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2005年6月19日 (日)

運転再開、社外取締役に知らせず

宝塚線再開日、社外取締役に知らせず JR西日本

 神戸新聞ニュースからの引用です。きょうから宝塚線(福知山線)が始発から再開されましたが、いつ再開するか、などJR西日本の社外取締役には社内から知らされず、おふたりとも報道で知った、とのこと。

 間近に迫った株主総会(6月23日)ですが、それまでに被害者説明会(遺族説明会と負傷者への説明会)を開始し、同時に運転も再開したいというのがJR西日本側の強い経営判断によるものであることが理解できますが、やはり「社外取締役」は「お飾り」ということなんでしょうか。しかし、株主総会の開催と「非常に強く関連性のある経営判断」だけに、これを社外取締役の意見を聞くこともなく決めてしまう、ということが事実だとすると、やはり安全性への対応というのも、一時だけの対策にすぎないと危惧する意見にも納得してしまいます。

(追記 6月20日午後9時)

神戸新聞の社説にもうすこし詳しい記事が掲載されていました。

 あり得ないことが起こった

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コメント

こんばんは。こちらで初めてこのニュースを知りましてびっくりしました。唖然呆然愕然。現場から遊離しないように細心の注意を払っていたはずの私たちの議論ですらも先を急ぎすぎていたということでありましょうか。

投稿: bun | 2005年6月19日 (日) 23時14分

おはようございます。
コンフェデ見ながら仕事してまして。
しっかし、組織として今までどう動いていたのでしょうかねえ。この手の話が理解できない方が各担当セクションにいるということなのか。理解できるけど伝えないのか・・・後者が問題が大きそうに見えますが、実は組織としては前者の方が問題なのでして。リスクの所在が社内で相対化してしまう(社内のいろんなセクションのかたがたがリスクの所在と大きさを把握しようにも不確定性が高まる)というのは組織対応をいくら行おうとしても「問題発見ができない」可能性があるということです。これは相当組織としてはその修復には時間と知恵と人材が必要ということになるのですよ。
外部のコンサル(ただし、ちゃんと仕事するところ)かしっかりした若手と中堅がいる弁護士事務所に相応のコストをかけて問題の検討に入ってもらったほうがいいと思いますけどねえ。顧問事務所は何してるんだろうか?という批判が出てこないうちにですけどね。心ある内部の担当者がいるとすればやり切れんでしょうなあ・・・。思うところが多いです、ホントにこの事件は。また伺います。

投稿: ろじゃあ | 2005年6月20日 (月) 03時18分

>bunさん
他の一般紙では報道されていない、ということは、この問題がそれほど重要視されていない、ということでしょうか。企業活動の詳細な部分まで社外取締役が経営判断に参加できるわけではないと思いますが、この問題は一般紙でも報道されているとおり「株主総会の前にどうしてもJRは運転を再開したい」ということですから、その経営判断が一般株主、地域住民、被害者の方がたにとって、どのように映るのか、それこそ社外取締役の判断を仰ぐのが適切ではないでしょうか。
bunさんの予想を裏付けるような現実の報道が多すぎて、すこし悲しい気分です。

投稿: toshi | 2005年6月20日 (月) 14時12分

>ろじゃあさん
経営判断を担当責任者へ確実に伝達することは重要な内部統制システムの運用問題だと思います。あまりに「社外取締役」が偉い方なんで、「この程度のことでお伺いたてるのはいかがなものか」という社内判断があったとすれば、そのあたり、本当に難しそうな問題ですが、それこそひとつの基準を作る意味でも、外部に委託するのも方法かもしれません。

投稿: toshi | 2005年6月20日 (月) 14時18分

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