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2005年12月18日 (日)

黄金株 条件付きで容認(東証)

bunさん、辰のお年ご さんにご指摘いただいたきましたが、「あの黄金株はいずこへ?」と言っておりましたら、タイミングよく各報道機関よりニュースになっています。

黄金株 条件付で容認(東証)(日経ニュースより)

東証は、防衛策発動の条件、判断基準、第三者によるチェックの有無などについて、事前相談という方式を使って調査する、ということのようです。また十分な情報を開示するものとして、「透明性、流通市場への影響、株主権の尊重」の三項目を掲げているとのこと。

たしかライツプランを導入した防衛策と、黄金株を導入した防衛策とでは、「株主価値を損ねるおそれのある防衛策」と「そもそも上場資格に問題を生じさせる防衛策」に峻別して、実効性の確保については、「価値毀損のおそれ」の場合には公表、「黄金株」の場合は半年ほどの猶予期間の後、上場廃止としておりましたが、そのあたりの区別がどうなったのかは、日経の新聞記事ではわかりませんでした。アメリカの主要な証券取引所では、すでに上場している企業に黄金株の導入を認めていない、ということを強調しておられた東証でしたが、どういった理由で方針転換されたのでしょうか。

辰のお年ごさんが指摘しておられますが、東証は「コーポレートガバナンスに関する情報開示」についても、この12月22日の取締役会で方針を決定する可能性が高いようですが、こちらもたいへん気になるところです。(経団連が、この東証の指針に意見を発表していることは、12月7日のエントリーでご紹介したとおりであります)ひょっとすると、事前相談の際に、防衛策発動条件や第三者によるチェックとの関連で、こういった開示の対象となっているガバナンスの状況なども加味したうえで、「株主価値毀損のおそれ」の有無を検討するのかもしれませんね。また、ガバナンスの問題に加えまして、「黄金株」と一般的に呼んでいるところの防衛策のうち、「どの防衛策」をとるのか、という特定の問題、そしていったい誰にその株式を保有してもらうのか、本当に導入を検討している企業にとっては、いよいよ具体化作業が必要になってくるのかもしれません。また、追加でいろいろな論点について触れてみたいと思います。

12月 18, 2005 未完成にひとしいエントリー記事 |

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» 東京証券取引所 黄金株を容認 トラックバック 日高正樹税理士事務所 (名古屋税理士会千種支部所属)
今日はずっと雪が降っています。 こんな日は外出もままならないため、家で年賀状などを作成していました。 さて、先日、黄金株について新しい記事が掲載されていました。 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20051217ib01.htm 今までは、原則、東京証券取引所は黄... [続きを読む]

受信: 2005年12月18日 (日) 19時10分

コメント

黄金株の件では、企業価値研究会の内部でも議論があったように報じられていましたが、11月22日の同研究会の議論の議事要旨(http://www.meti.go.jp/policy/economic_industrial/gather/eig0000054/index.html)では、東証の要綱試案への批判がとても多いという印象を持ちました。以前報道されていたところでは、委員の先生方からは黄金株等に対する批判が多くあったように思っていたので、短い期間に突然方向が変わってしまったの???と頭の中が?マークで埋まってしまいました。それとも、東証の要綱試案は、これだけ「袋叩き」状態に遭うほどの内容だったのでしょうか。東証の意見に対して賛否があることは了解していますが、そんなに一方的な批判で固められるほどひどい内容だったかなあ、とも思ったりします。(まさか、弱い者いじめではないですよね。)いろんな意見が出るのが研究会での議論の存在意義であるでしょうから、もうちょっと両論が示されると良いのになあ、どうしたなんだろう、等といろいろ勘ぐってしまったのは、辰のお年ごだけでしょうか。

その後、企業価値研究会は12月15日に「企業価値基準を実現するための買収ルールのあり方に関する論点公開」(http://www.meti.go.jp/press/20051215010/20051215010.html)を公表していますが、あまり皆様のご関心を呼んでいない様子です。ちょっと他の官庁の領域に入り過ぎでないの?という批判を11月から頻繁に耳にする機会が多くなっているので、もう少しがんばってほしいなあ、と思ってしまった次第です。(個人的意見としては、そのような批判を呼びかねない表現が多いのが気になっており、もう少し穏当な意見表明の方が、存在意義を高められるのにと思っていますが、それは置いておきます)。各種の意見が複数出ることで、議論が深まればいい方向性が見えてくるかな、と思っていますので。権威のあるところだけが一つの方向性を示したら、皆がそれに従うというような社会だと危険ですよね。それぞれの立場があるでしょうから、押したい気持ちも分かりますが、民主的な社会であってほしいと願っています。

すでに報じられているとおり、金融審議会の公開買付けワーキンググループの方も方向性(http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/siryou/kinyu/dai1/tob/f-20051209-2.pdf)が見えてきたところですので、22日の報告書が待たれるところです。TOSHI先生の突っ込みにまた期待しています。

投稿: 辰のお年ご | 2005年12月19日 (月) 02時02分

いつも丁寧なご紹介、おそれいります。
辰のお年ご さんの疑問につきましては、私も共感するところが多いです。東証については、私もいろいろと疑問を呈してきましたが、なにも証券取引所のあり方について、文句があるというわけではありませんし、そういった文句を言える資格もありません。ただ、とりわけM&Aに関連する施策となりますと、どうももっと深いところでの論者の意見の食い違いがあるような気がしています。最近、このブログを閲覧していただいている方より、非常に示唆に富むお話を頂戴したところですし、すこし抽象論にはなりますが、「日本における企業価値論」のようなものについて意見を述べさせていただいたうえで、この「東証批判」問題についての問題提起をさせていただこうか、と思っております。
金融審議会の報告書につきましても、楽しみにしております。期待されるほどの「ツッコミ」が可能かどうかは、ちょっと心もとないのですが・・・。

投稿: toshi | 2005年12月20日 (火) 02時38分

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