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2005年12月 8日 (木)

ACFE JAPANの会合に出席してきました。

きょうは、ACFE JAPAN(公認不正検査士協会 日本支部)のアドバイザリーコミッティーに参加するため、二週連続で東京に行ってまいりました。(日帰りなんで、懇親会出席後、最終の新幹線で帰阪しました)7月以降、日本でもCFE資格(公認不正検査士)の保有者はかなり増えているんですね。

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アメリカ、カナダ、イギリスについで世界で4番目に資格保有者が多いのが日本ということであります。これまでの資格保有者は実務経験や関連資格によるこれまでの業績などをアメリカの本部にて審査を受けて、認定された方ばかりだったのですが(実は私も現在資格認定のための申請中であります)、この11月に日本語による初めての資格試験が開催されております。(次回は来年2月の予定)公認会計士、公認内部監査人(CIA)とどこが違うの?といった疑問がよく聞かれますが、一番大きな差は、会計士、内部監査人の業務のような定例、継続的業務ではなく、企業内において、なんらかの不正の疑いのあるときに、非継続的に業務が開始される、といったものでして、また内部監査のような全般的な範囲にわたるものではなく、特定疑惑解明のために必要な範囲での検査、といった特色があります。

目的におきましても、監査のような「評価」ではなく、明確な「責任の所在の特定」ということでありますので、必要となるスキルも「財務」はもちろんのこと、それ以外の証拠収集のための不正検査技術なども要請されてきます。すでにアメリカにおきましては、CFE保有者は、3万人以上に上りますので、企業との対立のなかで、不正発見、および不正の疑惑の否定(疑惑不存在の証明、これもけっこう大切な業務だったりします)、といったスキルが発表されておりまして、これがなかなか興味深いところがあります。また、おもしろいのは、このCFEという資格は、会社内部における社員として活躍している方もいれば、法人や個人として、企業からの委託によるアウトソーシングとして活躍されている方もいらっしゃいます。

なんだか、探偵みたいな印象をお持ちになるかもしれませんが、実際に資格者の方と話をしておりますと、どちらかというと「話し上手、聞き上手」な方が多く、しかしながら心の中に「確固たる性悪説」を秘めているといったタイプの方が多いようですね。もし興味のある方がいらっしゃいましたら、またこちら(ACFE JAPANのHP)をのぞいてみてください。

ある委員の方とも話しをしていたんですが、「不正」の定義というのも、わかったようで、すこしわかりにくい表現ですね。「企業内部におけるコンプライアンス」といった方向で捉えますと、企業の倫理綱領やルール違反のようなものも不正に入りますし、もっと法令違反に近い概念でとらえますと「犯罪、不祥事」といった意味に近くなりそうですし。また、手続といった点を中心に考えますと、刑事訴訟、民事訴訟、行政処分手続、そして自主規制機関による審査手続など、その対応もさまざまです。アメリカの概念にならうのが筋だとは思いますが、日本独特の手続や概念を加味したうえで「不正検査」の範囲をある程度明確にすることが課題になるのかもしれません。

アドバイザリーコミッティ委員のメンバーは、よく法務、会計雑誌に寄稿されている話題の方が多いんですが、議事内容は非公開ということですんで、また新聞や雑誌の報道などでご覧いただきたいと存じます。

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コメント

私も今CFEの資格申請中です。
11月末が締め切りということで、急ぎ申請書を準備して提出したところです。
今後ともよろしくお願いします。
まずは、ご挨拶まで

投稿: kamakura | 2005年12月11日 (日) 13時23分

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