タイガースとタカラヅカ
最近は著名ブロガーの方々の間で消費者金融関連のエントリーが盛んにアップされておりまして、私もコメントしたいところなんですが、実名ブログですし、顧問先との関係もあって慎まざるをえないところがあります。(ちょっと寂しいです・・・)また、この話題も、毎日のように顔をあわせているセンセイがどっちかの顧問弁護士なので、差しさわりのない範囲でのエントリーになってしまいますが、どうがお許しを。。。
いよいよ阪急と阪神が持株会社方式によって統合される可能性が高まってきましたね。もちろんファンドとの値段交渉(TOBの基本価格)次第ということではありますが、新聞報道などではもはや秒読段階のような様相です。いっぽう京阪電鉄はこの統合に反対を表明して、関西経済界に反対声明への協調を呼びかけているようです。
私はコテコテの南大阪人でして、この統合には賛成も反対もないのですが、ただどう考えても阪急にとっても、阪神にとっても有益なシナジー効果が得られるようには思えませんし、いまもって統合することが「本気なのか」理解できません。もし阪神が鉄道事業でシナジー効果を得るのであれば「中之島新線」の開通を2年後に控えた京阪との事業提携であることは明らかでしょう。「新線」の最終駅は直線距離で1キロにも満たない野田阪神駅(阪神電鉄本社のあるところ)ですから、現在急ピッチで開発が進んでいる中之島ウォーターフロントを介して神戸、大阪、京都がつながるわけでして、関西の地域住民からすればもっとも歓迎すべき統合です。(いっぽう、もし阪急と阪神が統合してしまうと、京都地区における事業が競合する京阪と阪急の事情からみて京阪にとっては相互乗り入れのウマミがなくなってしまいます)また、阪神と阪急では鉄道敷設地域がほとんど同じですから、災害が発生したり、地価下落などによるリスクを分散することもできません。優秀な社員の方々をたくさん抱えていると思われますが、どっちもこれまで同じような事業(不動産事業、鉄道事業、商業施設事業)をしていたわけですから、統合したとしましても、これまでの延長線上でのお仕事になってしまわないでしょうか。阪神の役員の方は「百貨店の利用価値が高まり、また仕入先の統一などによって合理化もはかれる」とおっしゃってますが、それは傲慢な考え方だと思います。そもそも梅田に人が集まるのは阪神文化があり、阪急村があり、そこにJR、大丸、ヨドバシカメラ、そしてなによりも闇市の時代から綿々と続く商店街があるからであって、残念ながら30年前の梅田における阪急阪神の影響力は、現時点では5分の1程度にまで落ちてしまった気がします。梅田まで歩ける距離を走るJR東西線とちがい、中之島新線はまちがいなく「お金を落とす」市民の歩く方向を変えますし、このまま阪急阪神統合チームで梅田再開発を進めても、クリスタ長堀ほか数々の失敗例と変わらない結果に終わってしまうのではないでしょうか。(まさか地価の上昇を見込んで2000億円を投じる、ということではないでしょうね?もちろん収益還元法による将来予測に立った企業価値の算定ということでしょうが、何を基準に割引率というか期待値を検討するのか、そのあたりをどなたかにお聞きしてみたいものです)
阪神と阪急でいったいどこにシナジー効果が生まれるのか。関西人であり、仕事場から梅田まで自転車で買物に出掛ける私としましては、まったくもって理解不能であります。(阪急としましても、時期的に「欲しい、欲しい!!」とは言えない事情もあるかもしれませんね。なるべく安く買いたいわけですから・・・・・・)
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コメント
近く、JRの大阪駅ビル+梅田操車場跡地の一大再開発があり、下手すると人の流れが阪急・阪神の反対側に当たるJR大阪駅北側・西側に変わってしまう恐れがあります。そうなれば彼らの百貨店事業は上がったりなので、経営統合→一体的再開発で抵抗するってことではないでしょうか。
投稿: xxx | 2006年4月24日 (月) 12時49分
toshiさんへ
トラックバックさせていただきました。
後半のtoshiさんの問題意識・・・期せずして先日のお話に新たな検討契機を与えることになったのではないでしょうか(^^;)。
またご連絡いたします。
投稿: ろじゃあ | 2006年4月24日 (月) 15時52分
>xxxさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
「対抗」ではなくて「抵抗」ですか。。
そうですね。おっしゃるとおり北ゾーンの開発で「三越」が参入するんですよね。阪神と阪急で「色分け」をしなくても、今後の激戦が予想できるのかもしれませんね。でも梅田という場所は「パイ」は限られているように思います。ミナミとキタで人口が流動することはないと予想していますので、1+1>2の状況にはならないと確信しておりますが、いかがでしょうか。また遊びに来てくださいね
>ろじゃあさん
おひさしぶりです。
こんな状況になって、いったい阪急サイドにブレーキをかける人って出てくるんでしょうか?いま阪急首脳陣の周囲にいる方は、話がまとまることによって大きな利益にあずかれる人ばっかりじゃないのかな・・・という気がしています。「こんなリスクがありますよ。やめといたほうがいいですよ」といった意見を合理的な根拠を挙げて解説するような人が脇に控えることができるような雰囲気なんでしょうかね。重箱の隅をつつくような話ですが、そういったところ、再開発で多くの痛手を被ってもがいている大阪人として非常に興味があります。
投稿: toshi | 2006年4月25日 (火) 02時43分
toshiさんへ
今週号のアエラには磯崎さんが載ってるのですが、別の記事で「梅田ヒルズの誕生」という記事が出ています。
その中で2011年に大阪駅北口のJR西日本による28階建てビルに三越が入ること、阪急も梅田阪急ビルの建替えにより地上41階の構想複合ビルになることに触れてます。
そして「阪急・阪神大連合」として西梅田地区も取り込んだエリア一帯の開発ができれば六本木ヒルズ顔負けの「梅田ヒルズ」だって実現する、としています(←「梅田ヒルズ」というのは一応喩えのようです)。
あと、梅田地区の阪急関係物件でREITが展開されていることに触れ、「ハービスENT]などの人気施設はREIT向けの物件であるとしています。
ね?すでに梅田はこういう環境に置かれているのかもしれないのですよ。
阪急の中でブレーキかける方を期待できるかどうかは・・・toshiさんが思い描く梅田は既に・・・だからといってそれの是非はもちろん別でして、今からでも地元の方が考えるべき方策はあると思うのですがね。
toshiさんみたいなポジションにいる人もがんばんないと・・・って思いません?(^^)。
また詳しくはお手紙書きます。取り急ぎ。
投稿: ろじゃあ | 2006年4月25日 (火) 15時47分
そうですね、私も地元のことですから、いろいろと阪急・阪神大連合の行く末については微力ながら考えていきたいと思います。
ただ、梅田ヒルズはありえないと思います。もちろん単体で阪神が占有している土地建物につきましては、開発は進むと思うのですが、ここではお話できないような権利関係がくもの巣のように張り巡らされている駅南地域については到底開発は困難です。
ろじゃあさんが惜しむ「飲み屋」街あたりは、そのまま存続する可能性は大と推測いたします。
投稿: toshi | 2006年4月27日 (木) 13時49分
阪急と阪神。きっと韓国が北朝鮮をいつかは併合しなければならない事情と同じなのでしょう。やりたくないけど、このままにしておくと危ない。うまみはないが、国家防衛上やらざるをえない。でないと東急とか小田急にとられると困るという考えなのかもしれません。京阪じゃ共倒れ。
私はそれよりダイエーが気になりますね。あれどうなるのか。あれは大変たくさんの連鎖倒産を生んでますよ。長引くと、支援している丸紅さえ危なくなる。あれも最後は公金投入ですか?もうむちゃくちゃですね。
投稿: hamster | 2007年3月10日 (土) 12時28分