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2005年8月 3日 (水)

コンプライアンス委員会からの提案

昨年より、ある企業の不祥事をきっかけとして、コンプライアンス委員に就任をしておりましたが、その委員会での「改善提案」というものを提出いたしました。もちろん、いままでは原因調査や再発防止策という、その不祥事特有の問題だけを取り扱っていたのですが、今回は将来展望ということで、「トップへの委員会からの要請」というものでした。

私の提案は性善説と性悪説の折衷案です。性善説は「社員は変わることができる」をモットーとして社長からのコミットメント中心のもの。「この会社は社員に敗者復活戦を保証する。もし、あなたが会社を愛するあまり、会社に傷をつけてはいけない、仲間に迷惑をかけてはいけない、関係取引先に迷惑をかけてはいけない、という気持ちが先立ってしまい、その行動が社会に迷惑をかける事態になりそうだったら、立ち止まってください。あなたが立ち止まることを会社は評価するし、それで迷惑をかける人が出たとしても、会社はあなたの今後の努力を正当に評価することを約束します。たとえば具体例をあげると・・・・・・」

もうひとつは性悪説に基づくもの。会社トップと業界団体とのつきあいに関するものでして、「業界団体の恒例行事はトップだけでなく、社員も同行させること、業界団体行事予定については、たとえ私的な会合であっても事前に○○総務部長に申出ておくこと、業界団体が、オブザーバーとしての社員同行を認めるよう働きかけること」

いままで社長以下、役員の方にはたいへんよくしていただきましたが、上記提案が受け入れられなければ、コンプライアンス委員は辞任する旨、申し上げました。もちろん、委員会は存続しますので、個人的なものではありますが。妥協案であれば、またそのとき、進退については検討する、ということで慰留要請は受けましたが・・・

せっかく不祥事をきっかけに、社内の雰囲気を一新しようということで始まった委員会ですから、業界のリーダー的役割も果たしてほしい、というのが願いです。こういった委員は、社員さんとは違って、「トップに解任されたり、辞任してナンボ」の世界だと思っています。もちろん外部の人間ですから、企業や業界団体の実情を知ろうとする最大の努力を果たしたうえでのことですが。あとは私を、その企業に紹介していただいた方の顔が立つような形だけを工夫するだけです。

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コメント

こんばんは。toshiさん男だなあと胸に染み入るエントリーでした。私の苦労なぞ及ぶべくもありませんがそれでも私が「仕事」したなあと思える数少ない瞬間がこちらのエントリにあるような「辞任」をするときでした。お気持ち察するにあまりあります。お疲れさまでした。

投稿: bun | 2005年8月 4日 (木) 02時05分

bunさん、こんばんは。
とんでもないです。私の場合、辞任しても、本業でなんとか食べていけますので、けっこう簡単に開き直ることはできます。むしろ、会社が困らないかなあ・・と気遣う気持ちが強いです。bunさんだったら、自分の信念でガンガンやっちゃうんでしょうね。慰留されても後ろを振り向かないんでしょうね。私はけっこう慰留要請に弱いタイプです・・・・・情けないですが。

投稿: toshi | 2005年8月 4日 (木) 20時08分

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