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2007年6月30日 (土)

内部統制ルール実質緩和(速報版)

ここのところ株主総会ネタや買収防衛策に関するテーマが続いておりましたが、すこしばかり内部統制モノに戻ります。またまた土曜日の朝からビックリの日経ニュースであります。少しだけ噂の範囲では聞いておりましたが、2008年度から実施される(といいますか、すでに前年度実施としてすでに実施していらっしゃる企業もありますが)内部統制ルール(いわゆるJ-SOX)が緩和される見通しとなったそうであります。3日ほど前に葉玉先生といろいろなお話をさせていただいたときに、経済系の法律というものはなんと政治的な配慮によって成り立つ(もしくはお流れになる)ものか、またその配慮のなかで、いかに普遍的な法律を策定することがむずかしいものか・・・と改めて法のあり方を考えさせられましたが、金融商品取引法ルールといったものも、各省庁、経済団体、法律家組織、監査人組織の力学によって変容を余儀なくされる性(さが)を背負って生まれるものであります。ともかく実施される以前においてルールが変わるというのはほとんど前例をみないものでしょうし、これからもまた変わる可能性があることも証明してしまったようなものだと認識しております。目の前に「見積書」が届いてはじめて「内部統制リスク」に気がつくわけでして、システム導入だけでなく、そのシステムを誰が理解するのか・・・といったところで、見積もり以外の膨大な費用と時間を要することが現実化することになるはずであります。最近いろんな方とお話をする機会に恵まれましたが、この制度は費用に対する問題だけでなく、おそらく監査法人との間で「意見表明しないんだったら、やってみろ」といった開き直りの状況は必至であります。むしろ私からみれば、(内部統制評価は上場廃止とは結びつかないわけですから)自社で「重要な欠陥」を克明に表明する企業のほうが、経営者による本当の内部統制評価がなされているのであって、ぎゃくに(サンプル数が増えて監査費用が増えることはやむをえないにしましても)財務諸表の信頼性が高いのではないかとさえ思えるわけであります。金融商品取引法に導入されるに至った経緯と、その対応方法とのバランスを、もう一度見直す時期に来ているのかもしれません。また、上場企業を4つくらいに分類して、企業規模に対応した評価制度のようなものも(監査する方はたいへんかもしれませんが)真剣に検討されていいのではないでしょうか。(新聞報道によると、方法論自体はそれほどの変容はないと思われますが、それでも巷間あふれる内部統制マニュアル本はほとんどがこれまでの「実施基準」にしたがって書かれておりますので、なにを参考にすればいいんでしょうかね?私もこれからの情報に留意して、冷静に考えてみたいと思います。)

(7月2日追記です・・・)

コメントをたくさん頂戴しております。私自身の意見につきましては、右側のコメント部分に続編として若干記載しております。

6月 30, 2007 「内部統制議論」への問題提起 | | コメント (19) | トラックバック (0)

買収防衛策・独立第三者委員会の役割とは?

日本公認会計士協会近畿会に所属する4名の公認会計士の方々が、大手監査法人に対する懲戒処分を求める文書を金融庁に発送した・・・といったニュースはちょっとビックリですし、かなり関心あるんですけど、内容が内容だけに、おそらく会計士さん方のブログでは話題にならないでしょうね(^^;;

さて、昨日はブルドック新株予約権・仮処分命令事件の東京地裁決定につきまして、速報版をエントリーいたしましたところ、親切な方より「決定書パーフェクト版」を頂戴しまして、その決定の全貌を読ませていただきました。(本当にどうもありがとうございました。ちなみに「会社法であそぼ」の葉玉先生は、すでに昨日時点で全文を熟読されていらっしゃったようですね。葉玉先生の昨日のエントリーは圧巻です。)昨日のエントリーにコメントをつけていただいたnonomuraさんが指摘されているように、この東京地裁鹿子木決定と、即時抗告審における高裁決定(7月4日までに出るんでしょうか、それとも割当確定日までには出るということなんでしょうか)とは、かなり内容が異なる可能性もあると思いますので、M&Aのご専門家の方々の意見は最終決着がついてから・・・ということになるものと思われます。でもやっぱり部外者としては、この鹿子木決定が出るのを楽しみにしておりましたので、ワクワクしながら拝読いたしました。このブログのスタンスに忠実に、社外役員や独立第三者委員会委員の立場からみた地裁決定についての感想だけ述べさせていただきます。

1 グリーンメイラー≠濫用的買収者?

私自身がよく理解していないのかもしれませんが、このたびは「防衛策導入」ではなくて「防衛策発動」といった、世界でもあまり例のない事態における適法性が議論されているわけでありますが、公開買付者がグリーンメイラーであれば、緊急避難的に取締役会決議をもって発動できる、というのが(発動の場面においても)一般的な理論だと思われます。しかしながら、このたびの決定理由では、買付者による経営支配権の取得が対象企業の企業価値ひいては株主共同利益を損なうおそれがある場合の買付者のことを「濫用的買収者」とみなしている、と理解してよろしいのでしょうか?このように二段階で考える理由としましては、後述するとおり、この地裁決定では一般投資家保護の要請からくる「株主のTOBに応じるかどうか選択する機会の確保」と「株主が株主総会において議決権の行使という形で株主の選択権の行使の機会を確保」することを区別しているからであります。つまり、グリーンメイラーほど明確に会社に損害を与える買収者とはいえないけれども、どんな経営をするのか、株主からみて不安になるような買収者であれば、その買収自体にノーと言える判断権が最終的には株主総会にある、ということではないかと思われます。だからこそ、「そもそも特別決議がとれるような総会承認が得られるのであれば、TOBは成立しないはずであるから、防衛策は不要ではないのか」といった疑問も生じるところではありますが、TOBに応じるかどうかの株主の機会確保の要請と、株主共同の利益確保のための株主権行使の機会確保の要請とは違うんだ・・・といった理由で反論可能になってくるのではないでしょうか。こう考えますと、防衛策発動といった場面を前提とした場合には、取締役会で判断すべきグリーンメイラー性判断、株主総会で判断すべき濫用的買収者性判断、そしてTOBで株主個人が判断すべき企業価値判断といった分類が検討されることになるのでしょうかね。

2 「濫用的買収者」の判断について

事前警告型の防衛策を導入している上場企業はたくさんあると思われますし、そのなかでも諮問機関として「独立第三者委員会」を設置している企業も多いはずです。そして、その第三者委員会は公開買付希望者(交渉ルールにしたがって交渉に入った段階)が濫用的買収者に該当するかどうかの意見を求められるパターンが多いのではないでしょうか。(実は私が第三者委員に就任している企業さんもそうであります)この仕組みについては、今後も維持すべきかどうか、一度じっくり考えたほうがよさそうな気がいたします。すくなくとも導入を支援された大手渉外法律事務所さんや、信託銀行さんとご相談されたほうがいいのではないでしょうか。(私も相談してみようと思っております)この東京地裁決定を読んでの感想としましては、「濫用的買収者に該当するかどうか」といったあたりは、防衛策発動の可否が問われる場面において防衛側にとってハードルがかなり高いように思えます。昨年の王子・北越事件におきまして、北越側の第三者委員会が、王子製紙側のルール違反を捉えて濫用的買収者とみなして、発動勧告を決定したことがございましたが、今回の東京地裁決定が、スティールをグリーンメイラーとしては認定できないとしていることからみましても、安易に防衛側企業の判断として「濫用的買収者」であることを主張立証することは困難であって、(たとえ導入時点で株主総会の承認を得た防衛策であったとしましても)第三者委員会の認定に重きを置いて防衛策を発動する・・・といった手法にはリスクがかなりともなうように思いました。そういたしますと、わざわざ独立第三者委員会を設置しても、「濫用的買収者」であるかどうかだけを判断させる・・・という仕組みについては、若干論点がずれているように感じられますし、リスクに対する対応方法としてはイマイチ有効性に乏しいように思えます。たとえば「濫用的買収者」に該当するかどうかでスクリーニングして、該当する場合には即発動、そうでない場合には株主総会にかけて定款変更→発動容認(もしくは発動容認のみ)、といった手法の場合、濫用的買収者該当即発動のパターンにはかなりハイリスクなものを感じます。とくにこのたびの東京地裁決定では、新株予約権の無償割当というスキーム自体が「株主平等原則」の適用ありとされ、差別的行使条件が平等原則違反にならないための要件として「特別決議」の存在が大きくとりあげられておりますので、たとえ独立第三者委員会がどのような意見を述べたとしても、特別決議による発動承認を得るほうがリスクは少ないといえそうであります。

3 独立第三者委員会は不要か?

それでは、独立第三者委員会は不要なんでしょうか?このたびの東京地裁決定における「株主総会特別決議重視」の判断の解釈につきましては、今後M&Aの専門家の方々の意見も分かれるものと思います。また、私自身いろいろな解釈が成り立つような気がします。私がこの東京地裁決定のなかでもっとも重要と思える部分は、先に述べた防衛策のスキームが平等原則違反の例外的要件に該当する基本的ルールを掲示したことと、決定書の28ページから30ページあたりに記載された敵対的買収防衛ルールにおける証券取引法規制と会社法規制の接点の調和に関する考え方にあるのではないかと思います。投資家保護の観点からの情報開示ルール(公開買付届出書の記載事項とか、意見表明報告書とか、対質問回答報告書とか)による株主による公開買付に応じるかどうかといった選択権行使の機会確保と、株主による株主総会における議決権行使という形での選択権行使の機会確保とを、この決定は見事に切り分けて論じております。この地裁判断は合理性の高い見解だと思いました。たとえば事前の情報開示ルールや、企業価値判断に関する信頼性の高い情報提供ルールが整備されているのであれば、一般株主による総会における議決権行使という形での選択機会確保の要請は弱まるでしょうし、逆に整備されていないということであれば議決権行使による選択権確保の要請は高まる(つまり「総会における特別決議重視」となる)のではないかと思われます。そして、どのあたりに調和点を見出すか、ということにつきましては、結局のところ会社法の構造(権限分配論、株主平等原則、特別決議による少数意見の排除など)をどう理解するかとか、日本における株主と取締役との信認関係をどう考えるか、といったあたりの判断者の主観によるところが大きいのではないでしょうか。(このあたり、紛争当事者としましては、裁判所がいったいどのようなところに調和点を見いだそうとしているのか、といったことをきちんと抑えることが肝要ではないかと。)ここからは単なる私見にすぎませんが、究極を「株主による価値判断」に求めるとしましても、その株主の判断には価値判断のための情報アクセスの機会が必要ですし、またその開示情報は「信頼性の高い情報」でなければなりません。(また株主の判断が著しく不公正にならないような手続も必要だと思われます)とりあえず、現状の証券取引法における開示ルールや、事前警告型防衛策の交渉ルールが「単なる企業価値の比較による優劣だけでなく、企業価値を毀損するおそれの有無」まで信頼できる情報を提供できるものではない以上は、やはり公正中立な独立第三者委員会による情報開示が「株主総会における総会決議の妥当性」を担保する重要な要素のひとつにはなりうるのではないかと思います。つまり株主がTOBに応じるかどうかの選択権を行使するための情報提供と、株主総会で株主の総意としてその議決権を行使するための情報提供のいずれにおいても、独立第三者委員会がその助言を行うことで、株主総会における判断の合理性を支える要因になるのではないか、と考えております。(もうすこし具体的な内容はまた追って検討したいと思います。また決定全体まで踏み込んで感想を述べられるほどの実力はございませんので、あしからず)

6月 30, 2007 独立第三者委員会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月28日 (木)

東京地裁、ブルドック防衛策発動を認容(速報版)

決定内容は不明でありますが、どうやらブルドックソースの買収防衛策発動差止めの仮処分事件について東京地裁が決定を出したようであります。スティール側の差止申立を却下した、とのこと。(私のブログへお越しの方々は、元公安調査庁長官の「詐欺」容疑での逮捕だとか、株主総会ネタとか、公認会計士試験の結果とか、そっちのほうが関心が高く、ちょっとこちらは関心が薄いのかもしれませんが・・・・・とりあえず速報版です)

ロイター通信の情報から要約した決定理由は以下のとおりです。

1)ブルドックが株主総会の特別決議で新株予約権の発行の承認を得たため、株主の意思が反映されているほか、ブルドックがスティールに割り当てた新株予約権を買い取る際、対価を払い経済的利益が平等に確保されているため、株主平等原則に違反しない、2)株主総会は株式会社の最高意思決定機関であり、買収によって企業価値が損なわれるかの判断は原則として株主総会に委ねられるべき。スティールが買収後の経営方針やエグジット(投資回収)の方針を明確にしないことで対抗措置を実施すべきと、株主総会が判断したことは合理性に欠くとは言えない

決定内容を正確に読まなければなんとも言えないところもございますが、「ブルドックだから」却下されるべき・・・といった理由ではなく、買収防衛策発動の適法性に関する基本ルールが示された・・・といっていい内容のような。おそらく「濫用的買収者だから」といった内容ではなくて、株主総会の判断に「企業価値判断権限」の基礎を置きつつも、双方の交渉過程を斟酌して「株主の判断の合理性」について検討を加えるといったあたりは、裁判所の判断に関する基本的ルールを示した・・・といってもいいのかもしれません。(もし、どこかで「決定全文」を読めるWEB等ございましたら、おそれいりますがどなたかご教示いただけませんでしょうか?)

6月 28, 2007 ブルドックソースvsスティールP | | コメント (12) | トラックバック (1)

これはすごい株主総会かも(^^;;

(6月28日午前追記あります)

今年の株主総会の注目は外資系ファンドの増配要求、買収防衛策の導入否決などの株主提案権行使と言われておりますが、どうも提案株主側が苦戦を強いられているようであります。そんななかで、これは凄い!とうなってしまいそうなのが、わが地元、大阪・八尾市の名門企業パトライト(東証1部 旧 佐々木電機製作所)の株主総会であります。

パトライト、株主総会で社長解任(創業家側が続投に難色 毎日ニュース)

パトライト、取締役異動に関するお知らせ

たまたま、パトライトの株主総会に出席された株主の方のブログを見つけました。(しかし、この方も株式投資を始められて、いきなりこんな総会を目の当たりにするというのは、スゴイですね・・・。たくさんの株主の方が、「こりゃたいへんだ」と思って、途中で帰っちゃった・・・というところがかなりナマナマしいですね。。。現実はこんなもんなんでしょうね。)

出席株主200名(注 28日の読売朝刊によると170名程度とのことです)というのは、けっこう多いほうですよね。社長さんは「一体何が起こったんだ?」とのことですが、一番前のほうに、元従業員の方々が陣取っておられた・・ということですから、ある程度の予測というものはつかなかったのでしょうか。前の日までの票読みとか、事務局サイドでも危機感というものはなかったんでしょうかね?しかし、議長不信任動議が通ってしまって、いきなり社外監査役が議長を務めることになったんでしょうか、それともある程度、この社外監査役さんは、こういった事態に至ることを認識していたのでしょうか?(しかし株主総会のお土産が「パトライト」だなんて、本当に「緊急事態」になってしまったんではシャレにならないかも・・・・・(^^;; )

(追記)今朝の新聞では各誌、テン・アローズの解任劇と一緒に伝えているようです。とりわけ日経近畿版ではかなり大きく報道されています。昨夜掲載させていただいた株主の方のブログもそうですし、新聞のインタビュー記事もそうですが、一般株主にとって、修正動議の可決は(事前に招集通知にも何も記載されていないために)「何がなんだかわからない状態」だと思います。とくに、ブログを拝見して思いましたのは、「これから肝心な決議が行われるかもしれない」にもかかわらず、総会の途中で一般株主が退席してしまうような事態というのは、ひとつ間違えますと株主に対する説明義務を尽くしたかどうか・・・といった法的な問題にも発展しかねないかもしれません。テン・アローズ社のように、総会前から報道などによって、一般株主にも動向が判断できるのであればいいとしても、おそらくパトライト社の場合には、本当に解任劇が想定されていなかった可能性がありそうです。そう考えますと、他人事(ひとごと)ながら、議長不信任動議によって急遽議長となられた社外監査役の方は、きわめて難しい立場に立たされたでしょうし、もし法律家が社外監査役に就任した場合には、(独立した公正中立的立場が期待されているわけですから)議事進行の適法性維持や、包括委任状の有効性判断などとともに、会場に出席されている一般株主の方々への説明責任を果たすことにも十分配慮しなければならないと思われます。かなり怖いなぁ・・・というのが実感です。

6月 28, 2007 商事系 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年6月27日 (水)

1時間45分で株主総会無事終了

社外監査役を務める会社の総会が無事終了いたしました。1時間45分程度を要しました。「合併白紙撤回」という株主の皆様方を困惑させるような事態を生じさせたために、今年は会場出席者188名の株主の皆様のご参加のもと、たいへん厳しい質問が続出でありました。(総会終了後も、一般株主の方々にいろいろと質問される役員もいて、かなりハードな部類に属するものだったかもしれません。)やはり合併撤回の経緯、基本合意の段階での公表の是非、再度のM&Aへの考え、白紙撤回した今後の単独事業による計画実現可能性などなど、どれをとりましても株主の皆様方にとりましては長期保有にとっての関心事ばかりであります。もちろん会社側としましては、どれも想定していたところでしたので、すべて的確に回答できたと思いますし、また「インサイダー情報」とみなされる事実につきましては、現時点での(数字的な)回答は控えさせていただいたような次第であります。私は事前にリハーサルをしていた成果は大きかったと思います。リハーサルの功罪はいろいろと議論されるところだと思いますが、株主の方々の前で「こう答えよう」といった単なる作戦ではなく、リハーサルのなかで、今後の基本方針を、役員全員が再確認して、次年度何が最重要課題であるか・・・といったことを社内で合意形成できたことが成果だと思っております。

反省点といえば「株主優待券」に関する回答でした。これは昨年、一昨年もあったのですが、飲食店業界の場合、株主優待券の中身については、競争会社との比較において、詳細にリサーチしておく必要があります。たとえば株主招待券がほかの割引券と併用できるのかどうか、他店はどのように取り扱っているかなど。かなり細かい話かもしれませんが、そういった取扱いについて、一般株主の方々は他社との比較において「この会社は株主をないがしろにしている」とお考えになるようです。会社の基本姿勢を立派に説明することも大事かもしれませんが、株主にとって関心の高い分野への詳細な事前調査も同じくらい重要だということを再認識いたしました。来年の想定問答のなかでは、事前に同業者の株主優待制度およびその周辺事情はきちんと把握しておく必要がありそうです。ともかく、社長もさることながら、一番ご慰労申し上げたいのは事務局(総務部)の皆様方であります。今年はかなり胃の痛くなる日々が続いたのではないでしょうか。

いろいろと用意をしておりましたが、残念ながら(?)監査役を指名しての質問はまったく出ませんでした。(やっぱり、ほとんどの個人株主の方は、社長の人と「なり」を見にこられているんですよね)

オフ会に関するお知らせです。

さて、先日来、広報させていただいておりました「ビジネス法務の部屋 関西オフ会」でありますが、予想以上のお申し込みを頂戴いたしまして、居酒屋「土筆んぼう」の予約室の収容人数いっぱいになってしまいました。(本当にありがとうございました)お越しになる方々と、失礼のないようにゆっくりとお話できる人数にも限界があると思いまして、(現在ご参加予定者数は16名)このあたりで(たいへん申し訳ございませんが)いったんオフ会ご参加希望者の募集を締め切らせていただきます。もし、オフ会が成功裡に終わりました折には、また第二弾とか検討させていただきますので、その節にはどうかよろしくお願いいたします。ちなみに、お若い方、女性の方もいらっしゃいますが、全員社会人ばっかりで、学生さんはいらしゃいませんでした(^^;; (とくに異業種交流会ではございませんが、かなり面白そうなメンバーの方がおそろいのようですので、せっかくの機会ですし、ご参加いただいた方々で、管理人を無視してご交流をはかっていただいてもぜんぜん構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。)

6月 27, 2007 商事系 | | コメント (0) | トラックバック (0)

会社法を熱く語る人との出会い(その1)

ある企業法務部の方のご紹介で、前から一度意見交換させていただきたかった葉玉匡美先生と食事をご一緒させていただき、3時間以上にわたり、会社法を熱く語っていただきました。(というよりも、私としましては総会を直前に控え、社外役員としての立場にて勉強させていただきました)いや、実にサービス精神旺盛な方でありました。ブルドックソース社の買収防衛策から始まり、会社法および金商法上の内部統制理論、会計参与制度の誕生秘話(これはとりわけおもろかった!)、MBOにおける少数株主保護のあり方、上場企業とソフトロー、そして会社法が誕生するまでの生みの苦しみなどなど。いろいろと意見交換をさせていただき、とりわけ印象的だったのは、さすがに立案担当者としての(法律を成立させるための)政治的判断と、裁判官が紛争解決のために会社法を適用する場面を見据えた妥当性判断について、絶妙なバランスをとりながら会社法を策定することに努力されていた点でしょうか。(こういうのは、やはり実際に話をお聞きしないとわからないですね)本日、いろいろとお話いただいた内容は、また今後の会社法ネタの参考にさせていただこうかと思っております。(どうも、ありがとうございました)とりいそぎ、明日は株主総会本番ですので、また「無事に」終了してホッと一息ついた頃に、(たぶんその頃にはブルドックの仮処分命令の決定が出ているのではないかと思いますので)続きをエントリーしたいと思っております。たいへんお忙しいなか、熱く語っていただいた葉玉先生に厚くお礼申し上げるとともに、こういった貴重な機会をおつくりいただいた某企業のKさんに感謝申し上げます。m(--)m

6月 27, 2007 会社法を語る人との出会い | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月26日 (火)

職場の人間関係と内部統制システム

総会準備のため、ブログ更新の時間もとれません。ただ、国民生活白書に関する報道ニュースを備忘録としてとどめておきます。

日経ニュース  読売ニュース

永遠の課題かもしれませんが、企業価値に関わる問題として、こういった職場の人間関係と内部統制システムの問題は避けて通れないと思います。以前もこのブログでたいへん盛り上がった話題に「コンプライアンス経営はむずかしい・・」がありましたが、楽しい職場だからといって、コンプライアンス経営にとってプラスとは限らないと思います。

私は職場での「成功体験」がぜひとも必要だと思います。それも、単独プレイでの成功ではなく、チームとして「勝つ味を覚えること」どうせひとりの人間として会社の仕事に貢献できる力など限られていますが、それが5人、10人集まったときに、横断的な意思疎通ができるかどうか・・・。やっぱりみんな自分が可愛いので、ダイレクトに自分の評価につながることは積極的でも、なかなか横断的意思疎通なんて、「成功体験」を味わってみないと「言うは易く、行なうは難し」だというのが、私の実感であります。これは職場が「楽しい」とか「和気藹々」といった単純な雰囲気とは別次元のものではないかと。一度、真剣に内部統制システムの構築運用と、職場の人間関係について、考えてみたいです。

6月 26, 2007 コンプライアンス経営はむずかしい | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年6月25日 (月)

ブルドック買収防衛策、その光と影

日曜日(6月24日)のブルドックソース株主総会で、買収防衛策発動承認の特別決議が可決され、事後の手続と方針に関する取締役会決議が公表されております。(開示情報はこちらです)土曜日のスティール代表と日経新聞との電話会見によれば、防衛策が承認されても仮処分申立事件は取り下げない、とのことでしたので、今週もしくは来週早めにも東京地裁で司法判断(新株予約権の割当差止めの仮処分)が下されるようであります。総会で8割を超す株主が防衛策導入に賛成した、との報道内容に触れますと、「なんだ、もう決着ついてるんじゃないの?」といった感覚になりそうです。ただ、そもそも私の感覚では「買収防衛策とは、発動するものではなくて、あくまでも交渉のための時間稼ぎの道具」だという認識を持っております。防衛手段を発動することは、あらかじめ決められた合理的な交渉ルールを相手方が無視するに至ったからこそ合理的に許容されるものである、と。もはや交渉する余地もない段階から防衛策を導入し発動する、といった対応は、たとえば刑法の世界でいうところの「正当防衛」の要件を満たさなければ違法性が阻却されないのではないか・・・といった素朴な疑問が湧いてきます。(毎度ながらの注意書きですが)以下は私の勝手な素人的判断に基づく見解でありますので、あくまでも「ひまつぶしの読み物」としてお楽しみいただければ幸いです。(あっでも、このブログを読まれている方が、月曜日の午前中から「ひま」なはずはありませんか・・・)

1 取得条項付新株予約権の無償割当は差止め対象となるか?

「買収防衛策の発動」といいますのは、具体的には会社法273条、同277条で新設されました取得条項付新株予約権の無償割当を行うことを指しております。ちょっとマニアックな論点かもしれませんが、おそらく法律のご専門家の方々は、この論点についてもご関心があるのではないでしょうか。以前、日本技術開発と夢真ホールディングスの仮処分事件のときには「株式分割による新株発行」が差止め対象となるかどうかが、論点とされましたが、あのときは差止対象にはならない(準用もしくは類推適用も不可)ということでした。このたびも新株予約権の無償割当が会社法247条の「差止めることができる募集新株予約権の発行」に該当するのかどうか、(もし該当しなければ被保全債権が存在しなくなってしまいます)という点がいちおう問題になろうかと思われます。私自身としましては、247条の制度趣旨や、日本技術開発事件の決定の射程範囲などの解釈から、このたびの新株予約権の無償割当も、247条の準用(もしくは類推)によって差止めの対象にはなりうるものと考えております。(ちなみに、日本技術開発事件のときには、私は早稲田大学の上村教授の意見書を拝読し、準用もしくは類推適用説に賛同しておりました)

2 適用される裁判所の基本的ルールは何か?

買付希望者がたまたま「スティール」だったから、本日の総会におきましては防衛策導入発動に8割の賛同が得られたようにも思えますが、これがたとえば内国法人の食品会社が、スティールと同様1700円のTOB提示額だったらどうだったのでしょうか?本来内国法人であれば友好的な提案から始まるとは思いますが、今回のような事態がまったく発生しない、とは言いきれないはずであります。誰もが「スティールでなく、競合もしくは関連食品会社だったら、企業価値判断といった観点から(今回とは)株主の意見を異にする可能性はある」と回答されると思いますが、おそらく裁判所というところは、生身の企業価値判断の世界へ踏み込むことはないと思われます。したがいまして、今回の仮処分の決定について、どのような結論が出るとしましても、「買付希望者の色(個性)」というものはあまり裁判所の判断のなかには出てこないのではないかと思います。もし仮処分申立が却下される場合に、それが「スティール」だから・・・という理由が出てくるのであれば、「グリーンメイラー」もしくは「濫用的買収者」である、といった判断に至るか、もしくは株主総会における特別決議で発動が承認可決されたという事実を裁判所が相当に重視する姿勢であるか、どちらかだと考えます。しかし、裁判所がズバっと、「スティールだから・・・」といった判断を下す可能性はかなり低いのではないかと私は予想しております。「会社を食い物にする」という判断はそもそも立証困難な事由ですし、、また株主の総意としての、現経営陣とスティール(もしくはスティールが呼んでくる別会社)の価値向上策への比較判断能力にもそれほど大きな期待は抱いていないと思われるからであります。むしろ株主総会で承認を得た、という事実は、現経営陣が保身目的で防衛策を導入発動するためではない、といった「主要目的」を認定する際の一事由にすぎないのではないでしょうか。ということで、裁判所としましては、「スティールだから」といった色メガネを抜きにして、「企業価値を向上させる買収者は適法に支配権を獲得できて、そうでない買収者には効き目がある買収防衛策の手続はどうあるべきか」といったシンプルな基本ルールを今回の事件に適用する可能性が高いと推測しております。そう考えますと、先日「ブルドック買収防衛策における素人的疑問」で書かせていただきたような、たとえば①平時導入、有事導入②買収者の経済的損失の補填問題③防衛策排除についての株主意見の反映④総会における導入発動への承認の有無など、オーソドックスな防衛策の仕組みに関する論点が「現経営陣の導入発動に関する目的」論と絡めて判断対象とされるように思われます。(今回の事件では、TOB価格変更はあったものの、経済的損失への補填、取締役の任期短縮、解任要件の緩和、そして本日の特別決議による承認といったところで、およそ②から④までの要件該当性をブルドック側はほぼ満たしたといえそうであります)

問題があるとすれば、やはり①の要件、つまり平時導入、有事導入といったあたりではないでしょうか。冒頭にも書かせていただきましたとおり、「正当防衛」つまり、とんでもない買収者が突然出現して、交渉もせずに土足で上がりこんでくる・・・といった事態であれば、交渉ルールがなくても、これを跳ね返して「企業価値を守る」ことこそ、経営者の義務であります。そのような事態であれば有事導入も問題ないと思われますが、証券取引法上のルールを最低限度守って交渉をしている買収者に対して、防衛策を発動する、といった事態は、逆に買収者側にはビックリではないでしょうか。上場企業には、買収防衛策を導入するかどうか、1年間の猶予期間が与えられたわけでありますから、防衛策を導入しないというのも、「支配のあり方」に関する企業の意思表示のひとつと考えられます。私は裁判