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2005年5月30日 (月)

弁護士のお値段について考える

昨日は「会計士さんのお値段」について書いてみましたが、今日は「弁護士のお値段」について考えてみたいと思います。

たとえば、私のブログでいろいろと検討しております企業買収防衛策について、(最近疑問に思っていたこととして)「イーアクセスのプラン」と「西濃運輸のプラン」を比較してみたときに、「なぜわざわざイー・アクセスは信託会社に直接新株予約権を取得させずに、SPCに取得させるのだろう」という疑問を抱いております。私は、この問題について、もし弁護士として回答するのであれば、(もちろん直感としてですが)SPCを介入させたほうが、新株予約権付与の対象者を選択する企業にとって「株主平等原則」に違反する程度が低くなることと、実務として100パーセントきっちりと新株予約権を付与できることはないだろうから、その手続き上の瑕疵責任を(直接企業が負うよりも)SPCに負担させるほうがいいのではないか、ということをブログやホームページで述べました。

ところで、きょう47thさんのブログで、この問題に関する(47thさんの直感による)コメントが書かれており、なるほど、この人はきちんと報酬のとれる弁護士だなあ・・・と納得しました。もちろん、そこに指摘されている問題が正しいかどうかはわかりませんが、このコメントの素晴らしい点は、銀行法や独禁法との関係、信託法特有の問題点、規制法との問題点など、「正しいかどうかはわからないけど」問題点が必要十分にして指摘されている、ということです。問題点がきちんと指摘されておれば、後は時間をかけて実務的な研究をすればよいことでしょう。企業から弁護士に求められるのは、汗の部分ではなく、このような「知恵」の部分でしょうし、だからこそ昨日のブログに書きましたように、弁護士の実力というのは「目に見える差」というもので測ることが可能だと思うのです。また、同じ問題について、磯崎さんのブログでも丁寧に税務面からの検討がなされており、おふたりの見解というのが、無料で読めること自体たいへんありがたいなあ・・・と思ってしまいました。

ただ、あえて誤解のないように申し上げておきますが、弁護士の場合には、この「知恵の差」というものが、報酬の差という面だけで現れるものではないことはもちろんのことです。47Thさんのような「知恵」のある弁護士さんが、社会のいたるところで活躍しています。私の周りでも老若関係なく、被害者弁護団や、倒産管財人、労働者側代理人、政治家などに、ときどき「知恵があるなあ」と舌を巻く弁護士さんがいらっしゃいます。同じものを見たり、同じことを考えたりしているのに、そこから出てくる情報の質や量が違ってくるのは、おそらく才能に加えて、多くの分野に対する深い興味に導かれるところが大きいように思います。

去年今年と、なにかのご縁で、「2ちゃんねる」の管理人さんを被告とする事件を2件ほどやらせていただきました。管理人さんとは東京地裁で一度だけしか話をする機会がありませんでしたが、やはり「若くて知恵のある人だなあ」という印象を持ちましたし、この人が弁護士になったとしても、相当優秀な弁護士になるだろうな・・と確信しました。(この6月、大阪弁護士会にこの管理人さんがシンポジウム参加とのことでやってこられるそうで、私も実行委員会よりパネリスト参加の要請がありましたけれども、事件相手方とシンポジウムに参加するのはさすがにマズイだろう、と思い辞退させていただきましたが)正直言って、40代も半ばになりますと、この47thさんや「ひろゆき」さんのような方の才能は羨ましいばかりですね。

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コメント

何だかお礼を申し上げるのも面映いのですが、お礼を申し上げないのも失礼かと思い参上しました。
私の場合、若さのせいもあって「思いつき」が売りのところがあるのですが、逆に若いうちのそうした知的好奇心とかを維持していけるかどうかが勝負だという気もしています。
「隣の花は赤い」なのかも知れませんが、私からすると10年後、toshiさんのように広いアンテナと視点で物事を考えられ大人でありたいなと思います。
これからも、広い視野から色々と教えて頂ければ幸いです。

投稿: 47th | 2005年6月 1日 (水) 00時41分

そんなに気を使わないでください。ちょうど、こっちの話題にドンピシャのタイミングだったんでTBさせていただきました。「最先端」半分ほど読ませていただきましたんで、またちょっと偉そうな(?)コメント書かせていただきます。また、よかったら遊びに来てくださいね。

投稿: toshi | 2005年6月 1日 (水) 22時37分

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