいた)Yさんのブログに、本日(9月27日)「ブログの方向性について」と題する衝撃的なエントリーが掲載されています。平成18年のカネボウ事件以来、レックス事件、サンスター事件ほか価格決定申立事件で数々の裁判例が形成されることに寄与され、平成26年会社法改正にも多大な影響を与えたYさんが、「今後は価格決定申立は基本的にはしません、ひとつの区切りとして四季報や有価証券報告書を読みながら普通の投資家としての活動をちゃんとやろうかな、と思っています」とのこと(ええ!?ホントに!?)。カネボウ事件ではYさんと対決した(カネボウ側の)Kさんが、本日私とともにニッセンHDの第三者委員会委員(社外取締役)としての役割をほぼ終えましたが、このような日にYさんの上記ブログ記事に接するというのも、単なる偶然とは思えない気がいたします。

しかしYさんに、このようなブログ記事を書かしめたジュピターテレコム事件最高裁決定の影響力は大きなものだと感じます。この最高裁決定によって、経済界はM&Aにおける予見可能性、ソフトローによるルールメーキングの迅速性を手にしたばかりか、有能な個人株主がもたらすリーガルリスクの脅威からも解放されるわけです。ただ、だからこそ、今後は経済界が「お飾り」ではなく、真の意味で少数株主の利益保護を実践できる社外取締役を育成する必要があると思います。決して株主にウソをつかないこと・・・・、社外役員の役割はこれからますます重みを増すことになります。

9月 28, 2016 独立第三者委員会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年9月26日 (月)

電通社の不正広告取引と取引先企業による監査権行使問題

以前、私が主宰する大阪の研究会におきまして、電通さんのグループ会社の皆様に危機広報に関するレクチャーをしていただきました。企業不祥事を起こした会社は、有事にどのように謝罪会見を開くべきか、といったことを、危機広報コンサルタントとしての豊富なご経験に基づいて解説いただいきまして、たいへん有意義なものでした。今回は、その電通さんご自身の不祥事(ネット広告に関する不適切・不正取引)が発覚したということで、副社長さんをはじめとするトップの方による謝罪会見をじっくり拝見し、「なるほど・・・」と勉強させていただいております。

今回はバナー広告ではなく、今後も広告代理店さんにとって収益の伸びが期待される「運用型デジタル広告」に関する不正取引ということで、まさにスポンサーさんとの信頼関係の上に成り立っている業務として「不正はあってはならない」ところで起きてしまったようです。実際問題として、スポンサーさんにとっては委託事務遂行の状況は電通さんの誠実性を信頼するしかないわけです(そもそもネット上ではスクロールという作業がありますので、実際に目に触れる広告なのか、単に表示された広告なのか、という違いもスポンサー側ではわかりません。また年齢、性別によって広告が出る人と出ない人がいるのでなおさらわからないと思います)。そこに不正が起きたことは、電通さんの誠実性を毀損するものとして、金額的重要性もさることながら今後の営業にも痛手になってしまったのでは、と推察いたします。また取引先との数字をごまかす、という行動を社員が慢性的に許容してしまいますと、組織としての「会計軽視の風土」につながり、いわゆる粉飾企業の仲間入りをしてしまうおそれがあるので要注意です。この「粉飾の芽」は早めに摘んでおく必要があります。

電通さんの社内調査によって111社、633件、被害金額2億3000万円分が判明したということですが、なぜトヨタ自動車さんからの問い合わせによって判明したのか、という点がまず素朴な疑問ですね。「お得意様であるトヨタ自動車さんだから真剣に調査した」ということではないのでしょうか。111社も被害企業が認められるわけですから、それまでも、「ちょっとこの広告って効果がイマイチみたいなんだけど、ホントに契約どおりに広報されているの?調査して報告してくれない?」といった問い合わせがあったのではないでしょうか。ただ、クレーム先がそれほど大きな取引先でなければ社内調査にまでは至らなかった、ということも考えられるところです。一人一人の社員の方はとても誠実でも、組織的行動となると誠実性が欠如するのが「まじめな企業の不祥事」の特徴です。電通さんの誠実性に関わるポイントとして、このあたりは第三者委員会を設置して明らかにすべきではないかと(社内調査では調査対象にならないと思います)。

また、アップル社をはじめとして、海外企業が日本の広告代理店さんとスポンサー契約を締結する場合、その業務において合理的な理由で不正が疑われる場合、スポンサーさんは広告代理店さんの監査を行う権限を有し、代理店さんはこれに協力する義務が契約書で明文化されているはずです。まさに、今回の電通さんのような状況が発覚すると、取引相手方は不正を行ったとされる相手方の監査権を発動できることになるのですが、日本の企業は代理店さん相手に、このような合意はされていないのでしょうかね?たとえば米国のCFE(公認不正検査士)の業務として、このような(不正取引発覚時の)相手方業務検査を厳格に行いますし、これを妨害する行為については厳しいペナルティが課されます。

規制緩和時代が進む中、営業秘密の侵害行為については、行政当局自身が行政処分権限による規制に動くよりも、侵害を受けたとされる企業による民事賠償請求を支援することで企業規制の実効性を高める傾向にあります(いわゆる行政規制の費用対効果論。たとえば最近のエディオンさんによる上新電機さんへの賠償請求訴訟などは、経産省指針を活用した形で提訴されたものと考えられます)。このような不正取引が、広告代理店さんの業界全体に横たわる懸案事項だとすれば、相手方による監査権限行使を積極的に活用するようなことも、最近の規制緩和時代にふさわしい「安心思想」によるコンプライアンス経営の手法ではないかと考えます。また、そういった相手方による監査権限行使を予防するためにも、広告代理店業界としての自主監査(自主チェック)も検討されるところではないでしょうか。

いずれにしましても、電通さんは(グループ会社を通じて)企業のコンプライアンス経営を指導する立場にあり、また日本を代表する代理店でもあるわけですから、ぜひとも「自浄能力を発揮した素晴らしいモデル」といわれるような危機対応をしていただきたいですし、内部統制上の不備をどのように健全化させるのか、そのプロセスを他社への見本として示していただけることを期待しております。

 

 

9月 26, 2016 監査社会の彷徨 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年9月24日 (土)

月刊ジュリスト10月号の特集座談会に参加させていただきました。

Dsc_0016_400有斐閣の法律雑誌「月刊ジュリスト」2016年10月号は「コンプライアンス再考-企業不祥事・対応上の新たな留意点」なる特集が組まれております。

私は「企業不祥事の現状と展望」なる特集企画の座談会に参加させていただきました。佐伯仁志先生(東大教授)が司会をされ、川出敏裕先生(東大教授)、木目田弁護士(西村あさひ法律事務所)と私が参加しております。企業不祥事への対応状況(近時の傾向)や日本版司法取引(改正刑訴法)関連事項、公益通報者保護制度の実効性検討のための課題等、刑事法の視点から大いに語るもので、参加させていただいた私自身もたいへん勉強になりました。

論稿のほうでは日本版司法取引の留意点について平尾先生が執筆されておられるのと、企画がかぶってしまった(ようにみえる?)「ビジネス・ロー・ジャーナル」で対談をされている国広先生が、こちらでも「不祥事調査の実務」なるご論稿を発表されているところが目を引きますね(平尾先生も、両方に論稿をお書きになっていますね)。私、個人的に吉村典久先生(和歌山大学教授)のお書きになったものは、経営学会のご論文を含めてほぼすべて目を通しておりまして(とりわけ吉村先生のガバナンス論には注目しております)、今回も「企業不祥事の原因分析」なる論稿がおもしろそうです。内部監査の新たな役割を書かれた澤口論文、法人処罰について書かれた川崎論文も必読です。

大規模会社、中小規模会社にかかわらず、コンプライアンス経営の潮流にご興味がございましたら、ぜひとも全国書店にて発売中ですので、よろしくお願いいたします。

9月 24, 2016 本のご紹介 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年9月22日 (木)

不正対応に向けた内部統制の機能(日本内部統制研究学会年次大会のお知らせ)

(本日はBLOGOSさん等、転載いただかなくても結構な話題でございます)従業員の長時間労働による過労死問題について、会社役員の責任を追及する株主代表訴訟が、我が国で初めて提起されたそうです。被害者のご遺族に対する(会社の)損害賠償義務が確定したため、従業員としての持株を相続されたご遺族が、今度は株主として会社役員を提訴されたようで、いわゆる職場環境配慮義務違反が根拠となるようです。これだけ世の中で「働き方改革」が叫ばれているわけですから、当然のこととして役員の内部統制構築義務違反を問う裁判は、労働法の世界にも波及することになります(ちなみに原告代理人はミスター株主オンブズマンで知られる手強いM先生ですね)。

さて、私が理事を務めております日本内部統制研究学会の年次大会も、今年で9年目となりまして、来週10月1日(土)に第9回大会が開催されます。隔年で東京開催となりますが、今年は御茶ノ水の明治大学駿河台キャンパスで行われます(詳細は日本内部統制研究学会のお知らせをご覧ください)。今回は企業不正に焦点をあてたテーマが統一論題となっておりまして、「不正対応に向けた内部統制の機能-内部統制の構成要素からみた評価と課題」を研究、報告する内容です。「ごあいさつ文」にもあるとおり、ついに!「統制環境」に光を当てます!いや、ホントに昨今の企業不祥事をみるかぎりは「統制環境」こそ内部統制の最重要課題ですよね。この学会の趣旨は企業実務に役立つ研究ということなので、もちろん企業の方々にも多数ご参加いただける内容になっております。

学会による上記告知のとおり、私は午前中の自由論題報告の司会を務めます。私が司会を務める第1会場は、企業不祥事発覚時の第三者委員会報告書について取り上げます。最初に報告をされる東ソー株式会社の齋藤氏は、自社の内部統制構築に、どのように第三者委員会報告書を活用されているか・・・という点を、長年自社の内部統制推進に携わっておられる実務家の視点から発表いただきます。また、会社法、金商法問題に詳しい遠藤元一弁護士は「第三者委員会制度を再考する」というテーマで、第三者委員会制度の理想と現実に鋭く切り込むことが期待されます。日弁連ガイドライン「なんちゃって」準拠報告の現状などにも触れられるかも?うーーん、こちらも楽しみであります(そういえばこの学会の会長は例の「第三者委員会報告書格付け委員会」の委員ではなかったかなぁ・・・と 笑)。

また、第1会場と同時刻に開催される第2会場の自由論題報告では、青学の町田先生が司会を務められるようで、そちらでは内部統制コンサルタントの方による「企業における内部統制対応の現状」、生命保険会社の方による(COSOフレームワークを取り上げながら)内部統制の原点を探るといった報告内容だそうです。すいません、第2会場分の報告要旨は拝見しておりませんが、時間が重なっていなければ、こっちもぜひ聴講したかったなぁと(いつも思いますが、自由論題といってもジャンルが狭い学会なので、どっちも聴講したい人がかなりおられるのではないかと。なにか工夫できないものでしょうかね?)

その後の研究部会報告では、おなじみの神林先生司会、石島先生部会長による「ITを活用した内部統制のモニタリングの有効性向上策研究」が1年間の研究成果として報告されまして、おそらく会計専門職の方々を中心に聴講される方も多いかと思われます。

午後からは金融庁の古澤審議官による「不正事案等を踏まえた三様監査の進化」に関する記念講演だそうで、古澤審議官としては、あまり講演で扱ったことのないテーマではないでしょうかね?「不正事案等」の「等」は何を意味するのかよくわかりませんが。。。(「不正」と「不適切」は違うということでしょうかね?ともかく監督する立場の人たちが監査部門に何を求めているか・・・という点は、理解しておくと相当に役に立ちます。これは聴かねば・・・)。そして最後は統一論題によるディスカッションとなりまして、おそらく最近の企業不祥事の原因分析や再発防止に関する論点を、内部統制の視点から議論することが予想されます。まちがいなく「統制環境」に切り込む内容ですが、これこそまさに内部統制の本領ですね。細かな統制ルール違反ではなく、「取締役会自体の実効性がない」と評価することへの勇気が求められるところであり、これも興味あるテーマです。

さきほど事務局の方に問い合わせましたところ、まだ参加申込には余裕があるとのことで、都心のキャンパスでの土曜開催ということもあり、ぜひとも内部統制に関する理論、実務両面での企業対応状況にご関心のある方々には多数ご参集いただければ幸いでございます。なお、数年前に日大商学部キャンパスにて開催される年次大会直前、当ブログでご紹介しましたところ、多数の方がお越しになられて当日の配布資料が大幅に不足してしまいました。参加ご希望の方は、事前に出席通知を事務局あてお出しになられて参加いただけますと事務局側としてもありがたいです。どうかよろしくお願いいたします。

9月 22, 2016 内部通報の実質を考える | | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年9月21日 (水)

東芝が監査人を不提訴-会社法は会計監査人を「外部」の組織とみているのか?

証券取引等監視委員会は、「東芝のトップは粉飾を認識していた」とする調査報告書をまとめ、検察庁と立件に関する協議を正式に求めたそうで、まだまだ東芝さんの会計不正事件は今後の展開があるかもしれませんね。

ところで特設注意市場銘柄からの脱出を目指している東芝さんですが、9月17日、株主から要求が出されていた新日本有限責任監査法人さんへの訴訟提起について、諸事情検討した結果として「提訴しない」ことをリリースしています(東芝社のリリースはこちらです)。工事進行基準案件等において監査人の任務懈怠の可能性が認められるものの、責任追及はしないとの結論に至ったそうです。そして本日(9月20日)、この不提訴理由通知を受けて、東芝社の株主から会計監査人を提訴する株主代表訴訟が提起されました。大阪の「株主の権利弁護団」が支援されているそうですね(朝日新聞ニュースはこちらです)。

東芝さんが監査人を提訴しない姿勢として「外部に責任を求めるよりも、自らが襟を正す姿勢を堅持して、会社の内部管理体制強化や企業風土改善に全力を尽くす」ことを表明されています。この姿勢は私も共感するところでして、この結論に至る過程で関係者の多くから事情聴取をしたり、監査人に書面で質問をしていたうえで「勝訴の可能性を慎重に検討した」ことからみても、同社としては十分に審議を尽くされたものと推測いたします。たしか、最近、東芝さんが(別事件において)取締役の方々を提訴しない、とした判断が「任務懈怠ではないか」と争われた裁判の判決が出されたそうですが(東京地裁において請求棄却)、その影響が受けたものかもしれません。

ただ、会計監査人という組織が、はたして法律上「外部」といえるかどうかは私もよくわからないところです。このたびの株主による提訴請求からおわかりのとおり、会計監査人に対する株主代表訴訟が現行法上で認められていますし、会社法の条文でも会計監査人は「役員等」として、会社の機関のひとつとされています(会社法326条2項)。一方、東芝さんの上記リリースでは、平成20年4月18日大阪地裁判決を引用して、裁判では「クリーンハンズ原則」が適用されることから、たとえ監査人を訴えても当社が敗訴する可能性があることを示しています。あくまでも「外部」ということを前提とした考え方のようです。

ちなみに上記大阪地裁判決(ナナボシ事件判決)は、監査人が「監査見逃し責任」を問われて敗訴した事例でして、被告である監査法人トーマツさんも、たしかクリーンハンズ原則を抗弁として出しておられましたが、裁判所はこれを認めず、民法上の過失相殺によって損害額の調整を図りました。しかも原告(ナナボシ社再生債務者管財人)は会社法423条による損害賠償請求ではなく、監査契約上の債務不履行責任による損害賠償請求を根拠としていたものです。つまり機関としての会計監査人の責任を追及した事例ではありません。

たしかに会計参与のように、取締役らと共同で計算書類を作成する立場ではないものの、株主や会社債権者からみれば、会計監査人は開示書類の信頼性を会社と一緒に担保している立場にあります。また、最近のコーポレートガバナンス・コードにおいても、会計監査人がコードの名宛人とされています。したがって、株主から見れば会計監査人は会社の外部といえるのかどうかは、やや悩ましい問題のように思えます。つまり株主からみれば、会計監査人への責任追及は、東芝さんの「会計不正の原因解明のために必須であり、まさに自浄能力の発揮」の場面だと受け取られることにならないでしょうか。

たとえば会社が会計監査人に対して「役員等」としての責任追及を行った場合、会社が敗訴すると法430条によって損害賠償債務を他の取締役らと連帯して負うことになります。そうしますと、取締役らと会計監査人との間で、責任分担に関する求償関係が生じます。以前、責任追及された会計監査人の取締役や監査役に対する求償問題が話題になりましたが、これは逆もありうるわけです。そう考えますと、会社が双方を提訴すれば、それぞれから有意な証拠が出てくる可能性もありそうです。

いずれにしても、今後は不提訴理由通知(通知には理由を付することになっていますが、会社が判断材料としている資料は株主側に提示しているのでしょうか?)が出されましたので、監査人に対する株主代表訴訟の帰趨に注目が集まります。新日本監査法人さんは、IXI事件における大株主さんから提起された損害賠償請求訴訟において、一定程度の和解金を支払う対応をされましたが、今回はどのような対応をされるのでしょうか。今後の展開に注目しておきたいと思います。

9月 21, 2016 商事系 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年9月18日 (日)

不正の迷宮-三菱自動車(スリーダイヤ転落の20年)

2l1989年のプロ野球日本シリーズの巨人対近鉄において、近鉄は初戦から3連勝。近鉄の勝利投手がヒーローインタビューで「シーズンのほうがしんどかった。巨人はロッテ(その年の最下位)よりも弱いんじゃないの?(笑)」と言い放ってしまいました。巨人の選手達はこの発言に怒り狂い、発奮して、その後4連勝して日本一になりました(語り草ですから、どこまで真実かはわかりませんが・・・)。

東芝事件に続き、日経グループ会社による三菱自動車燃費偽装事件に関連する本が出版されました(「不正の迷宮 三菱自動車-スリーダイヤ転落の20年」日経BP社 1,500円税別)。個人的には東芝会計不正事件を扱った「東芝の迷宮」よりも相当におもしろい内容です。

ひょっとしたら、もう日経ビジネス等で記事化されていたのかもしれませんが、三菱自動車社員から日産の社員を揶揄するような発言(日産の燃費測定能力を疑い、プライドを傷づける発言)がもとで、日産の社員達が怒り狂い、三菱の燃費偽装の事実を本気で暴いたのですね(このあたりの経緯はまったく存じ上げませんでした)。プライドを持つことは決して悪いことではありませんが、相手もプライドを持つ社員です。三菱自動車社員の挑発的発言がなければ、(日産は軽四自動車で共同事業者だったわけですから)今回の燃費偽装事件はどうなっていたのか・・・と思うと、やはりコミュニケーション能力は重要だなあと思うところです。

当ブログでも「素朴な疑問」として、昨年11月に開発担当部門の2名の部長さん方が(開発目標の達成度合いを正直に報告しなかったとして)諭旨解雇となったことと、今回の燃費偽装事件との関連性について記しましたが、この昨年11月の解雇処分に至った顛末も書かれています(うーーーん、なるほど、そういうことだったのか。。。)

非常に勉強になったのはトヨタ自動車、マツダ、三菱自動車の元開発責任者の方々の実名による対談集ですね。これを読むと、なぜ燃費不正が三菱で起こって、マツダやトヨタでは起きないのか、ナットクします。フォードからやってきたマツダの経営者が、開発部門の業績をどのように管理したのか、また、「技術的にその目標は達成できません」と上司に報告することが許されない(雰囲気の)トヨタにおいて、なぜ開発部門が偽装に走らないのか、といったあたりはとても共感するところです(これ、旭化成建材さんのデータ偽装事件において、ひとりの現場責任者がデータ偽装に走り、もうひとりの現場責任者が一切偽装に手を染めなかった背景事情にとても似ています)。

また、このブログでもコンプライアンス経営における「行政との対応」をよく話題にしますが、やはり今回の三菱自動車と国交省のやりとりは、不祥事発生企業と行政との対応の重要性を物語る好例だと思います。ここはコンプライアンス担当者にはぜひ読んでいただきたいところです。行政というのは、国民から批判の矛先が向けられるとみるや、手のひらを返すような対応をとります。国交省が「手じまい」のサインを出したのですから、そこにうまく乗れればよかったのに、先日のブログでも申し上げたように、再報告においても行政の逆鱗に触れることとなり、「常軌を逸した不祥事だ」と国交省に言わしめるところまで来てしまいました(もちろん、この「続編」のところまでは本書では触れられていません)。

ここ20年にわたる三菱自動車さんの不祥事発生直後の経営者インタビューを掲載しているところも、企業風土を時間軸で考察するには非常に参考になります。ただ、誠実な社員の方が多いこともよくわかりましたので「企業風土」という括りが正しいのかどうかはなんとも。後半部分は過去の日経ビジネス誌の抜粋が多いのですが、日経ビジネス社だけでなく、日経オートモーディブ社、日経トレンディ社も含めた取材班構成なので、それぞれの専門色が各所に出ていて秀逸なノンフィクションに仕上がっています。三菱自動車の偽装事件にご興味のある方だけでなく、「この偽装事件は他の会社でも起きる」ということを考えさせられるところから、コンプライアンス経営に関心の高い方々にもお勧めできる一冊です。

9月 18, 2016 本のご紹介 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年9月16日 (金)

監査役狙い撃ち訴訟における「平時と有事の分岐点」-大阪地裁判決

判例時報2298号(8月21日号)には、公益通報者保護法関連や監査役関連の気になる判例が掲載されていますが、なかでも監査役、取締役監査等委員の皆様には参考になりそうな大阪地裁平成27年12月14日判決が注目です。ゴルフ場経営会社(会社更生法による手続中)の監査役さん(監査役会設置会社における弁護士の社外監査役)だけが更生会社管財人(原告)から監査見逃し責任を追及された裁判でして、結論的には監査役さんが勝訴した(請求棄却となった)事件です(たしか金融商事判例にも掲載されていたような記憶があります)。

前掲・判例時報の解説部分にも記載されていますが、従来監査役さんの法的責任追及といえば、多くの取締役の責任追及に交じって(付け足しで?)訴えられたケースが多く、原告側もあまり監査役さんの責任追及には熱心ではない傾向にありましたが、最近は大原町農協事件最高裁判決やセイクレスト事件大阪高裁判決のように、監査役さんが「狙い撃ち」されるケースが増えているようです。本件も、他の役員の方々については和解が成立しているものの、この社外監査役さんだけは(和解が成立しなかったようで)高額の損害賠償請求の査定申立てがなされたものです。

前掲の大原町農協最高裁判決やセイクレスト事件高裁判決と同様、イエローフラッグ理論によって監査役さんが、取締役さん達の善管注意義務違反に該当する事実を「認識していた、もしくは認識しえたかどうか」が争われており、判決では取締役さん達の善管注意義務違反行為が当該監査役さんには明白とはいえなかった(したがって、是正権限を行使しなかったからといって任務懈怠とはいえない)と判断されました。当該会社は親会社から業務委託契約、金銭消費貸借契約等の名目によって会社資金を吸い取られていったのですが、取締役会の承認決議を得るための資料等からは「おかしい」と気づくこと(取引の異常性に疑義を示すこと)は困難であり、また異常性に気づかなかったので具体的な調査義務もなかったとのこと。つまり「監査役の有事と平時の分岐点」がどこにあるのか、という点に関する判断が個別の事情をもとに詳細に判決で示されています。

結論からすれば(解説者も同じ意見ですが)妥当な判断とは思いますし、勝訴したとはいえ上場会社の監査役、監査等委員の皆様にも警鐘を鳴らすに十分な内容です(ちなみに判決は確定しています)。また、どういった場合に監査役さんが敗訴リスクを負うのか、ということだけでなく、外形的に利益相反取引に近い内容の取引が行われている場合には、取引に事故が生じますと提訴リスクが顕在化する、という点にも注意が必要です。監査役の法的責任に疑義が生じないためにどうすべきか(グレーゾーンに踏み込まないためにどうすべきか)、という点についても考えさせられる事例です。また、監査役さんの「平時と有事の分岐点」について検討する機会がありましたら詳細に解説したいと思います。

 

9月 16, 2016 監査役の理想と現実 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年9月15日 (木)

第4次産業革命と「安心思想のコンプライアンス経営」

先週、今週と延べ700名を超えるJA(農業協同組合)のトップの方々にコンプライアンス経営に関する講演をさせていただきました。農協も統廃合が進んでいますので、保有資産1兆円を超える農協さんも10組合以上あるそうです。講演では、今年4月1日に施行された農協法改正(事業目的の変更)、そして今ホットな話題である農協改革(プロダクト・アウトからマーケット・インへの転換)に求められるコンプライアンスとして、「安心思想によるコンプライアンス経営」を中心テーマにさせていただきました。ちょうど本日(9月14日)の日経ニュースでとりあげられているシェアリングエコノミーやIOTが求められる産業における「安心思想によるコンプライアンス」について、具体例を示しながら解説させていただきました。日経記事で紹介されているようなサービスの提供者に「身分証明書の提示を義務付ける」といったことは、典型例です。

日本企業は「品質第一」、「安全第一」といった安全思想によるコンプライアンスは得意なのですが、「安心はタダ」と思っている民族性が顕著なのか、どうも「安心思想によるコンプライアンス」の発想は得意ではありません(そのあたりは、日本マクドナルド社の消費期限切れ商品販売事件やボーイング787運航停止事件等、このブログでも過去に何度も取り上げてきたところです)。しかしシェアリングエコノミーにせよ、IOTにせよ、AIにせよ、サービスの効率性が高まれば高まるほど、サービス提供者の「商品を超えた企業としての品質」が競争上重要になってくるのでありまして、これをいかに消費者や株主に示していくか・・・ということを真剣に考える時期に来ていると思います(そのような関係で、コンプライアンスは「ブレーキ」ではなく「アクセル」だと認識している企業も増えています)。

東京都の豊洲市場土壌汚染問題も同様です。ここまで問題が大きくなってしまいますと、いくら専門家の方々が集まって「安全です」と宣言したとしても事態の収束は困難が予想されますし、風評被害を除去するまでには相当な時間を要することになります。残された道は(本当に安全であるならば)「食べても安心です」といったストーリーを具体的な根拠をもって都民の方々に提示することでしょう。一般の都民の方々にわかるストーリーでなければならないわけですからそれなりの工夫が必要ですし、専門家と一般の都民とを結ぶプロの「通訳」が求められるはずです。上記のJAさんの講演ではお話させていただきましたが、不祥事を発生させた組織における「安心思想」のコンプライアンスには、独特の考え方、独特の発想があります。これは私が過去に何度も失敗を繰り返して認識したところでありまして、その工夫の中身については、また講演等の機会がございましたら、具体例を示しながら解説したいと思います(すいません、具体例が生々しいのでブログでの開示は控えておきます)。

産業競争力強化法に基づく国策会社の役員を2年以上務めさせていただいている関係で、ITやライフサイエンス、ナノテクノロジー、ロボット認知科学等の研究事業を知る機会が増えましたが、そのような先端技術事業を社会に役立てる場面において、コンプライアンス経営がビジネスモデルにとっていかに重要であるか痛感します。とりわけ周辺技術との融合で先手を打って(すくなくとも日本市場において)競争上優位に立つためには、この「安心思想に基づくコンプライアンス経営」を経営者自身が身につけることが必要条件であると認識しています。

9月 15, 2016 コンプライアンス経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年9月13日 (火)

「優秀なオオカミ少年」となる監査法人に期待します

3月にマザーズ上場した会社の会計監査人が、「不適切会計処理」の疑惑を指摘したことについて、金融庁怖さの「過剰防衛」ではなかったのか、と疑義を呈する記事を読みました。会計原則のひとつである「重要性の原則」からみれば、私は過剰といわれるほどの監査ではないと感じましたが、近時、会計監査人が監査に厳しい(とりわけ法人内の品質審査部門)という面は実際にあると思います。

会計士の方々をみていて気の毒に思うのは、監査上のミスや会社との癒着体質に疑問が呈されるような事態となるとマスコミで「ここぞとばかり」叩かれるのですが、覚悟を決めて「オオカミ少年」になり、見立て通りに不適切な会計処理が判明しても誰も褒めてくれないことです(まぁ「そういう仕事だから」と言われてしまえばそれまでですが・・・、ただ本当に監査人の活躍した事例をマスコミは取り上げてくれません)。最近の監査法人を冷静に眺めてみると、私からは「ひょっとすると会計不正ではないかもしれないが、また、会社との信頼関係を破たんさせて契約解消に至るかもしれないが、それでも疑義は会社に伝えなければならない」といった強い意思で実行に移す会計士の方は増えているように感じます。

もちろん正義感というよりも、金融庁の監督の目があるから・・・ということもあるかもしれません。また、第三者委員会調査の結果に依拠する、といった風潮が「企業不祥事対応のプリンシプル」によって確立されてきたことも大きいかもしれません。しかし、たとえば9月8日に取引所が公表措置としてテクノメディカさんの例などをみても、おそらく会計不正の疑義を監査法人側から会社へ呈した直後あたりは相当なストレスがあったのではないかと推測します。ちなみにテクノメディカさんの会計不正事件は、会社のトップが第三者委員会調査に虚偽説明を行ったとされており、これが取引所から厳しい措置を発動された大きな要因だったのではないでしょうか。今年2月に経営陣がすべて交代したJFLA(ジャパンフード・リカーアライアンス)さんも公表措置がとられましたが、やはり監査法人が「会計処理に疑義がある」と会社側に通告する直後はたいへん厳しい状況のように見受けられました。

ミスしたときだけボコボコに叩かれて、契約解消リスクを負いながらも勇気をもってオオカミ少年として社会的に有意義な仕事をしても「誰からも褒められない」となると、いったい誰が社会のために良い仕事をしよう、といった気概を持てるでしょうか。いま、監査法人への内部通報や内部告発は非常に増えているようで、とりわけ経理担当者や内部監査室の社員からの資料持参による情報提供が増えていることを実感します(私もいくつかの案件に告発者側、監査法人側で現在携わっています)。ようやく「会計不正は許さないのがあたりまえ」といった雰囲気が醸成されつつありますが、それでもいざ開示となると「頑張ってもいいことないし。なんとかウチウチで処理して済ますことができないか」と、監査人も消極的になりがちです。

ただ、ひとつ冷静にお考えいただきたいのは、「会計不正事件は『会計不正』だけで完結しない」ということです。ご承知のとおり、海外贈賄やカルテル事件は、会社にとって重大な損失を被らせる可能性があるにもかかわらず、最終的な海外当局の結論が出るまで開示されません。しかし会計不正事件として端緒が明らかになります。反社会的勢力との癒着問題も同様です。また医療機器を取り扱う会社や自動車部品会社であれば、人の命に関わるような品質問題にも発展しています。これは、独自のペナルティが法律上規定されているにもかかわらず、「内部統制の不備」(内部統制報告制度における開示違反)だけでは当局が動かない・・・という規制手法に大きな原因があります。会計監査人が「良質なオオカミ少年」になることは、会計不正防止を超えて、多くの人の命を救う結果にもなるのです(これは最近、ある会社の事件を取り扱って認識した次第です)。

最近、大きな会計不正事件を起こした上場会社の社外取締役さん(複数)と意見交換をしましたが、そういった会社であることを承知のうえで就任されているので、会計監査人との綿密な協議を毎月されていました。たとえ不発に終わった「オオカミ少年」でも、会社との信頼関係を破たんさせないスキルはあると思います。よりよい監査環境の整備に向けて、いろいろな知恵を働かせていただきたいと思います。

9月 13, 2016 監査法人改革の論点整理 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年9月 9日 (金)

PCデポ問題-「社会からの要請」の内容は御社の姿勢次第です。

8月中旬に高額解約料騒動が報じられて以来、株価が低迷を続けているPCデポコーポレーションさん(東証1部)ですが、いよいよ運用大手が次々と同社株式を売却しています。正直に申しますと、私は同社の対応は速やかだったので、1か月もすれば株価は回復するのではないかと予想していましたが、そんなに甘くはなかったようです。

認知症の高齢者の方に対して、解約手数料20万円を請求した(最終的には10万円に減額した)、という事実の「不適切さ」もさることながら、おそらく同社の高齢者サポートビジネスへの懐疑的な見方が広まった(知られてしまった)のかもしれません。月額契約料のほかに、高額の解約手数料をとらなければ、そもそも手厚いサポートを維持する費用を捻出することができないと思われますし、その点が世間で明らかになると、今度は契約者間における不公平感が解約への誘因になっているのではないでしょうか(「俺が払っている月額契約料は、ごく一部の契約者の利便性のためだけに使われているのか?」といったこと)。今後、同社の対策が奏功して株価が上昇するのか、注目しておきたいところです。

しかしPCデポ騒動をみるに、今回ほどSNSの脅威を感じた不祥事はなかったのではないでしょうか。SNSの脅威といえば、過去にもリコール対応の杜撰さが暴かれた事件や「おバカ投稿」が拡散して企業が謝罪するような事例はありましたが、株価が半減して戻らないといった、まさに企業価値を低下させるきっかけとなった事例はあまり記憶がありません。コンプライアンスは「法令順守」ではなく、「社会の要請への適切な対応である」とは言われますが、まさに社会の要請に対して同社が(これまでのところ)対応できていなかったといえます。

大きな不祥事を起こしてしまった企業が、よく「世の中の風を読み間違えた」と釈明することがありますが、私が危機対応の実務で感じることは、「世の中の風」といったものは、どこの企業にも同じように吹いているものではなく、御社次第で風の向きや風の強さは変わるということです。「割れ窓理論」というものがありますが、人は誰も手入れをしていない割れ窓の空家では、土足で立ち入り、平気でごみを捨ててしまい、その結果不正発生率も高まります。しかし手入れが行き届いている家の前では道徳心が発揮され、その結果として不正発生率は下がります。まさに「性弱説」の発想です。同じ不祥事を起こしても、平時から示している顧客に対する接し方や有事における不祥事対応が異なれば、同じ顧客でも別の顔を見せるのは当然です。

御社に吹く世間の風も、御社が世間に対してどのような姿勢で臨むかによって変わります。マニュアルのような「クレーム対応の手引き」だけに頼って、その顧客をクレーム客に仕立ててしまった要因に目を向けなければたいへんなことになります(すべてとは申しませんが、普通のお客様をクレーム客に仕立てているのは御社の姿勢かもしれません)。「顧客のために」と言いながら、実は自社の利益優先の行動に出ていれば、それなりの風が吹きます。「顧客の視点で」事業を遂行していれば、同じ顧客でもまったく別の顔を御社に向けてくれます。このことがよくわかっておられない会社がとても多いと痛感します。コンプライアンス経営の基準となる「社会の要請」は、もちろん時代によっても変わりますが、御社の姿勢によっても変わるということは肝に銘じておいたほうがよいと思います。

9月 9, 2016 コンプライアンス経営はむずかしい | | コメント (0) | トラックバック (0)