塩崎官房長官と公開会社法制の行方
安部首相誕生と同時に、塩崎恭久氏が官房長官に就任されました。(たしかご子息は東京の大手法律事務所で弁護士をされていますよね)昨年、ある会合で一度だけ、塩崎センセイとお会いした(といいましても、1分くらいの立ち話ですが)ことがありますが、日銀ご出身のスマートさと共に、精力的で、朗らかで、「ひとりで4人分くらいの仕事しているんじゃないのかなぁ」と思わず驚嘆した記憶があります。おそらく世間の関心は、拉致問題担当のほうにあるのではないか、と思いますが、私も一昨年くらいから、ずっと塩崎氏の発言をフォローしてきました。(関連エントリーはこちらです。もう1年ほど前のエントリーですが)私は拉致問題担当というよりも、この方の会社法制、会計制度へのグローバルな考え方にたいへん興味を抱いておりまして、安部首相とも非常に近い関係にあり、かつ官房長官といった地位からしても、今後ますます日本の公開会社法制度が、この方の考え方に近い方向へ動き出すのではないかといった予感がいたします。そもそも、新会社法の要綱試案には「内部統制」といった言葉はどこにもなかったわけでして、この方が委員長を務めておられた委員会からの提言によって、ある時期の法制審議会で、ほぼ異論のないままにサクっと、「内部統制の会社法における規定化」が導入されてしまった経緯もあります。(これは旬刊商事法務で、江頭教授の論稿を読んで知りました)
政治が法律の世界に力を持つことの是非はともかく、この塩崎新官房長官のHPにおける政策提言(我が国の企業統治、企業会計制度のさらなる強化に向けて リーダーシップを持つオープンな日本へ)などを読んで、今後の公開会社法制の行方をうらなってみると・・・・・・・・・・・
上場企業における「財務情報の信頼性確保のための内部統制報告実務」の充実が急務、ただし、最近は国際会計基準の統一(コンバージェンス)のほうが、もっと急務になってきたんじゃないでしょうか。
企業情報開示の重要性とりわけ不正会計を厳しく取り締まるため、監査法人改革、日本版SEC創設、刑罰の厳格化。証券取引所の自主規制機能の強化充実。
コーポレート・ガバナンス改革。とりわけ社外取締役、社外監査役の独立性強化、監査役、監査委員の財務会計知見の要件強化。
結局のところ、東京を国際的な資本市場として発展させるための諸策については、積極的に実現させる方向に動き出したようでありまして、今後も公開会社法制に関する制度改革が進むものと予想しております。このブログでも何度も自説を述べておりますが、これからは「会計の時代」、会計士の皆様からはよくご批判を受けるところでありますが、いわゆる会計監査人による不正発見の権利と義務、という問題も現実化してくるのではないでしょうか。(いえ、あくまで私ひとりの感想ではございますが・・・・・)
| 固定リンク
コメント