原点に立ち返る内部統制(公開草案リリース間近)
11月2日、大証ビル3階北浜ホールにて、内部統制関連のセミナー(エス・ピー・ネットワーク主催 大阪証券取引所 後援)の講演をさせていただきました。東京や静岡などからも、関西のセミナーにご参加いただいた企業もいらっしゃいまして、本当にご静聴ありがとうございました。またまた(毎度のことながら)、しゃべっているうちに、時間の経過を忘れてしまい、最後のほうを一部簡略化してお話してしまいました・・・、申し訳ございません。何度講演をさせていただいても、この習性は直らないようです。
きちんと最新ニュースまでフォローしたうえでお話させていただいたつもりだったのですが(ここまでフォローしておりませんでした)、金融庁の内部統制部会作業部会の会合が11月1日に開催されたそうでして、その会合を踏まえて、八田進二(青山学院大学)教授が「個人的な意見ではあるが、公開草案は11月中には陽の目を見る」と講演でおっしゃったようですので、いよいよ公開草案リリース目前というところのようですね。本日のニュースによれば、いよいよ週明けの11月6日に内部統制部会が開催されるということでして、(その後何回か内部統制部会が開催されるでしょうから)ひょっとすると11月下旬あたりに実施基準の公開草案が出るかもしれません。私の次回内部統制関連の講演は11月10日ですので、もしそれまでに公開草案が出るようなことになりますと、また講演内容もガラっと変わるかもしれませんのであしからずご了承ください。「アメリカのSOX法実務に携わった人ほど違和感を感じるかもしれない」「内部統制の原点に立ち返る」・・・・とのこと。四半世紀、八田先生は内部統制に携わってこられたのですから、ひょっとすると25年前の内部統制理論に戻るということか?まさかそんなことはないですよね。(@ ̄∇ ̄;)/
きょうも数名の方より「ブログ、読んでますよ!」とお声をかけていただき、先日のオフ会に参加いただいた法務担当者の方にも応援にかけつけていただき、さらに大証の役員の方からも「ブログ読んでますよぉ。あの元副理事長の事件のも・・・・・・・・・」と激励をいただき、ホント楽しい講演でございました。また企業の皆様に、「参考になった」といわれるようなモノをお聞かせできるよう精進するつもりですので、また応援よろしくお願いいたします。m( _ _ )m
以下公開草案リリース関連のニュース
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コメント
山口先生へ
昨日、名刺交換させて頂きました、ハウスドゥの浅野と申します。
昨日は、ご講演お聞かせ頂き誠にありがとうございました。
とても勉強になりました。
さて、早速、ブログに寄らせて頂きました。
私は、人事系の仕事を約16年経験してきましたが、
昨春から、経営企画という事で、
会社法等関連の仕事も担当するようになりましたので、
毎日が勉強の日々です。
これから、先生のブログにも、
ちょくちょく寄らせていただき、
勉強させて頂こうと思います。
よろしくお願い致します。
ありがとうございました。
投稿: ㈱ハウスドゥ 浅野 達 | 2006年11月 3日 (金) 10時58分
山口先生、昨日講演を聞かせていただきました管理部の者です。
名刺交換もせず、失礼いたしました。
私も初めてブログを拝見いたしました。
あまりにも膨大な量に圧倒されております。
最新情報や、私どもの知識の欠如している部分についての
参考意見をお教えいただき、ありがとうございました。
当社はSOX法対応と会社法の内部統制システム構築対応とは
別部署にて作業中でありまして、SOX対応はほぼ完了(試運転
オッケーの状態)、会社法対応は緒についたばかり、といった
ところでして、どちらかといいますと、私は後者の責任者と
して講演にまいったような次第です。
先生のご講演で、融合的準備の勧め、のようなお話は
当社のように別部署で対応しているところでも非常に興味の
あるところです。実際に他部署がいったいどういった作業を
しているのか、ほとんど横のつながりがないままに
皆、プロジェクト専任ではありませんので、意思疎通が
行き届いておりません。そういったなかで、融合的な準備という
のは社内でも今後検討していこうか、と考えていたところであり
こういった提言がなされることは実務にも大いに効果的ではない
かと思っております。
また、時間が合いましたら先生の講演を拝聴したいとおもっており
ますので今後ともどうかよろしくお願いいたします。
とりとめのない長文、失礼しました。
投稿: kuwa | 2006年11月 3日 (金) 11時31分
先生、私は残念ながら、日程の調整が付かずにいけませんでした。
東京での開催は無いのか非常に気になる所です。
昨日の講演を聞かれた方、先生や、他の講師の方はどんな話をされていたのですか?虫が良い様ですが、非常に興味がありますもので・・・
投稿: 東京在住者 | 2006年11月 3日 (金) 23時53分
>「アメリカのSOX法実務に携わった人ほど違和感を感じるかもしれない」「内部統制の原点に立ち返る」
それにしても、何でこんな回りくどい言い方をするんでしょうかね?ユーザーのことを考えて、ということなら、核心に触れることをもっと端的に判りやすく言うべきでしょうし、「インサイダー」として守秘義務を負っているというなら一切口にすべきではないでしょう。「迷える子羊たち」を前に、「ふっふ、そのうち判るさ。それまで首を洗って待ってな。」と高みの見物を決め込むいやらしさを感じます、と言ったら少々言い過ぎでしょうか。
高みの見物を決め込む暇があったら、某省の立案担当者を見習って、ブログでも立ち上げ、広くユーザーから質問を受け付けたら、と思ったりもします。
ところで、話は変わりますが、日本監査役協会も「内部統制監査の実務指針」なるガイドを策定中と聞いています。これは、勿論「監査役監査」ですから、会社法のみが対象になる筈(尤も、監査役協会は少々欲張りですから、金商法にも多少口出しするのでしょう)ですが、こちらはどういった内容になるんでしょうかね。
監査役協会は各種のひな型や基準・指針等を策定・公表していますが、この団体、なぜかパブコメのようなことは一切やりませんね。ごく少数の限られたメンバーで作るだけで、広く意見を募りこれを集約することを全くやる気配がありません(会員に対してすら、やっていないようです)。いまどき、余りにも閉鎖的で、「独善的」でさえあるように思います。
もって回った言い方で気をもたすのも如何なものかと思いますが、全く世間の声を聞かず、ある日突然ポンと出すのもどうかと思います。いずれもユーザー重視(お客様第一)の視点が基本的に欠落しているのではないかと思います。
エントリーとは関係なくなってしまいましたが、この頃思うところを書かせて頂きました。
投稿: 監査役サポーター | 2006年11月 4日 (土) 01時06分
>浅野さん
昨日はありがとうございました。私よりもかなり年配(失礼)でいらっしゃるのに、ビジネスに対する前向きなスタンスにはビックリいたしました。弁護士の業務改革にも、浅野さんのような発想が必要なのかもしれません。また、ブログのほうにも遊びにきてください。
>kuwaさん
はじめまして。いつものとおり、予定時間オーバーで終わったために、皆様方の貴重な休憩時間を食ってしまいまして、申し訳ございませんでした。途中、話をはしょってしまい、また反省をしております。多少誤解されるところもあるかとは思いますが、できるだけ金商法は一般事業者の視線から解説したいと思って、あのような提言になりました。でもおそらく内部統制報告実務に関しては、大きくはずしていないことは確かだと思います。どうかご参考にしてみてくださいませ。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
>東京在住者さん
はじめまして。いえいえ、東京はさすがに弁護士や会計士の優秀な(といいますか、法令制定に関与されたような)先生ガタの講演が目白押しですから、新幹線代を払ってまでお越しになられるのはチョット・・(あっでも、P社やT社の方もお越しになっておられたのは、少しうれしかったです。ハイ・・)ちなみに、11月10日は大手コンピューター関連企業主催の講演をいたします。すでに200名以上の聴講希望の方がいらっしゃいますので、参加可能かどうかは、わかりませんが。
また随時、講演記録など、ブログのほうで公開していこうかと思っておりますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
>監査役サポーターさん
いつもコメントありがとうございます。
最近ある東京の企業法務担当弁護士の方から直接聞いた話。
「そんなこと論文に書いたら、またビジネス法務で突っ込まれるぞ」なる笑い話がある東京の法律事務所で若手弁護士の間で交わされている、とのこと。(笑い話で終わるのは悲しいなぁ・・・・( ・◇・)?)
もうひとつ。
あの「監査役サポーター」なる人物は管理人の自作自演ではないか?との噂がまことしやかに囁かれている、とのこと。
え・・・・・・・・??
違いますよぉ!!私じゃないです!>八田先生(* ̄∇ ̄;) (って、八田先生もこのブログをご覧になっていらっしゃるそうで、ハイ。。いつもありがとうございます)
んで、また日本監査役協会につきましては、12月に2回、講演をさせていただくことになっておりますんで、(ってもう公表していいんかな?まだ「月刊監査役」には掲載されていないかもしれませんが、どうだかわかりませんが・・)この話題にもノーコメントにしておいてください。ようツッコミません。。。(冷汗・・)
また私へのスルドイツッコミ、お待ちしております>監査役サポーターさん
投稿: toshi | 2006年11月 4日 (土) 02時29分
私のせいで先生にとんだ濡れ衣が掛かり、大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。「監査役サポーター」なる人物は、正真正銘、この「管理者」とは別人物と、私「監査役サポーター」が天地神明に誓って申し述べますので、疑念をお持ちの方、どうぞ信じて下さい。・・・って、ネット上の匿名の世界でこんな書込みをしても証明力ゼロでしょうかね・・・。
投稿: 監査役サポーター | 2006年11月 4日 (土) 21時26分
おひさしぶりですね。お元気そうでなによりです。
今朝の日経一面で金融庁の内部統制ルールの基準案、すこしばかり出ていましたが、かなりビックリの内容ですね。
また先生の見解など、聞いてみたいところです。
(私のほうの研究会にも、ぜひお越しくださいませ)
投稿: taka-poo | 2006年11月 5日 (日) 12時10分
今日の日経記事、なんかヘンだなぁ・・・
(その1)「内部統制の不備の公表を義務付ける(監査法人が企業に対し公表を求める)?」
→金商法の「内部統制報告制度」というのは、経営者による「評価」+それに対する外部監査人による「監査」という枠組みでしたよね。これらの「結果」が有報の公衆縦覧に共連れになる格好で「公表」されるということなら判りますが、個々に識別された「不備」を公表するなんてのは、そもそも制度上予定されていましたっけ?
(その2)「取締役会の承認を経ないまま行った取引かどうかを監査法人が判断する?」
→取締役会の承認を要するかどうかは、法令上明記されている事項を除くと、各社が取締役会規則で任意に内規として定めているものです。その中には、「バスケット条項」的なものもあるのが通例でしょう。この当てはめは、どちらかというと、法的判断に馴染むものですが、外部監査人がなんで出来るのでしょうか? 会計士が弁護士を「履行補助者」のように使いながら判断するんでしょうかね?
(その3)「重大な虚偽があった場合は、上場廃止となる可能性もある?」
→上場廃止って、取引所が決めることではないんでしたっけ? 今回の「実施基準」は、取引所の「上場廃止基準」にも容喙しているんでしょうか? としたら、自主規制機関としての取引所の面目丸潰れですね。尤も、東証は従来から「内部統制の不備は、(翌々事業年度末までに
是正されない場合は)上場廃止事由になり得る」と言っているようですので、企業会計審議会がこれに擦り寄ったのでしょうか。
日経記事の書振りが正確でない、ということと祈っています。
(いずれにせよ、明日になれば判りますね。)
投稿: 監査役サポーター | 2006年11月 5日 (日) 19時07分