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2006年6月23日 (金)

奈良の放火殺人少年事件について

(週末ということで、ビジネス法務とは無関係のエントリー、お許しください。)すでに報道でご承知のとおり、奈良県で16才の少年による自宅放火(殺人)事件が発生したようですが、私の周囲には、お子さんをこの少年が通っている中高へ通わせている同業者の方がたくさんいらっしゃいますので、彼の情報というものも、朝からあれこれと聞きました。事件に関する感想などを語る資格はありませんので、詳細にブログに書くことは控えますが、それにしましても今回の事件ほど、男性と女性とで感想にはっきりと差が生じる事件も珍しいのではないでしょうか。試しに、みなさま、男性のブログと女性のブログでこの事件をどう捉えているか、比較してみるとよくおわかりになると思います。

男性はほとんどが、医師である父親との葛藤、進学校で成績が伸びない悩み、父親への尊敬とその反動といった部分に焦点をあてています。これに対して、女性はまずほとんどが「愛」を切り口に語っていらっしゃる。彼の家庭は5人家族であったが、実母と実妹との面会もできない状況での孤独感に焦点をあてています。報道では、どちらかというと、前者のほうが動機に近いとされていますが、私はどちらかといいますと、後者のほうがより動機形成への要因に近いのではないかな・・・と考えております。3年前、私は関西でトップの進学率を誇る私立高校生の傷害事件の付添人をしましたが、そのときも表面上は、医師である父親への反抗といった体裁でしたが、何度も彼と面談するうちに、彼曰く「愛情偏向への蟠り(わだかまり・・・・、私は彼の書いた反省文のこの漢字が読めませんでした・・・)」というところに辿り着きました。これは彼を担当した家裁調査官の意見とも一致しました。推測で物事を判断するのは弁護士としては「はしたない」と思いますが、今回の事件では医師の息子であるとか、進学校に通っているということはほとんど動機とは関係なく、ただただ、16才の高校生としての家庭における「居場所」のほうが動機と強く関連しているのではないか・・・、おそらく既に付添人が選任されていると思われますが、いったい彼の口からどんな真意が語られるのだろうか・・・と思案しているところです。(それにしても、あまりにもショックな事件であり、不幸にしてお亡くなりになったご家族の方々のご冥福をお祈りいたします。)

6月 23, 2006 刑事系 |

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コメント

容疑者の先輩としてやるせない気持ちです。いまはこれしかいえません。

投稿: デハボ1000 | 2006年6月26日 (月) 15時27分

いろいろと追加情報が報道されていますが、新情報が出るたびに、ココロの拠り所がこの少年にはなかったんではないか?との疑念をぬぐいきれません。犯人と被害者の双方の親族である父親の立場を慮って、あまり表に出ない付添い人の対応については、私は弁護士として適切であると思います。

投稿: toshi | 2006年6月28日 (水) 01時51分

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