内部統制実施基準公表は12月!?
(ひさしぶりの内部統制関連ネタですが・・・・・)参議院の財政金融委員会が賛成多数で改正証券取引法案(金融商品取引法案)を可決したため、いよいよ6月7日参議院本会議での決議を経て、金融商品取引法が成立することとなります。(日経ニュースはこちら)おそらく世間では集団投資スキームに対する行政介入や大量保有報告書制度の改正、TOB制度の見直しあたりがホットな話題になりそうですが、やはり私の場合には企業情報開示あたりが一番の関心事であります。
で、気になる内部統制報告実務に関する実施基準ですが、きょう(6月6日)の情報によりますと、実施基準は早くて9月、ひょっとすると完成は今年12月になるのではないか、とのことであります。日本版SOX法の内部統制「実施基準」策定に遅れ(日経ビジネスオンライン)当初は今年3月、最近の噂では7月とされていましたが、やっぱりずいぶんと遅くなってしまったんですね。ただし、公開草案が7月ころに出され、広くパブコメを募集するようなんで、ワールドカップが終わるころには200ページを超える実施基準の概要が判明するわけでして、非常に楽しみにしております。現在は実施基準全体の整合性、統一性への配慮に時間を要しているということです。(うーーーん、また大手監査法人あたりが出版する「実施基準の手引き」は売れるでしょうね、これは。。。( ̄∇ ̄)v))
さて、全体の整合性、統一性という意味では、会社法における内部統制と金融商品取引法における内部統制との関係も非常に大切な論点だと思われますが、こちらは日本取締役協会に新たに発足する内部統制研究会におきまして、重点的に会社法施行規則と金融商品取引法における内部統制に関する統合的理解について研究が始まるそうであります。こちらの副座長には金融庁内部統制部会の委員である町田教授が就任していらっしゃるんで、本当の意味で法務省サイドと金融庁サイドの「整合性」が検討されるものとして大いにその成果が期待されるところですね。(ちなみに村上ファンド関連のエントリーはもう終わり・・・というわけではございませんよ。読売新聞にコーポレートコンプライアンスに詳しい郷原さんの意見が掲載されていましたので、これに関するエントリーなど、まだまだしつこくアップしていきたいと思っております・・・・・・)
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コメント
toshi先生
おはようございます。
むずかしい事件の話題が続いておりましたので、沈黙していました(笑)
おそらく200頁では済まないもののようです。
フォーラムの際、ゲストの八田先生から情報が得られるといいですね。
投稿: sara.onji | 2006年6月 7日 (水) 10時59分
M・Eです。ご無沙汰しております。昨日、無事講演会を終えました。この間の先生のブログも拝見しており、村上ファンド問題についてはインサイダー取引ではなく偽計取引に該当する可能性が新聞報道でますます強くなってきている気がします。
この問題について当初から一貫して批判的なスタンスでコメントを公表しておられる、早稲田大学法科大学院の上村教授が村上ファンド問題を取り上げる予定で、私も聴講する予定です。
投稿: M・E | 2006年6月 9日 (金) 10時18分
>saraさん MEさん
いつもコメントありがとうございます。
八田教授と上村教授といえば、「公正な資本市場をめざして」ということで金融ジャーナル春季号でエンタビュー記事が掲載されております。
村上ファンド事件に関して、時の人であるおふたりの教授がどういった総括をされるのか、お聴きしてみたいものです。
こういったときに東京在住の方々はうらやましいです。
投稿: toshi | 2006年6月10日 (土) 16時12分