« TBSは楽天を「濫用的買収者」とみなすのか(その3) | トップページ | ブログの通訳能力(おおすぎBlogに期待するもの) »

2007年4月20日 (金)

公開会社法への道しるべ(3)

(注:備忘録程度の内容です)

本日(4月20日)の日経朝刊によりますと、金融・資本市場改革案(政府の経済財政諮問会議による)の内容が明らかとなり、投資家保護に向け、上場企業にレベルの高い企業統治(ガバナンス)を義務付ける「公開会社法」の策定が提言されたそうです。(要旨は日経ニュースにも掲載されております)金融商品取引法、会社法と「公開会社法」との関係の詳細については、新聞の報道では明らかにされておりません。

やっぱり「公開会社法」(まだWGの中間報告ということらしいのですが)が登場してきましたね。ここで留意すべきは「企業の収益性、効率性向上のための」ガバナンス向上とは記述されておらず、「投資家保護のための」更なるガバナンス強化、と紹介されているところであります。不正取引の禁止や、不正防止のための役員間のけん制する仕組みなどを整えるとのこと。しかし、会社法上の内部統制システムの構築(体制の整備)問題と、公開会社法によるガバナンス強化の概念の関係とか、公開会社の機関設計の強行法規性とか、またいろんな論点が出てくるかもしれません。(紀尾井町さんのコメントと時間的にかぶってしまったようですが、お昼はエントリーの時間が割けないもので、備忘録程度にて失礼します)

|

« TBSは楽天を「濫用的買収者」とみなすのか(その3) | トップページ | ブログの通訳能力(おおすぎBlogに期待するもの) »

コメント

そうですね。明日の新聞報道を見ないと明確なことは分かりませんが、「公開会社法」の策定が政府の骨太方針に入るということが重要な点でしょうか。
上村教授はかねてより公開会社の規制は証券市場法を上位にすべきで会社法が上位にくるという日本の考え方はおかしいと主張されてきたようです。20年来の悲願が達成される時期が到来したようで教授の感慨も一入でしょう。そういう点から推測すれば、公開会社の規制は特例法的にして金融商品取引法の中に会社法の概念を入れて一体化するという方向ではないでしょうか。公開会社の定義にしても会社法の妙な定義の仕方も改められて一般に分かりやすい言葉使いになると思われます。toshiさんの指摘される内部統制も金商法の概念に一体化されるのではないでしょうか。また、証券市場は連結主体でありますので、公開会社については会社法の単体の概念は一掃されてしまうということになりましょう。ガバナンスのあり方も対投資家を対象としたものが想定されてきます。
いずれにせよ明日以降の議論の展開が楽しみです。

投稿: 紀尾井町 | 2007年4月20日 (金) 18時21分

>紀尾井町さん

詳細なコメント、ありがとうございます。
今後の公開会社法の制定をにらんだうえでの考えですが、最近よく会社法上の内部統制と金商法上の内部統制との関係論が議論されていますよね。基本は同一だとか、まったく別個だとか。議論されること自体にはなんら異存はないのですが、「なぜ同一か、別途か」を議論するのか、つまり議論の必要性が、いまひとつ明らかになっていないような気がします。もし、公開会社法ということで、上場企業の内部統制をとりこんだ議論がなされるのであれば、そのあたりは一体どういったコンセンサスが得られるのか、また検討してみたいと思います。

投稿: toshi | 2007年4月21日 (土) 19時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 公開会社法への道しるべ(3):

« TBSは楽天を「濫用的買収者」とみなすのか(その3) | トップページ | ブログの通訳能力(おおすぎBlogに期待するもの) »