金融庁が三洋電機への課徴金付加見送り?
読売新聞によりますと、金融庁は三洋電機の粉飾決算疑惑について、課徴金処分を見送る可能性が高いとのことであります(ニュースはこちら)理由とするところは、証券取引等監視委員会が「今回の件は悪質とはいえない」と判断している、とか。今回の件、もし見送りということになりますと、企業コンプライアンス的にはとても重要な事例になるのではないでしょうか。なにが見送りの原因になったのか。会計基準の判断に起因するのか、それとも後日、自主的に修正したことに起因するのか。「悪質とはいえない」といった報道が正しいとするならば後者のような気もいたしますが、もしそうだとしますと、たとえ企業不祥事が発生したとしましても、その後企業が自律的行動(ここでいう「自律的行動」というのは、次年度に修正をした、ということですが)に出ることで、その情状が公的処分においても考慮されることがありうるといったことが認められるわけでして、今後の企業行動にも影響を与えるのではないでしょうか。(とりあえず、備忘録程度にて失礼します)
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コメント
証券取引等監視員会が理由を明示しなければわかりませんが、三洋を行政処分するには以下の理由で酷です。
①子会社および関連会社のいわゆる関係会社株式は、国際基準では、関係会社の持分を反映する「持分法」を適用することで連結純利益と一致するが、日本の会計基準「金融商品に係る会計基準」では、原則、取得原価で表示し、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額をなし、評価差額は当期の損失として処理しなければならない。 日本の会計基準は、実務上、会社にとっても監査人にとっても、非常にあいまいな基準であること。国際基準では、三洋のケースは起きない。
②上場会社の投資家に対する情報開示では、個別財務諸表を開示するのは日本だけ。海外では、通常、連結財務諸表のみを開示する。海外では、個別財務諸表を開示しないので三洋のようなケースは起きない。
投稿: AY | 2007年3月 1日 (木) 14時54分
>AYさん
はじめまして。ご教示どうもありがとうございます。
米国企業法に関する動向につきましては、眞田さんのHP同様、AYさんのHPも、(ずっと前から)参考にさせていただいております。
このたびの三洋の件、そちらのHPの非常に有益なご意見、初めて読ませていただきました。
フォローされた内容をきちんと拝読させていただき、また私なりの疑問点を書かせていただこうかと思っております。
どうか、今後ともいろいろとご指導いただけましたら幸いです。
投稿: toshi | 2007年3月 2日 (金) 03時03分