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2007年7月 3日 (火)

簡易版COSO内部統制ガイダンス

(7月3日正午 重要な追記あります)

内部統制ルールの実質緩和(?)なる巷(ちまた)の噂と「時を重ねた」かの如く、「簡易版COSO内部統制ガイダンス翻訳版」が出版されております。(監訳 日本内部監査協会、八田進ニ 同文館出版)

Coso 昨年9月25日にCOSO「中小公開企業」向けガイダンスなるエントリーでご紹介しておりましたが、あれから約9ヶ月経過しての出版となりました。どなたかが、コメントで「いまさらガイダンス出したって、もう現場での整備運用段階になっちゃったんだから・・・」とおっしゃっておられましたが、少なくとも上場企業の内部統制担当の役員さんや、常勤監査役さん方には、お勧めの本ではないかと、素直に思います。COSOの基本的な考え方を自社にどう落とし込めばいいのか、それがどういった内部統制の目的達成と関係付けられるのか・・・といったあたりが、もっともイメージしやすい本ではないかと思われます。難点といえば、原文に忠実な訳文ということなんでしょうか、ずいぶんと固い文章になっておりまして、かなり読みづらい箇所があることと、アメリカの監査委員会制度および独立取締役制度を当然の前提として統制環境を説明したり、実際の適用事例などを紹介しておりますので、日本における監査役制度や社外取締役制度との違いを常に意識しておかないと、内部統制報告制度における応用が連想できない、といったところでしょうか。(あと、不備と欠陥に関する分類法にも要注意かも・・・)ただ、このガイダンスはそもそも米国SOX法の適用猶予措置がとられていた米国の中小公開企業向けに、SOX法適用を前提に簡易な基準としてCOSOが作成したものでありまして、「内部統制ルールの実質緩和」との噂が流れるなか(?)、日本では大企業におきましても、十分通用するガイダンスだと思います。すくなくとも、「外部監査人と監査役の提携」が重要視され(ちなみに、八田先生は「月刊監査役」7月号の「全体会議シンポ」におきまして、内部統制報告制度における監査役の役割が最も重要・・・と檄を飛ばしておられました)、また「監査役と内部監査人との連携」も不可欠(ちなみに上記月刊監査役7月号のミスター内部統制こと眞田先生の「監査委員会からみた内部監査人との連携」に関する解説は勉強になりました)と言われているなか、上場企業の監査役の方々におかれましては、この本に書かれている内部統制報告制度のレベルについては、外部監査人や内部監査人との連携協調を実質的に実現可能なものにするためにも、理解することが妥当ではないかと思われます。

第三部の「評価ツール編」もスグレモノだと思いますが、読み物としては第二部のガイダンス編のうち、非常にたくさんの「本原則の適用事例」が掲載されておりまして、これがたいへんオモシロイです。たとえばワンマン経営者の場合には効率性からみた内部統制システムの構築は比較的容易であるが、システムを無視する可能性が高いので内部通報制度の構築を重視している事例とか、売上向上ばかり気にしていて、「管理行為」にはほとんど興味を示さない経営者の場合には、むしろ「売上向上」のための数字チェックのシステムを工夫して、同時に財務報告の信頼性をモニタリングできるシステムも並存させる仕組みなども考えられており(ただし仕組み自体は公認会計士さんでないと考案できないと思われます)、「費用対効果」に留意しながら、財務諸表の信頼性を確保できる仕組みが多数紹介されております。すでに企業の現場担当者の方々は、そのまま整備構築に進んでおられるところかとは思いますが、せめて内部統制報告制度の執行担当責任者や、監査役の方には、今後どういった「緩和や厳格化」などのルール修正がありましても、慌てないでいいくらいの基本的な考え方を身に着けておくべきでしょうし、そのモノサシとしてはこういったCOSOモデルを基本から学ぶことも適当ではないでしょうか。(こういった基本書をもって勉強会を開催するのもいいのかもしれませんね。一般の解説書ですと、自社の事業特性やら、企業規模を忘れて「こういったレベルでないといけない」といったハードルの高さばかりに気をとられてしまいがちですが、この本ですと、まず自社にとっての「あるべき内部統制システム」を考えて、それに見合った自社特有のシステムを構築するヒントが得られそうであります。)

(追記 3日正午)ある方から、「おもしろい記事がありますよ」と教えていただいたのが、日経BP社「内部統制jp」のニュース記事です。さてさて、土曜日の朝刊と、このニュースとどちらが信憑性があるのでしょうかね?(^^;

7月 3, 2007 COSO「中小公開企業」向けガイダンス |

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コメント

同じ日経一派(爆)なのに記事内容が違うということなのですが、
これは穿った見方をすると、土曜の記事を事実上修正したと
みていいのかもしれません。
上司とも話をしたんですが、こういう記事は署名記事であるべきだし、
どこの誰に取材したかを可能な限り明らかにすべきでしょう。

まあ、「金融庁って誰?」「日本政府って誰?」ということなのですが、
それこそ役所のコンプライアンスがなってない証拠ですよ。
あ、新聞社も上に同じ(笑)。


もともと鵺(ヌエ)みたいに、つかみどころのない抽象的な基準?
だったわけで、確かにそれを緩和するも引締めるもないですよね。

ご紹介いただいた書籍、さっそく入手いたしました。
なるほどこれは参考になります。ありがとうございました。

投稿: 機野 | 2007年7月 3日 (火) 16時11分

>機野さん

どうやら、推察どおりのようですね。
「日興、上場廃止へ」の二の舞だったのかもしれません(^^;;
金融庁が適時開示すべき・・・とコメントに書きましたが、そのとおり適時開示されたのかもしれませんね。
「抽象的な基準」であることの意味を、私も冷静に考え直してみることにいたします。
また、この訳本のご感想なども、折に触れてお聞かせいただければ、と。

投稿: toshi | 2007年7月 4日 (水) 00時55分

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