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2006年1月17日 (火)

堀江氏に「Xデー」はあるのか?

号外版(ライブドア 強制捜査へ)ほか、たくさんのエントリーにたくさんの方からコメントを頂戴しておりますが、どれから手をつければいいのかわからなくなってしまいまして、まことに申し訳ありません。。。明日以降、順にお返事させていただきます。個人的には井上判事の再任拒否問題に触れたいのですが、たくさんの著名ブログで「ライブドア」問題を取り扱っていらっしゃいますので、やはりそちらの問題について、すこしだけ触れておこうかと思います。(ろじゃあさんがご指摘のとおり、17日は重要な耐震強度偽装問題の証人喚問もありますし、また宮崎勉の責任能力判断を含む最高裁判決がありますし、新聞の社会面はいったい何を取り上げるのか、皆目検討がつかない状況でありますが。)

また、すでに47thさん(ふぉーりん・あとにーの憂鬱)は「風説の流布」(証券取引法158条)の解釈問題にまで言及されておられるようで、「早っ!!」と驚いておりまして、実はまだ私はそこまで頭がついていきません。もうすこし、情報が整理された段階でコメントさせていただこうか、と思っております。

あまり弁護士らしくない「切り口」になってしまいますが、果たして今後堀江氏の「Xデー」は訪れるのかどうか、ちょっとだけ予想してみたいと思います。ズバリ、私は(堀江氏が言動を慎むのであれば)Xデーは来ないと思います。つまり罰金刑による略式命令(もしくは在宅のままで正式起訴)で済むのではないか、と。

特捜が動く場面を常識的に想定してみますと、社会に「悪が露見して」国民に検察待望論が渦巻くケースと、外交政策等、なんらかの行政パフォーマンスが要求されるケースと、検察権力に対して毅然と挑戦(挑発)するケースに分類することができます。

今回のライブドアの場合、「投資サービス法」制定直前における市場整備の一環、といった見方もあろうかと思われますが、それならもうすこし規模の小さなところを「みせしめ」的に処分するべきであって、いきなり「ライブドア」はないと思います。また、私の常識が正しいとするならば、いま社会に「ホリエモンは犯罪者のニオイがするから検察が動くべきだ」といった風潮が蔓延しているかといいますと、そんな雰囲気もあまり感じられないように思います。そこで私がちょっと注目したいのは、LIGAYAさんのブログで、まだ事件発覚前に書かれていた書評であります。国家としては「社会的影響力を有するライブドアの最高責任者のおふたり」が、こういった言動を世に公言される、ということは、(グレーな領域で取引を行った、と一般には認識されている方ガタですから)ちょっと国家権力に対する挑発と受け取られるの「おそれ」が高いのではないでしょうか。私は昔から、検察庁というところは、「挑発には受けて立つ」という気概が脈々と受け継がれているところだと思っておりますし、挑発行為が「そのへんのおっさん」であれば無視しますが、それなりに挑発によって検察の威信が揺らぐほどの社会的影響力ある人によるものであれば毅然とした対応をとる官庁だと認識しております。(たとえば日本で認められていないけれども、社会的に有用とされる医師の治療行為を、あえて日本で行う場合など)そういったところから、検察は証券取引等監視委員会と共同して、まずカタいところから押さえてみて、今後の堀江氏の事情聴取における対応をみたうえで、余罪捜査へ発展させるのではないかと予想しております。

夜、自宅に帰りまして、テレビで見たかぎりでは、六本木ヒルズに入っていく検察事務官らの人数は14,5名程度でした。その数の少なさにちょっと意外な気がいたしました。(報道陣が100名ということらしいですが)まずは捜索差押に踏み切り、今後は関係者の事情聴取をじっくりと時間をかけて行い、担当検事と堀江氏とのある意味「司法取引」のような状況が繰り広げられるのではないでしょうか。

またまた何の根拠もない「井戸端会議」的なヨミですので、当たるも八卦、当たらぬも八卦、私の想定の範囲内になるのか、想定外となるのか、ということでお許しください。事実関係がもうすこし明確になりましたら、もうすこしマトモなエントリーをアップしたいと思います。

(追記1)

日経平均は、急降下で始まったようです。やはり私の「楽観論」は今回も少数意見で終わるのかもしれません。

(追記2)

元検事の矢部先生が、本件でエントリーされています。私も今回の検察の情報管理はさすが・・・・と思います。証券取引等監視委員会も総勢60名ほどの民間出身者の職員がいらっしゃるにもかかわらず(また、このたび50名ほどが捜査に投入されたにもかかわらず)一切情報が漏れませんでした。(それとも報道陣との阿吽の呼吸とかあるのでしょうか?)

ところで日経平均はほとんど影響がないみたいですね。海外投資家が順調に買い進んでいるようで。それだけ日本の景気回復はホンモノということなんでしょうか。(前場)株価の動きはしかたないと思いますが、ニュースや新聞、ブログなどをみておりますと、それぞれ「自分の思惑」に合致しているところだけをつまみ食いしたり、希望的観測を奥に秘めながら情報を分析されているものが多いようですね。こういったときこそ、ご自身の人生経験とか常識とか、日本人の特性とか、そういったことを自分なりに頭で考えて今後の予測をたててみると意外と「報道されていない大きな穴」が見えてきたりするのではないでしょうか。(偉そうな言い方をしておりますが、私は何も浮かんでこないんです・・・)

(追記3)

やっぱり日経平均急落でしたね。。。今後の捜査が気になります。

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コメント

大胆なご推察というかなんというか・・・
まあ、あれだけ捜索差押えして、朝自ら記者会見ができるというのはちょっと一部のマスコミの方々からすると想定外だったかもしれませんけど・・・ブロガーも結構今回は書きにくい環境になってるかもしれませんねえ。

投稿: ろじゃあ | 2006年1月17日 (火) 08時47分

おはようございます。

ポジショントークでないことを示すために、私はファンダメンタルズは識別できないが有効な判断材料であると考えているファンダメンタリストですので、この手のバリュー株は所有しておりません。

現在(前場終了間際)関連株はストップ安売り気配の一色です。

私もtoshiさんの読みに賛成です。ない、と思います。規模といいタイミングといい(そろそろこの過熱感をなんとかしたほうがいいのではないかという空気を感じておりました)、嫌疑の内容といい、捜査の規模といい、やりすぎでないしかるべき的確な捜査だと思われました。

ストップ安については、もともとバリュー株ですから。

#このコメントにはどの銘柄についても、株価の今後の方向性については何らの示唆もございません。

投稿: bun | 2006年1月17日 (火) 10時57分

お疲れ様です。
今日はライブドアの有価証券報告書と、
にらめっこしていたのですが、
いろいろ不思議な会社ですね。
資本の部が、利益剰余金の増加よりも、
資本金関連のほうがハイペースだったり。

とりあえず、現時点で思ってることを、
会計ちっくな面からまとめてみました。
結論として気になったのは、
投資事業組合の分配を受けたのは誰?
という部分ですね。

いてはいけない人の名前が、
ないことを祈っています。

投稿: grande | 2006年1月17日 (火) 20時40分

追記2前半について
ろじゃあのエントリーの(1)と(2)を参照していただくとわかるのですが、今回はNHKとか他の新聞がフライングしてたりフライング気味だったり・・・これが本件を混乱させた端緒だったのですけどね。たぶん特捜の方ではおかんむりだったのではと推察するしだいです。
追記2後半について
ろじゃあも趣旨に賛同。TB付けさせていただきました。

投稿: ろじゃあ | 2006年1月18日 (水) 03時53分

メールデータのような隠滅の容易な証拠が重要であると見て、箝口令を徹底して速攻で捜索に着手したみたいですね。

投稿: モトケン | 2006年1月18日 (水) 18時59分

>ろじゃあさん
今回も、ろじゃあさんのブログが「コア」になっているようですので(笑)、ほかの方の意見を知りたいときには、「法務の国」へとりあえず飛びつくようにしております。
「大胆な意見」のトーンが次第に落ちていっておりますが(笑)、ぜひぜひ法律家の立場からのコメントとしての特長だけは忘れないようにいたします。

>bunさん
いつもありがとうございます。bunさんの以前のエントリー(再録分)拝見いたしました。今度、検察庁とライブドアの「組織と人」に関するエントリーをアップしようかと思っていますので、一度bunさんのご意見なども聴いてみたいと思っています。

>grandeさん

何度もTB、コメントいただき恐縮です。毎日ブログをチェックさせていただいております。タイムリーかつ正確なエントリーは、今回の資金の流れに関する業界の常識を理解するうえで非常に参考になりますね。こういったブログを目指しているつもりですが、なかなか技量が伴わないようです。投資事業組合の資金の流れについて、なんだか争点がありそうですので、また質問させていただきたいと思っております。
また、遊びにきてください。

>モトケン先生

東証ショックについては、果たして検察庁は予想していたのでしょうか。また、強制捜査に対する地検の心構えといったものについても、実際はどうなんですかね?いろいろと教えていただきたいところもあります。(しかし、組織は人なり、とはよく言ったものですね)

投稿: toshi | 2006年1月19日 (木) 12時04分

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