« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月31日 (金)

ブルドックにみる次世代買収防衛策

自宅に戻ってパソコンを閲覧しておりましたところ、やはり各新聞社とも、ネット版で「ブルドック事前警告型の買収防衛策を導入」と報道されていますね。法廷闘争の渦中にあったブルドック社が、TOB手続き終了後に導入する買収防衛策ということですので(平時導入であることはリリースのなかにも記載されております)、今後の各上場企業における防衛策導入や見直しにおけるモデルケースになるのではないかと期待されている方面も多いのではないでしょうか。例のごとく、私のような者はスキームの良し悪しについて批評するだけの力量もなく、またその立場にもございませんので、一般上場企業の社外役員や独立委員会の委員としての立場から、企業のリスクマネジメントの一貫として、こういった防衛策をどうみるか・・・といった視点で感想を述べたいと思います。

なお、すでに他のエントリーで書かせていただきましたように、こういった防衛策に関する感想を述べるにあたりましては、多面的からの評価が可能かと思われます。裁判に負けないスキームかどうか、東証規則や議決権行使助言会社における基準などのような株主からの評価基準に適合しているかどうか(株価にどのように影響するか)、有事において株主への利益供与のおそれやインサイダー取引等、違法リスクが少ないかどうか(取締役の責任問題)、税務面において企業や一般株主に過大な負担をかけないものか等、どの観点からみても、企業に重大なリスクが発生する可能性が高いものばかりであります。どういった観点からも、たくさんの感想が出てきそうですし、今後も「買収防衛策の見直し論議」のなかで、このブルドック社の次世代買収防衛策が検討されるものと思いますが、本日はブルドック・スティール事件の最高裁決定との整合性についてのみ考えてみます。

あの最高裁決定が出てからも、やはり防衛策の最大の関心事は、防衛策発動の時点で株主総会の決議を要するのかどうか、かりに必要だとして、普通決議でいいのか、特別決議まで必要なのか、(これ以前に定足数などの問題もあろうかと思いますが)といったところではないかと思いますが、このブルドックの防衛策では、原則として取締役会決議で発動可能、例外として必要があれば株主からの書面表明を求めることができるし、場合によっては株主総会で発動の是非を問うこともできる(なお決議が普通決議なのか、特別決議を求めるのかは不明)といった方針が定められております。先日の最高裁決定では、株主、投資家、買収者いずれにおいても予見可能性を高めることができることから、あらかじめ対応策を定めておく場合には、緊急で防衛策を定めて発動する場合よりも、防衛策発動が「著しく不公正」とはいえないケースが多いのではないか・・・といったニュアンスの記述がありますので、その記述との整合性からしますと、事前警告型の防衛策が導入されている場合には、かならずしも株主総会において発動の是非を問わずとも(また、買付希望株主への経済的損失を補填せずとも?)防衛策発動が著しく不公正とはいえない・・・といった筋道になるのかもしれません。また、発動の要件を柔軟に定めておくことは、投資会社による大量取得行為の場合と、今後予想される国内外の同業事業会社による取得行為とにおいて、その対応を異にすることで「公正性」の要件該当性を確保する狙いがあるのかもしれません。また、独立委員会の存在も、こういった対応の柔軟性に合わせて、公正な手続きを経ていることの一事由と捉えられているものと思われます。

いっぽう、株主平等原則からみた防衛策発動の正当性についてはどうなんでしょうか。ここは最高裁決定におきましても、基本的には差別行使条件つきの新株予約権の無償割当ては株主平等の原則と大きな関連性があるので、特定の株主による経営支配が、株主共同の利益を毀損するような場合にかぎり、最終的には株主の判断において発動が正当化される、とあります。防衛策導入についてはもちろん最高裁決定は何も判断はされていないと思うのですが、この発動場面におきましては、株主自身が判断する場合のみ正当性があると読めますし、このあたりは今後の事前警告型の防衛策ではどう考えるべきなのでしょうか。相当性の要件につきましても、抗告人関係者が意見を述べる機会のあった総会での議論をへてもなお、ほとんどの株主が発動に賛成した点を理由に掲げているので、このあたりが相当に「株主総会必要説」の根拠になりうるところではないでしょうか。

なおブルドックの買収防衛策においては、このあたり、たとえ取締役会で発動決議を行ったとしても、先日変更された定款19条1項により、差別行使条件付の新株予約権無償割当てに関する事項を取締役会決議で行えることが承認されているのだから、取締役会決議は株主総会における意思によるものと擬制できる・・・といった根拠を示しておられるようです。しかしながら、株主共同利益を毀損したものかどうかを総会で決議したうえで、その詳細は取締役会に委ねるという定款の内容と、そもそも株主共同利益を毀損しているかどうかの判断を取締役会に委ねるのとは大きな違いがあると思いますし、はたして定款19条1項を、取締役会決議で発動できる根拠とするには論理の飛躍があるのではないかといった疑問が出そうであります。また、こういった説明からですと、取締役会で株主総会決議を必要と判断した場合に、普通決議で足りるのか、特別決議を要するのかといった判断基準の説明もできないですし、さらに発動に関する問題について、そもそも現時点における株主が、将来の発動場面における取締役会の行動を拘束できるものなのでしょうか?現時点における株主が将来の株主のあり方について、なにゆえ拘束できるのか、その根拠は私にはよくわかりません。いずれにしましても、最高裁決定の流れと、取締役会決議のみで新株予約権の無償割当てによる防衛策発動が正当化されることとの整合性が、このブルドック防衛策を読ませていただいても、明確に理解できないところがあるように思います。

まだまだ、ほかにも不公正な方法とはいえないスキームであると評価されるための「大量買付情報リストの内容の特定」とか、「取締役会が株主共同利益を著しく毀損すると判断するための類型の特定」に工夫が凝らされていることや、公正性を担保すべき独立委員会がそういった取締役会の判断類型に拘束されるのか、そもそも独立委員会は発動要件の選択などについても勧告できるのか、買収者側から最初に事前交渉ルールの決め方に関する質問を投げかけてよいのか(それは無視してよいのか)・・・など、たくさんのたいへん興味深い論点がありますが、ちょっと明日のIPO研究会の用意などもありますので、きょうはこのあたりで「つづく」とさせていただきます。

8月 31, 2007 ブルドックソースの事前警告型買収防衛策 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年8月30日 (木)

(速報版)ブルドックソース、買収防衛策導入

企業情報をみておりましたらブルドックソースからの開示情報がありました。(午後4時)

当社の株券等の大規模買付け行為に関する対応方針(買収防衛策)について

ムム!?

なかなか興味深い内容です。

おそらく、これからいろいろなところで話題になるんじゃないでしょうか。。。

とりいそぎ、業務中ですので、速報版ということで失礼いたします。

8月 30, 2007 ブルドックソースの事前警告型買収防衛策 | | コメント (0) | トラックバック (0)

弁護士人材紹介と弁護士法72条(その2)

昨日の「弁護士の人材紹介と弁護士法72条」のエントリーについて、m.nさんよりコメントをいただきました。

あくまでも弁護士資格を持った方を斡旋するだけで、特定の法律事件等に関してのみ紹介するといったことでなければいいのかもしれませんね。つまり、派遣元の会社は弁護士資格をもった人材を派遣する。そしてその後に法律事件が発生し、弁護士資格をもった人がいるからということで法律事件に関与させるのは派遣先の会社の勝手ということかもしれません。

弁護士法72条の解釈として「事件性必要説」に立脚するものですね。つまり、72条により弁護士の紹介行為として禁止されているのは「事件性のある(争訟性のある)法律事務」を行う場合のみを指すのであって、事件性の存在しない法律事務については紹介行為(周旋行為)は72条違反にはならない・・・といった解釈を前提とするということでしょうか。これは法律事務を弁護士資格を保有する者が独占するにあたり、隣接他業種の方々の法律事務をどこまで認めるか・・・といった場合にも問題となる論点であります。しかし、特定の法律事務に関してのみ紹介するものではないとしても、派遣先では事件性のある法律事務を扱うことを予想しながら(つまり、事件性のある法律事務にはつかないことを誓約することなく)弁護士を紹介(派遣)することについては、そもそも紹介時点において潜在的には事件性のある法律事務を(業務として)周旋していることにはならないでしょうかね?弁護士の人材紹介を欲する派遣先企業としては、そもそも弁護士資格者のリーガルマインドに期待をして採用するのではなく、(コンプライアンス経営への期待に応える、とありますが、そこまで日本の企業が弁護士に対して寛容だとは思えないのであります)やはり「何かあったときに、すぐに事件に対応できる資格」に期待をしているからこそ、要望があるんじゃないでしょうか。そうしますと、やはり派遣先では「事件性」を有する法律事務への対処を(弁護士が)求められることになるはずでありますから、そういった業務に就任する弁護士の履歴書を登録した段階で、派遣元企業としては事件性のある法律事務を業務として周旋する者・・・とみなされてしまうような気もいたします。

こういった弁護士人材派遣に関する企業の要請としては、おそらく知的財産権の管理に関する需要に由来しているのではないでしょうか。たとえば企業グループにおいて、子会社および子会社従業員が保有する知的財産権を、親会社が一元管理しておきたい場合とか、信託法の改正によって活用が期待されている知的財産権信託制度を利用したい場合などにおきまして、親会社による管理行為、知財信託における受託者などにみられるように、権利売買や権利保全管理行為など、一般に法律事務と称される業務において弁護士資格保有者を活用せざるをえない状況にあると思います。そして、そういった知的財産権や信託に強いスペシャリストを紹介したり派遣することへの企業社会からの要請はかなり高いものがあろうかと思われます。「企業における法令遵守(コンプライアンス)への意識が高まっている」ことも事実だとは思いますが、だからといって、(私が申し上げるのもちょっとヘンなのですが)直ちに弁護士資格を保有している者が、企業のコンプライアンス経営に有用性を発揮できる・・・と考えるのは、すこし短絡的のような気もいたしますが、どうでしょうか。

また、弁護士の側からみますと、もしこういった紹介(周旋)制度が弁護士法72条に抵触するおそれがあるとなりますと、違法な周旋行為によって紹介を受けた弁護士として、弁護士法27条により問題とされる「非弁提携弁護士」になってしまう可能性が残りますよね。こういった周旋行為が明白に弁護士法72条に抵触しない、といった「お墨付き」がないと、27条違反のリスクを背負ってまで、こういった紹介制度に登録しようといった気持ちにはなかなかなれないように思います。(ちなみに、私はけっしてこのご商売を批判しているものではなく、むしろ積極的に派遣や紹介を行っていただきたいと願うほうであります。ただ、登録する側の弁護士にとって、安心して登録できるようなスタイルにしていただく必要があるのではないか・・・と思う次第であります)私自身、もはや18年ほど、「弁護士会」のなかにどっぷりと浸っておりますので、頭の中にカビが生えてしまうほど、弁護士会的発想から脱却できないのかもしれませんが、この弁護士法72条、27条問題につきましては、弁護士会的な解釈はコンサバでありますし、世間での通用力もあると思いますので、(制度自身につきましてはおおいに共感できるところがあるものの)、人材紹介制度のあり方について、もうすこし適法性を明確に説明していただければ・・・と思うのであります。

8月 30, 2007 弁護士も「派遣さん」になる日が来る? | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年8月29日 (水)

弁護士人材紹介と弁護士法72条

日経ニュースで知りましたが、東京に本社のある某上場企業さんが、弁護士人材紹介に特化した新会社を設立されるそうであります。(ニュースはこちら)私個人の意見としましては、2年ほど前に「弁護士も派遣さんになる日がくる?」のエントリーで述べましたように、これだけ切実な法曹人口急増時代が到来し、また弁護士自身のライフスタイルも多様化していることからみて、パートタイム弁護士とか、弁護士派遣センターのようなものがあってもいいのではないか・・・と思っておりました。(今でもそう思っております。あくまでも私個人の見解でありますが・・・)

ところで、上記の上場企業さんのHPを閲覧いたしましたが、弁護士人材紹介と弁護士法72条との関係については問題はないのでしょうか?ちなみに弁護士法72条といいますのは・・・

第72条 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 

というものであります。「弁護士人材紹介制度と弁護士法72条との問題」といいますのは、法律事務を取り扱う弁護士の周旋行為を弁護士でない者が、報酬を得る目的で業務として行ってはいけない、といったところでありますが、本件のように新会社の業務として弁護士を紹介することはこの「周旋行為」に引っかからないのか?という問題であります。さらに、弁護士紹介制度の場合には、紹介先と派遣先とのトラブルが発生した場合、弁護士はどちらの指示に従えばいいのか、その指揮命令関係が不明確となり、弁護士としての職務の公正独立性が阻害される・・・といった職務の独立性の観点からも問題視されているようであります。(楽天のサムライ業紹介制度のなかに、唯一弁護士紹介制度が存在しなかった理由はこのあたりにあります)おそらく先の上場企業さんの場合、弁護士法72条の解釈から、この新会社の業務は法律に触れるものではない・・・といった結論を導いていらっしゃるとは思うのですが、「コンプライアンス経営推進のための弁護士紹介」を標榜する以上は、こういった不審感を拭うためにも、なにゆえ当社の弁護士人材紹介制度が弁護士法72条に抵触するものではないのか、その明確な説明をどこかに掲載する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

8月 29, 2007 弁護士も「派遣さん」になる日が来る? | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年8月28日 (火)

IT統制とメール管理(その3)

「あっ!、この本おもしろそう~♪」と思って衝動買いしましたのが「株式会社はどこへいくのか」(日本経済新聞出版社)。上村教授と金児昭氏との「掛け合い」を一冊の本にまとめたものであります。金児氏の「財務会計」モノはほとんど拝読させていただいておりますので、今回も新会社法に関する金児氏のご意見に興味を抱いておりましたところ、お読みいただいた方はおわかりのとおり、そのほとんどが上村教授のご意見で占められておりまして、それはそれでたいへん読みゴタエのある本であります。(ただし、まだ半分ほどしか読み終えておりませんので、前半部分までの感想であります。しかしここまで上村教授がご自身の意見を述べられるのも、ある意味でスゴイなぁ・・・と。(^^;; )またどこかのブログで、この本に関するご意見などが開陳されることを期待しております。。。

さて、以前「IT統制とメール管理」というシリーズをエントリーしまして、かなり多方面の方々よりご意見を頂戴いたしました。当時は「財務報告に係る内部統制報告制度におけるIT統制にはメールの管理は重要な要点となるのか」といった問題の立て方だったと思うのでありますが、少し趣旨は異なりますが、本日(8月27日)日経朝刊の「法務インサイド」にて「メール消去は命取り?」といった企業におけるメール管理に関係する話題が採り上げられておりました。基本的には米国民事訴訟法上のディスカバリー制度(2006年12月から施行されているE-ディスカバリー規則)の紹介と、日本企業としての対応方法に焦点をあてたものですので、海外子会社のある企業や、海外親会社の日本法人を対象としたものであります。したがいまして、日本の全ての事業会社向けのメール管理ということではありませんが、E-ディスカバリー規則には「善意による電子保存情報紛失に関する制裁条項の適用制限」がありますので、会社の正当な理由によってメールを消去した場合には、民事上、刑事上の制裁を受けない、といったことが規則化されました。こういった規則内容から、企業としては電子保存情報管理規則を速やかに作成して、これを施行することが勧められております。そして、そのひとつの具体例として、企業としてはメールは3ヶ月ごとにサーバーから消去すること・・・といった規則を作り、すみやかにデータ消去をはかるべきことが述べられております。(なお、Eディスカバリー規則に関する内容は、雑誌「ビジネス法務」の10月号より連載されておりますので、詳しくお知りになりたい方はそちらをご参考にされてはいかがでしょうか)

以前「IT統制とメール管理」をエントリーしたときに、知り合いのSEさんにお聞きしたところ、社内メールを長期間にわたって保存するということは「非現実的」とのことで、「もし、本気で数年分の社内メールを(メール内容まで特定できる形で)保存したいのであれば、おそらく何億もの費用を要するでしょう」とのことでありました。記録用テープが大量に必要ですし、どこに何が書いてあるのか(あるいはどんな添付ファイルが存在するのか)、特定するのであればそのための人員も確保しなければならない、ということであります。私自身としては、企業内で発生した不祥事の事実認定の有力な証拠になることや、外部からの捜査等への協力体制としては最低限度、メールの管理は不可欠であって、内部統制報告制度の一貫としても重要なIT統制の一部ではないか・・・とも思ったのでありますが、どうも「費用対効果」といった面からしますと、かなり「非現実的」な考え方だったのかもしれません。

しかし、法律上保存義務が課せられている文書や電子保存情報は別として、一般の事業会社としては「電子保存情報は3ヶ月程度でサーバーから消去する」といった情報管理規定は、米国民事訴訟法対応といった特別の理由でもないかぎりは、ちょっと保存期間としては短すぎるのではないでしょうか。メール自体、内部統制の評価の場面においては「情報と伝達」といった構成要素をなしているものでしょうし、また統制システムの運用状況を内部監査人がチェックしていること自体を「文書化」したものとして、事業年度の期末日までは確保されるべきものでしょうから、最低限度1年間は保存すべきものだと思われます。もちろん、メールの種別を区別して、内部統制システムの評価に関わるものとか、経営者不正の証拠となりうるような情報伝達に関わるものなどを別途保存する、といった運用も考えられるかもしれませんが、その区別自体に多額の費用を要するようにも思いますので、一括してメールを保存しておくほうが現実的ではないでしょうか。会社法上の内部統制システムの構築ということになりますと、経営判断の原則が妥当するところではありますが、取締役や従業員の職務の適正を確保するための体制ということには、その職務の適正を担保するものとして、意思伝達の記録化も重要な要素であろうと思われます。そうであるならば、メール管理に関する一般原則を議論したうえで、個別に除外すべき合理的な理由を検討していくほうが妥当ではないかと思います。(システム監査などに携わっていらっしゃる方へお聞きしたいのでありますが、実際1年分のメールを管理する・・・ということも、やはり多額のシステム費用を要することなのでしょうかね?またお時間のあるときにでも、メールかコメントにてチョロっとお教えいただけますと助かります)

8月 28, 2007 IT統制とメール管理 | | コメント (5) | トラックバック (1)

2007年8月27日 (月)

女子7種競技の果たす役割

自宅近くで開催される世界陸上ということで、昨日(8月26日)のイヴニング・セクションを家族みんなで観戦して参りました。気分だけは夫婦そろって「織田裕二と中井美穂」になれました。(途中からは天覧競技会になりました。)最後の100メートル決勝が終わったのが午後10時25分で、たいへんな警備のなかスタジアムを退場できたのが午後11時10分、いやいや暑い中観戦するほうも厳しい状況でした。

Dscn0702_320

                                                     左の写真は ご存知、100メートル男子決勝で「世界最速」の男になったタイソン・ゲイのウイニングランであります。サービス精神旺盛で、スタジアムをポーズをとりながら一周していました。やっぱり、短距離競技というのは陸上の花形ですよね。満員のスタジアムがスタート前には静まりかえり、終われば拍手喝さいです。朝原選手も準決勝で敗れはしましたが、地元(大阪ガス)でこれだけの応援のなかで走ることができて、気持ちとしては最高だったのではないでしょうか。私的にはイシンバエワ(ロシア)の棒高跳びを楽しみにしていたのですが、跳躍競技というのは「決勝」を観戦しないと期待はずれに終わってしまいますね。(笑)2時間の競技のなかで、わずか5分ほど登場して、決勝標準(4m55)をヒョイっと1回軽く越えて帰ってしまいました。

ところで、あのタイソン・ゲイのウイニングランでさえ、長居スタジアムにはスタンディングオベーションが起こらなかったのですが、唯一、会場全体が立ち上がって拍手喝さいとなったのが女子7種競技のフィナーレでした。

Dscn0697_400 この競技をされていらっしゃった方がおられたら失礼にあたるかもしれませんが、こういった世界大会における7種競技の役割というものは貴重であります。

2日間で7種の競技に24人の参加選手が挑むわけでありますが、特別になにかの種目に秀でた選手が出るわけではありません。しかし注目競技の間に、この競技が粛々と執り行われるために、観衆が観戦するのを飽きさせないのであります。どの種目をやるときにも、参加選手のみなさんがたいへん愛想良くスタンドに反応されます。最終競技となる800メートルが終了すると、ヘロヘロになりながらも、みんなでそれぞれのがんばりを称えあい、最後には写真のように参加24人全員で手をつないでスタジアムを一周します。(中田選手も日の丸を掲げて一周していました)大阪人にも、この女子競技の素晴らしさに感動した人が多かったようで、ごらんのとおり会場は立ち上がって長い間拍手を送っておりました。ヨーロッパでは人気の高い種目だとは聞いておりますが、おそらく世界陸上におけるこの競技の位置づけのようなものは当然参加選手も理解されているでしょうし、はじめて7種競技を目の当たりにした私には、たいへん感動モノのシーンでありました。

なにかの競技に秀でていなくても、「まんべんなくソコソコできる」こと自体が「秀でたこと」であって、注目はされないけれども、自らの立場をわきまえて競技に貢献する、そして最後までライバルと励ましあって、見る人に感動を与える・・・・、うーーん、そういった仕事人になれたらいいですよねぇ。

8月 27, 2007 未完成にひとしいエントリー記事 | | コメント (2) | トラックバック (0)

ブルドック事件と買収防衛策の見直し

スティールパートナーズのブルドックソース株式へのTOBにつきましては、結果的に2%弱の応募があったのみで、結局のところほとんどの株主がTOBに応じないことで幕を閉じたようであります。(もちろん、今後の展開としては再TOBもあり得るわけですが、とりあえず一段落といえそうです)法律雑誌「ビジネス法務10月号」などでも、「ブルドック事件に学ぶ買収防衛策の運用・見直し」なる特集記事が掲載されており、(この特集記事作成時点では未だ最高裁決定が出されていないようでありますが)もうそろそろ有識者の方々の裁判分析や、各社における買収防衛策見直し気運が高まってくる頃ではないでしょうか。私が独立委員会委員を務める某上場企業におきましても、近々、委員が集まって、今後の独立委員会の位置づけや、運用ガイドラインの改訂等協議することが決まりました。

さて、現実問題としては「見直し」が当面の課題かもしれませんが、私はもっと根本的なところで検討すべき問題があるように思えます。あくまでも結果論ではありますが、今回のブルドック事件の場合、TOBの応募状況をみますと、敵対的買収防衛策発動に関する株主総会における議決権行使状況とかなり近接した結果になっているようでありますから、そもそも買収防衛策を発動することにどれほどの意味があったのか?といった疑問が出てきても不思議はないと思います。わざわざ有事に至って買収防衛策を導入して発動することについてどれほどの有用性があったのでしょうか?TOB成立の阻止へ向けた会社側の情報開示や中期事業計画の説明のみで足りたのではないでしょうか?もし、今回の事件におきまして、ブルドック側が買収防衛策を導入していなければ、結論は変わっていたのでしょうか?たしかに「裁判におけるブルドックの完勝」といった結果を見るならば、買収防衛策を発動することいは十分な意味があるように思えます。しかし、どっちみち、ブルドック側がTOBで株式を集められないのであれば、わざわざ導入するまでもなかったんじゃないの?といった素直な意見には合理的な理由があるように思えます。このあたり、法律論というよりも、(敵対的買収者の出現、つまり事前交渉を実質的にはほとんどされなかったTOBの開始というものは、上場企業における一種の危機管理と捉えることができますので)リスクマネジメントとして「買収者出現時の対応方法」としてどう考えるのか、かなり関心の高いところであります。

買収防衛策導入ではなく、「発動すること」を宣言することで、買収者側がTOBの撤回に動くことが十分期待されるような場面であれば、本件のようにいきなりTOBを仕掛けてくる相手方には有効な危機管理手法のように思えます。詳細は不明でありますが、ブルドック側も当初はスティールのTOB撤回への期待というものもあったのではないでしょうか。しかしながら、現実にはTOBの撤回どころか、発動差止の裁判手続き(仮処分申立)に至ったものであり、またTOBの続行にまで至ったわけであります。買収防衛策が発動されたことで、もし買収者側にかなり大きな経済的損失が「合法的に」発生するのであれば、今回の裁判結果も防衛策導入への大きな意味合いを持つのかもしれませんが、株主平等の原則との関係で「買収者の経済的損失の補填を要する」と解釈されるのが一般であるならば、防衛策発動が現実化しても、買収者側として簡単にTOBを撤回してくる可能性は低くなるのではないでしょうか。そう考えますと、やはり高額の補償金を支払うことも含めまして、防衛策導入の意義といったものをもう一度検討するべきではないかと考えております。なお、その検討のなかには、買収防衛策発動にかかる株主総会を実際に開催したことと、TOBの結果との因果関係の検証も当然のことながら含まれるものと思います。

さて、上記はあくまでも「企業のリスク管理」といった観点からの意見であります。そこでは企業固有のリスク評価やその対応策としての合理性を冷静に見つめる作業が必要になるわけでありますが、「そんな悠長なことを言っている場合ではない。敵対的買収の局面はいわば『ケンカ』である。売られたケンカには負けるわけにはいかない」といった、経済的な側面だけでは説明できない要素が意外に大きいのかもしれません。本来ならまずは事前交渉があってしかるべきなのに、いきなりTOBを仕掛けてきた、とか、(先日の読売朝刊にも記載されておりましたように)スティールの代表者が、初めてブルドックの代表者と面談した際に「私はソースはきらいだ」などと言って相手方の冷静さを失わせるほどの挑発的言動に至ったといった場合、もはやリスク管理ということよりも、ケンカの世界に入ってしまったのかもしれません。まさに伝統企業の「威信」をかけての攻防を望む、ということになりますと、どんな手段を使ってでもケンカに勝つためには・・・という考え方になりますので、買収防衛策発動には十分な意味がある・・・といった方向に向かうのかもしれません。

いずれにしましても、スティールがTOBの最終攻防まで臆することなく経営支配権奪取を目指した行動をとり続けたことで、買収者側、企業側双方にとりまして、買収防衛策の運用を見直すための論点が増えたように思います。

8月 27, 2007 ブルドックソースvsスティールP | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年8月25日 (土)

社外監査役と監査役スタッフとの関係(追補)

一昨日、社外監査役と監査役スタッフとの関係についてエントリーをアップしましたが、unknownさんと監査役サポーターさんよりご意見をいただきました。私なりのお返事をまた書かせていただこうかと思っておりましたところ、あまりにもタイミングよく(?)といいますか、8月24日付けにて、日本監査役協会より「監査役監査委員スタッフの現状と意識調査」なる報告書が公表されております。

社外監査役と監査役スタッフとの関係とか、効率的な監査と監査役スタッフの関係など、具体的な論点に触れているものではありませんが、上場企業における監査役制度の現状を「監査役スタッフ」に焦点をあてて検討するにあたり、有益な資料になるかもしれません。とりいそぎ、本日は備忘録程度での記述とさせていただきます。

8月 25, 2007 社外監査役と監査役スタッフとの関係 | | コメント (1) | トラックバック (2)

2007年8月24日 (金)

家族を不幸にする「インサイダー取引」

8月22日付けにて、金融庁から「証券取引法等の一部を改正する法律の施行等に伴う関係ガイドライン(案)」がリリースされており、そのなかに『「財務計算