ニレコのライツプランに差止仮処分決定
まだ仕事中なんで、決定文も読めていませんが、東京地裁商事部でニレコのライツプランに対して新株予約権発行を差し止める仮処分決定が出たようです。
私の記憶が正しいとすれば、たしか5月10日ころに申請があって、その後5月20日ころにニレコ側がプランの変更(SPC信託型ライツプランに修正して随伴性をもたせて、基準日以降の株主への不測の損害を回避する、発動を決定する特別委員会のメンバーから、代表者がはずれる)を加えていますよね。ということは、現在かなりの企業が導入(もしくは導入を検討している)信託型ライツプランへの影響度がかなりあるのではないでしょうか。それとも、取締役会決議で発行を決めたことが問題となったのでしょうかね。それならば、影響度も薄まりそうな気がしますが。
また仕事終って、決定全文をどっかから入手できたら、検討したいと思います。
(ここからは追記です)
まだ決定全文を入手しておりませんが、深夜にネット記事が少し詳しいものが出ていますので、(朝日なんかを読んでおりますと)最初にニレコが発表したプランに対しての司法判断のように読めますが、いかがでしょうか。途中で、司法対策のためにプランを変更したから、その変更後のプランに対する判断かと思ったのですが。
おそらく明日以降、また詳しい解説が専門家の方々よりコメントされると思いますので、期待しておりますが、いずれにせよ、プランの巧拙はあったとしても、この新株予約権を利用したプランというのは、どうも法的安定性、予見可能性という面からは嫌われてしまうような気がしますね。弁護士の立場からすると、今回の判断をもとに、「この判断の妥当性はこのあたりまでだから、ここを修正すれば先例的な意味が回避できますよ」とか説明できるわけですが、ニレコの場合でも発表当初は急激に株価が上昇して、その後急激に落ちて、5月末は発表前よりも下げてますから、司法判断に及ぼす不安材料が多すぎて、とても企業法務担当者の方々や現経営者の方には落ち着かないスキームのように思われます。私自身は、5月28日のコメントのとおり、いまでも、このプランはどんなに巧く作ってみても「株主平等原則」違反は明らか、という立場ですから、このスキーム単独での防衛策はムズカシイ・・・と考えておりますが。いまごろ、ニレコの代理人の方々は、異議申し立てするか、プラン取り下げるべきか、思案中なんでしょうね。
「敵対的M&A対応の最先端」を読んだから言うわけじゃありませんが、いっそのこと、これから防衛策を検討されるところは「西村ワクチン」を株主の皆様に提案してみてはいかがでしょうかね。条件型の拒否権付種類株主と社外取締役との組み合わせ、というのを検討してみてはいかがでしょうか。西村ワクチン進化型みたいな。お金あんまりかからないみたいですし、株主平等原則違反もクリアできるし、内容が明確だから法的安定性も高いと思いますが。。
| 固定リンク
コメント