内部統制を語る人との出会い(その1)
内部統制コンサルをされていらっしゃる某会計士さんのご紹介で、トーマツ在籍の丸山満彦さん と心斎橋の小料理屋で4時間ほどお酒を飲みながら「内部統制」について語り合いました。・・・・・と文字にしてみますと、ずいぶん上品に聞こえますが、実際には「しゃべりまくっておりました。」 いやいや、「まるちゃん」実に「濃いーぃ」方です。。。キャラが熱いというか・・・(^^; お仕事でも、今までたくさんの会計士さんとお会いしましたが、もともと関西の方ということもあってか、最初から「タメ口」で話しができる会計士さんというのは初めてであります。(こういったタイプの会計士さんというのは、大手監査法人にはどの程度の割合でいらっしゃるのでしょうか?)それにしましても、この方の「人生における内部統制のあり方」には非常に関心を抱かざるをえませんでした(私もあまり偉そうなことは言える立場ではございませんが。)
講演をされたり、管理基準案策定に関与されておられるからか、よく勉強されてますね。ERS(エンタープライズ・リスク・サービス)の件、システム管理基準追補版の件、経営者評価の方法に関する件、このブログでも話題になりましたサンプリングの件、会計士さんと「法律や政省令の解釈」との距離感などなど、いろんな意見交換ができて、たいへん楽しい時間を過ごしました。「まるちゃんがこんなことを言ってた」みたいな引用は控えますが、これからのエントリーの題材をたくさん頂戴いたしましたし、感謝しております。(明日はまた東京でお仕事とのことだそうですが、講演後、夜遅くまでミナミでお付き合いいただき、ありがとうございました。また貴重な機会を作っていただきましたS先生に厚くお礼申し上げます)
大阪でコンサルをされているS先生や、まるちゃんのお話をお聞きして思うのは、「これからの上場企業と監査人との『立ち位置』って、これまでと同じなんだろうか、それとも変わるんだろうか」といった素朴な疑問であります。おそらく監査法人で実際に監査をされていらっしゃる先生方も、同じような感想をお持ちではないでしょうか?社外監査役として、ときどき思うのが「なんでそこまでアプリオリに監査法人さんの見解に従わないといけないのだろうか?それが唯一の会計基準なのだろうか?」「監査法人さんのおっしゃることに従わないといけない、といった心理的強制力はどこからくるんだろうか?ルールや会計知識への気後れ?それとも粉飾の後ろめたさ?会社の信用問題?」私は内部統制監査、といった切り口ぐらいしか存じ上げませんが、これからの両者の立ち位置というものも、微妙に変化が生じてくるのではないかな・・・と、ふと考えたりしておりました。ひょっとすると、誰かがその「パンドラの箱」を開ける日が来るのかもしれません。
さて、「内部統制を語る人との出会い」シリーズ、つぎは6月になりますが、また東京から、これまた大阪講演の後にお会いする予定の方がいらっしゃいます。まるちゃんほど濃いキャラの方ではないと想像しておりますが、また意見交換できることを楽しみにしております。(いやいや、ブログから想像いたしますと、これまた濃いーぃ方かもしれません・・・)
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コメント
山口先生、すっかりごちそうになりました。。。東京にこられたときは、おいしいイタリアンでも・・・ということで・・・
さて、僭越ながら一部訂正を・・・
「「まるちゃん」実に「濃いーぃ」方で」
を
「「まるちゃん」実に「さわやか~な」方で」
ということで・・・
いや~実に楽しかったです。。。
細かいことはお酒の力のお陰ですっかり忘れましたが(笑)。。。
内部統制については、仕事の関係でCOSOの翻訳本が出る前から原文で読まされたということもあり、いろいろと勉強してきたつもりでしたが、弁護士の視点からまた違った一面が見えてきたりしました。。。
物事は多面的にみることによって全体像をよりよく理解できるようになると思っていますので、これからもいろいろな人の意見を良く聞いて勉強させてもらいたいと思っております。。。
パンドラの箱は是非あけましょうね。。。
きっと中からすばらしいものが飛び出してくると思います。。。。
さわやか~なまるちゃんより・・・
投稿: 丸山満彦 | 2007年5月23日 (水) 03時39分
上場企業に働く人も人間ですから、最初はプロフェッションの言うことを尊敬する人もいるでしょうし、民間人と同レベル(大企業では学歴で見下す人もいますが)と考える人もいるでしょう。
日経BPから「コンサルタントの危ない流儀」という書籍が出ております。投稿者が監査法人及び監査法人系コンサルタントに対して感じたことが、そのまま別の人の文章として記述されています。特に第11章「壮大なるシステム詐欺」の章は、財務報告に係る内部統制でITを担当する方に、熟読を推奨したいと思います。
(なお、著者は四大監査法人のコンサルティング業務を買収した大企業ビジネスコンサルティングサービス会社のコンサルタント出身と思われる記述が随所にあります。)
長期景気後退のため企業が自信を失った10年間は、同時に企業がコンサルタントに頼りきりになった期間でした。景気回復とともに企業が自信を取り戻せば、自分のことは自分で決断できるようになり、コンサルタントは不要です。
上記著者は、企業の臆病風こそが、コンサルタントの詐欺的商売が蔓延する理由であると述べています。また、受験勉強のころの知識を思い出せば、ヒトラーやムッソリーニなどの独裁者が権力を握るために、社会的混乱を作為的にでっち上げて、一般国民を不安にさせたことがありました。(見事にひっかかって、不安を解消するために独裁者に頼った国民が、その後とんでもない目にあったのは、みなさんご存知の通り)
ですから、どんな臆病者でも、戦うべきときには、徹底的に戦わなければなりません・・・
投稿: そうでしょうね | 2007年5月23日 (水) 08時06分
>丸山さん
このブログは内部統制を語るものでありまして、私の能力不足から「誤謬」が発生することはありましても「虚偽」報告は一切できませんので、訂正に応じることはできません。あしからずご了承ねがいます。
>そうでしょうねさん
私も含めて、コンサルタント的な仕事をする場合には自戒すべき点だと思います。抽象的な言い方になりますが、昨日も「コンサルタントの人間性」といったことを丸山さんと議論しました。
私は企業の心理的強制力による従属といったものが変わっていけば、企業自身の会計力も強いものになり、自己責任原則が機能するんじゃないかと思います。また、それは監査法人さんへの不当な風当たりも弱まるのではないかと。問題点の整理としてはまだまだ未熟ではありますが、このあたりをもっと考えたり、なにかを提案したいと思っています。
投稿: toshi | 2007年5月23日 (水) 12時00分
Toshi先生、ご無沙汰してしまっております。
エントリー違いで恐縮ですが、金商法と会社法の内部統制の関係につきまして、どうも法令レベルでの「空中戦」的な議論と、実務レベルでの「地上戦」的な対応が混在しているようにも感じます。個人的には、前者は無関係(二元論)、後者は関係あり(ほぼ一元論)、言い換えますと、葉玉先生(←ご本人は覚えてないかも知れませんが、司法試験予備校での先生でした)の、無関係だけどそれぞれ作ってみたら結果的に同じだった、みたいな意見とほぼ同じで、ただ、ユーザーである企業としては、意識的に両者を関連付けてシステム構築を図っていくべき、と考えています。
ともあれ2週間後、夜の大阪を楽しみにしています。
甘党B(先生の方がぜったい濃いですよ)より
投稿: 次の人?! | 2007年5月24日 (木) 02時56分
次の人?さん
ひさしぶりの書き込みありがとうございます。
あれ?ばれてしまいますね(笑)
おそらくこのあたりの議論につきましては、東京ではすでにいろいろと整理されてきているのではないかと思いますので、今度お会いするときにでも、状況をお聞かせいただけますでしょうか。おっしゃるように、空中戦にならないように、まず議論すべき目的を明確にしないといけませんね。
投稿: toshi | 2007年5月25日 (金) 01時45分