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2007年7月18日 (水)

内部統制報告実務の新たな局面(監査指針公開草案)

こんにちは、山口利昭です。まだ名古屋の裁判が終わったばっかりで、名古屋駅近くの喫茶店からエントリーをアップしております。

内部統制報告実務に関する重要なお知らせが日本公認会計士協会のHPでリリースされております。(記者発表もされております)昨日、機野さんのコメントを受けて「会計士協会から本当に指針が出るんでしょうかね?」などと書いてしまいましたが、関係者の方がこのブログをお読みになってたら「プププ!(爆)」ということだったんでしょうかね?

上場企業にとりましては、たいへん関心の高いものでしょうし、また今後もいろんな議論がされていくことでしょうね。新たな局面に入ったというべきでしょうか。とりあえず、いまから大阪に戻りますので、ホンマの速報版ということで失礼いたします。

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コメント

お疲れ様です。さっそくキャッチフレーズですね(笑)。
中身と関係ないコメントで、すんません。

投稿: けんけん | 2007年7月18日 (水) 20時17分

どなたにもツッコミをいれてもらえないと、すこしサミシイかな・・と思っていたところでしたので、ホッとしました。

投稿: toshi | 2007年7月18日 (水) 21時58分

いやいや、冒頭の一文、いいですね!
おもわず笑みがこぼれてしまいましたよ!

投稿: ligaya | 2007年7月19日 (木) 00時06分

toshi先生

 いつも、ブログの更新お疲れ様です。これを読み込むことによって、会計士の先生方のバックボーンが理解できるように思います。
 私のように実際の作業担当者からすると大変難解な文章ですが、時間をかけて読んでいくつもりです。

 これに対する続編をお待ちしています。

投稿: tonchan | 2007年7月19日 (木) 11時08分

励ましのメール、ありがとうございます。私も昨日これを読み始めましたが、経営者確認書のひな型まで一読するだけでも、かなりの時間を要するものと思いますので、実際に内部統制コンサルや準備支援プロジェクトをされておられる方の意見などを聞きながら考えてみようと思っております。すでに会計士の先生方のブログでは、感想が書かれはじめているようですので、またご参考にされてはいかがでしょうか。
私も続編はかならず書きますよ・・・・・(笑)

投稿: toshi | 2007年7月19日 (木) 11時31分

朝からずっとダウンロードしようとしているのですが、
アクセスが集中しているせいなのか一向に出来ず焦っております(笑)。

ネット上での噂を拾うと、ある程度具体的に記述してあるシロモノの
ようですね。

投稿: 機野 | 2007年7月19日 (木) 11時55分

私は昨日、あっという間にダウンロードできましたので、ほとんど苦労せずにすみましたです。
内部統制監査業務と非監査証明業務の同時提供に「あたるかどうか」とか、重要な欠陥の判断指針など、かなり興味ある指摘がなされており、おもしろいですね。監査役協会や内部監査に関する団体の方から、またいろいろと意見書が出されるのではないかとも推測されます。

投稿: toshi | 2007年7月19日 (木) 12時28分

サーバが重くてダウンロードできないです。会計士協会も「ITへの対応」をちゃんとしてほしいですね..

投稿: こしあん大福 | 2007年7月19日 (木) 13時21分

toshi先生

 そうですね。何人かの会計士の先生のブログを確認しました。皆さん目の付ける部分が異なっているのが結構おもしろく感じております。

私のような素人からすると、財務諸表監査と内部統制監査との関係などは表形式にまとめていただきたかったな、と感じております。

先生の速やかな続編に期待しております。

投稿: tonchan | 2007年7月19日 (木) 15時07分

分割になって申し訳有りません。

 会計士協会の別のページからのダウンロードは普通に行えました。(念のため)

http://db.jicpa.or.jp/visitor/search_list.php?commitee=1108

確認してみると別のPDFにリンクされています。必要な方は試してみてください。

投稿: tonchan | 2007年7月19日 (木) 15時21分

お教えいただきありがとうございました。
助かりました。

投稿: 機野 | 2007年7月19日 (木) 16時18分

全社的な内部統制の評価項目ですが、監査人の土俵で、つまり監査人の考える(米国提携先のSOXで使用したものの翻訳)評価項目での作業を強いられるのではと危惧しておりましたが、少なくとも「実施基準の参考1に示された財務報告に係る評価項目の例に照らし合わせて・・・」となっており、幾分気分は楽にはなりました。
読み進めて、気分が暗くならないことを祈ります。

投稿: 迷える内部監査人 | 2007年7月19日 (木) 16時24分

こんにちは。東京からよく拝読しています。
会計士協会の監査指針草案が、ようやく出ましたが、小生の感想です。

●全体に、金融庁の実施基準の趣旨を踏まえた内容になっていて、あまり細かく踏み込むことをせずに収めた感があります。
これは、「あまり細分化・専門化して、企業側に重装備を要求してもらいたくない」という金融庁の意向に応えたものと思います。
※応えたというか、いろいろと金融庁からの圧力があったと聞いております。

●IT分野は専門外ということがあり、IT統制に関する具体的な監査指針については、ほとんどふれていません。
わずかに、Excelの表計算については洗い出しと統制が必要、と挙げただけに終わっています。
もともと金融庁の実施基準でも、ITに関する監査をけっこう具体的に書いていましたから、これ以上細かくしなかったと思われます。

●しかし、金融庁の実施基準には、やたらと「例えば」の言葉が多いからくりがあり、その部分について監査人がわは実際に要求するのかどうかを知りたい、というのが企業がわの思いであり、そこに踏み込まなかったことには問題を残しています。

・監査人はシステム設計書を閲覧して、設計書どおりのシステムになっているかを確認する
と書いてあっても、その前段に「例えば、次の方法によって確認する」という具合に「例えば」を置いてあるので、
システム設計書を監査人は見るのか見ないのかが分かりません。

この「例えば」の実施基準に対して、会計士がわはシステム設計書を見ることにするのか、しないのかを企業は知りたかったわけです。その指針によって、企業はシステム設計書を現在のシステムどおりに更新しておかないとまずい、という判断ができます。
この点が明確になっていないと、監査人によってシステム設計書を閲覧されて「設計書と現在のシステムが違っていますね」と指摘されたりされなかったり、の格差が出てしまいます。

もちろん全部に渡ってマニュアルを定める必要はなく、現場の会計士の判断で少しは運用が異なることはあってよいのですが、金融庁に「例えば」を多用されて、はぐらかされている企業がわにとっては、監査人は現実にこの点を指摘するのかしないのか、の興味が大きいポイントについては、方針を決めてもらいたかったところです。

ほかにもいくつかポイントがありますが、とりあえずこのくらいで。

投稿: DMORI | 2007年7月20日 (金) 11時52分

>DMORIさん

はじめまして。
文章もわかりやすく、実に理解しやすいコメント、ありがとうございます。

>ほかにもいくつかポイントがありますが、とりあえずこのくらいで。

と、おっしゃらず、よろしければ続編をお願いします(他力本願で申し訳ございません・・・・笑)

投稿: toshi | 2007年7月20日 (金) 12時06分

こんにちは。よろしければ続編として・・・

■連結消去前での重要拠点選定には慎重

内部統制の評価範囲として、重要な事業拠点の選定について、金融庁の実施基準では、グループ企業全体の連結ベース売上高で、上から概ね3分の2程度の範囲で可としながらも、必ずしも連結ベースでなく、「内部取引の連結消去前の売上高等に対する一定割合とする方法も考えられる」と、選択の幅を広げてあります。

●これに対して会計士協会の実務指針草案では、
「内部取引消去前の売上高を用いて重要な事業拠点を選定した場合には、内部売上の多い事業拠点が上位に位置づけられてしまう可能性があるため、連結グループ外の得意先に販売している会社が選定されない状況が考えられる」(P20)と考えました。

●そこで、「この場合には、当該会社の販売プロセス等を、財務報告への影響を勘案し、重要性の大きい業務プロセスとして、個別に評価対象に追加することを検討しているかどうか検証する」とつなげて、グループ外から収益を上げている拠点を対象からはずす場合には、なぜ除外するのか、理由を慎重に検討すべきとの姿勢を示しています。

●この考え方は、本筋としては正しいのですが、金融庁の実施基準は11月の草案に、わざわざ「連結前の売上げ合計で判断する方法もある」と、つけ加えた経緯があるのです。
これは、連結売上げ消去後の方法に限定してしまうと、外部売上げのある孫会社が対象になるのに加えて、内部売上げの大きな子会社も、結局は親会社の重要な業務プロセスに当たるので、内部統制報告の対象になります。

●そうすると結果的に、グループ全体の9割が対象になった米国と同じレベルになり、企業に大きなコスト負担を強いることになりかねないため、金融庁としては「大英断」(八田教授)で連結前の3分の2でも、OKにする考え方もあるとしたのです。

●現場の会計士が、連結消去前での選定にあまり慎重になりすぎると、米国SOX法の轍を踏むことになりかねない、リスクが出てきたといえます。
このあたりは、注目ポイントのひとつです。

投稿: DMORI | 2007年7月22日 (日) 19時02分

>DMORIさん

続編をありがとうございます。たいへん参考になります。
コメントを拝読させていただいて思ったのですが、監査法人さんの内部統制監査は「業務プロセスとして評価する」ことに注心されるのではないでしょうか。これまでの財務諸表監査における内部統制監査の経験に近いところが業務プロセス監査というものなのでしょうかね。不正防止の趣旨を考慮すれば会計士協会の指針のほうが筋が通っているようにも思いますし、またこれまでの不正防止や虚偽表示リスクへのアプローチに関する会計士協会の報告書からの帰結であるとも思えます。ただ、アメリカのSOX法実務のようにならないためにも、全社的内部統制の有効性を評価してその結果を評価範囲の絞込みに反映させるべきだと思いますが、この全社的内部統制については、どこまで監査人が踏み込んで有効性を判断されるのか、たいへん関心を持っております。
DMORIさんのコメントをぜひ参考にして、実務指針に関するエントリーを書かせていただこうと思っておりますので、またご教示よろしくお願いいたします。(この実務指針を少しでも理解するためには、これまでの虚偽表示リスク評価や不正防止のための実務指針など、参考となる意見書や報告書についてもある程度の理解が必要だと思いました)

投稿: toshi | 2007年7月23日 (月) 02時06分

こんにちは。
ご指摘のとおり、不正防止の趣旨に立って筋道を考えれば、会計士協会の指針が正しいと思います。
金融庁の内部統制部会でも、それは承知のうえで「政策的」な判断で実施基準にしたということでしょう。

●八田教授も、部会内外から「こんなにゆるくしちゃって、いいんですか?」という議論はずいぶんあったという話です。
「ゆるゆるなので、これではルーズソックスですね」というジョークにもなって、八田さんが「いいんですよ、ルーズソックスで」と答えたら、どこかのメディアに「青山の女子学生はルーズソックスが多いらしい」などと書かれたこともあったそうです。

●いずれにしても、原則論を通しながら会計士が現場でどこまで運用するかの問題だと思います。
その意味では運用がたいへん興味深いところです。

投稿: DMORI | 2007年7月23日 (月) 08時48分

>監査法人さんの内部統制監査は「業務プロセスとして評価する」ことに
>注心されるのではないでしょうか。これまでの財務諸表監査における
>内部統制監査の経験に近いところが業務プロセス監査というものなの
>でしょうかね。

おそらく(具体的な作業のイメージはまだおぼろげながら)
そういうことになるんではないか、
というか、そういうことしか出来ないのではないかと思います。
実際に当社に於いて、某大手監査法人殿は
当社の事業所での財務諸表監査の「ついで」に、内部統制監査の試査?を、
勝手に(爆)やり始めているようです。


ただねえ、真田さんとこのレポ(「J-SOXへの対応アプローチ」)にも
しつこいように(執拗に)書いてありますが、
「そんなの意味あるの?」という疑問は相変わらずぬぐえません。
一種のアリバイ工作じゃないかと(笑)。

つまり、手間隙はかかるけど「これだけやったぞーーっ」という
物量としての監査実績は見え易い。アピールしやすい。自己満足であっても。

それに対して、全社的な内部統制の評価に関しては
(ようやくアプローチ方法が見えてきましたが)
「点数」をどうつけていいのか分からない。その「点数」によって
監査範囲を縮小拡大しないといけないのに。


確かに業務プロセスの監査は「不正の抑止効果」はあるとは思いますが、
末端の業務プロセスをいくら洗い出しても所詮は間違い探しにしか
ならないような気がします。
意味はあっても「費用対効果」として望ましいものなのかどうか…。


業務プロセス、書類のあるなしレベルのチェックは極力省略して
(そもそも従来の財務諸表監査(の手法)でチェックすべきだったところが
 ほとんど)、その代わりに、
全社的統制-トップダウンアプローチ・リスクマネージメントが
いかに有効であるか、時間を掛けて監査すべきだと思います。
コンプライアンス、経営層の不正、監査役の職務能力・体制…
企業にとっての「要」を押さえないと
それこそ企業にとって(ステークホルダーにとって)
無意味どころか有害な監査にしかならないでしょう。


だいたい、3分の2であろうが、公認会計士はチェックできるんでしょうか?

「日本の監査法人所属の公認会計士数万人は、日本の大企業3千社の
 業務の約3分の2(ひょっとしたら初年度はほぼ100%)を
 事実上1年弱で全部チェックする」

これ、SFというかファンタジー、荒唐無稽だとは思いませんか?
米軍に竹やりで立ち向かったあの戦争と同じぐらい無謀なことかもしれません。

まあ、真田さん流に云うと、「心配しなくてもその前に破綻する」と
いうことなんでしょうけどね。
出来る分量しか出来ない。成るように成る。
しかしそれだといま汗を流してる各社の内部統制担当は浮かばれません。

投稿: 機野 | 2007年7月23日 (月) 10時06分

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