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2007年10月26日 (金)

迷走するNOVA(倒産手続へ)

Nobausagi001

(26日午前9時半 追記あります)

(ご承知のとおり、26日早朝にNOVA社より会社更生手続き開始の申立および保全管理人選任に関する開示情報がでております。また、深夜4時台には、取締役解任等に関するリリースもあったようです。以下のエントリーは、会社更生法申立前に書かれたものでありますことをご承知おきください)

ここのところ、日経新聞すらまともに読めないほど、諸事情で忙しかったのでありますが、やっと一息ついて「まとめ読み」しておりましたら、やっぱりNOVAの件、ずいぶんとたいへんなことになっているようであります。新株予約権の発行に関する「迷走」が水曜日の日経朝刊なら、木曜日には監査役3名全員が辞任届けを提出、とあります(日経ニュースはこちらこちら。新聞では10月初旬に監査役の皆様が辞任届けを提出した、とありますので、10月9日に決議されました新株予約権発行決議とも関係があるかもしれませんね。そういえばEDINETで開示されております新株予約権発行届出書に添付されておりました取締役会議事録に、監査役3名の記名押印がありませんでしたので、「おかしいなぁ」と思っておりましたが(会社法369条3項、会社法施行規則101条)、すでに取締役会にはどなたも出席されていなかったのかもしれません。なお26日には、監査役不在の件で、緊急取締役会が開催されるようであります。(注 25日の報道ではそのようになっておりましたが、26日時点の報道内容のとおりです)上場企業において、取締役と対立した監査役が全員辞任する、というのはクレイフィッシュ社の件以来ではないでしょうかね。あのときは、大株主の通信会社主導で役員派遣を行って事態が収拾されたわけでありますが、NOVAの場合は70%以上の株式を代表者(グループ)が保有しているわけですから、すこし状況が異なるようであります。(会計監査人も困ってしまうでしょうね)

なお、常勤監査役と社外監査役合計3名全員が辞任届けを提出されたようですが、ご承知のとおり、会社法上は監査役さん方は辞任をしたとしましても、後任の方が決まるまでは監査役としての権利義務を有するわけですので(会社法346条1項)、とりあえず職務は継続する必要があります。本日(25日)、第三者割当てによります新株予約権の払込も完了したようでありますし、また緊急の役員会等も開催されるでしょうから、監査役として出席して、意見を述べる機会もあろうかと思います。ただ、監査役さんの発言によりますと、役員会を招集するよう社長に求めていたにもかかわらず、これを社長さんが無視しておられた、ということですから、もしこれが本当だとしますと、会社法383条2項違反のおそれもありますし、かなりヤバイ状況になっているのかもしれません。(なお、これは私自身の憶測にすぎません。投資行動におきましては、皆様方ご自身の責任においてご判断いただきますよう、お願いいたします)

詳細はまた追って検討することとして、ひとつ気になることがございます。私がオックスHDのMSワラントに関するエントリーは書けても、こっちの新株予約権についてはちょっと書きにくかった理由は、こちらの経営改革委員会がNOVA社には存在するからであります。(6月28日付け経営改革委員会設置のお知らせ)今年春の四季報におきましても、今年こそNOVA社はコンプライアンス体制の改善に尽力をする予定、とありましたので、このお知らせを読みまして、「これはスゴイ体制だなぁ。本腰を入れるんだなぁ」といたく感心をしていた次第であります。(改革委員として名前があがっておられる方の面子がスゴイです・・・・・汗)こういった方々が目を光らせて、NOVAのコンプライアンス体制を支援している、ということであれば、私などが頭をかしげるようなファイナンスであったとしましても、「きっとスキーム自体にはなんら法的な問題が発生しないという自信があるに違いない」(のでは?)と心の隅で考えていたからであります。しかしながら、この「お知らせ」では中間報告書や最終報告書の内容を公表するとあるにもかかわらず、その後リリースされました2つの「改善報告書」を詳細に確認しましても、どこにもそのような報告書が上がってきた形跡がないのであります。さらに、この「お知らせ」によりますと、この経営改革委員会というのは、取締役会もしくは経営トップが委嘱するものではなくて、委員会の公正性を担保するために監査役会が委嘱をするものとされております。ということは、今回、監査役全員が辞任されてしまいますと、監査役会自体が構成できなくなってしまいますので、この経営改革委員会はほとんど「宙ぶらりん」の状態になってしまうわけでありまして、存在自体、曖昧なものになってしまっております。さて、この経営改革委員会は現状どうなっているんでしょうかね?こういった日本を代表する著名な方々の報告書をぜひとも勉強させていただきたいと思っているのでありますが。。。

このメンバーの方々の信頼性からみて、株主のなかには、NOVAがコンプライアンス体制を本気で構築しているものと(私のように)確信している方も多いでしょうし、それが株価維持にも関連しているところが大きいように思えます。しかしながら8月、9月ころに予定されておりました中間報告も最終報告もなされていない、といった状態は、どう考えればよいのでしょうか。少なくとも、今回辞任届けを提出されていらっしゃる監査役の皆様方には、この経営改革委員会を直轄する監査役会の構成メンバーとして、せめてこの委員会の活動状況だけでも、至急株主に対して公開して説明すべきではないでしょうか。これは特別にNOVA社特有の問題ではなく、上場企業における監査役の職責として検討してほしいところであります。

(26日正午追記)全国の教室が一時閉鎖される、とのことで、たいへん深刻な状況でありますので、NOVAを揶揄するような題名を変更させていただきました。

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コメント

ということで、今朝の報道の通りになったわけですが
(結局、社長が雲隠れしたまま(欠席)での解任だったようで)、
こうなるまえにもっと早くなんとかならなかったんでしょうかね。
取締役、監査役の皆さんは最後の最後でようやく仕事をなされました。

はて?経営改革委員会は有名無実の存在だったのでしょうか?
社長が耳を傾けなかったのかもしれませんが。

「法令違反が会社を滅ぼ」した典型的な例となってしまいましたが、
それ以前に質を伴わない薄利多売的拡大路線に無理があったのでしょう。

自尊心と自負心が強すぎると「法律や常識より俺のほうが正しい」と
経営者は思ってしまいがちだということなのですね。

投稿: 機野 | 2007年10月26日 (金) 09時44分

新聞では「取締役会クーデター」とありますが、申立を行っている法律事務所は倒産法に強い事務所ですし、ずいぶんと前から準備しておかないとできないですよね。クーデターではなくて、全部予定どおりじゃないのかなあ・・

投稿: rocoroco | 2007年10月26日 (金) 10時07分

法的に考えるのか、企業の拡大の時に失敗した例と考えるか、とするとどうも拡大時失敗の典型例のような気もします。

なんとなく吉野家に似ているのかな?といった感じですね。

投稿: 酔うぞ | 2007年10月26日 (金) 10時07分

いろいろと明らかにされていくものと思いますが、たしか水曜日の日経の記事ではNOVAが発行したような新株予約権の発行について、JASDACは1年程度で対応措置を見直す・・・みたいなことが書かれていました。今回のことで、もっと早く抜本的な対応が必要なのではないかと思います。こういったファイナンスは情報を開示して「投資家の自己責任」という範囲のものではないと思うんですけど。。。

投稿: toshi | 2007年10月26日 (金) 12時03分

NOVAの監査役の言動は、私にはよく分かりません。もっとも、事実がどこまで伝えられているのかも疑問ですので、やむをえないとは思いますが・・・。

一番、不可解なのは、3人がそろって辞任したことです。監査役の権限には、社長の行為の差し止めを求める権限も備わっているのに、どうしてこの伝家の宝刀を抜かなかったのでしょうか。最後の手段を行使することなく、辞任に走ったということが、腰砕けのイメージを抱いてしまいます。

私が、もし、同じような状況におかれたと仮定して、伝家の宝刀を抜くことなく辞任に走るとしたら、それは身の危険を感じる以外には考えられません。果たして、そういう状況だったのでしょうか(私は、十分、その可能性もあったと同情していますが・・・)。

投稿: 酔狂 | 2007年10月26日 (金) 16時58分

そうですよね、ちょっと報道された内容からだけでは、いまだなんとも辞任劇の真相を推察しかねますよね。私も、現実では辞任という方法を選択するかもしれませんが、このような事例でこそ、監査役さんに取締役への強力な権利行使を期待してしまいます。これ以上想定できないほどのモデルケースのようですので、監査役全員辞任の経過につきまして、ぜひ詳細な内容を知りたいと思います。

投稿: toshi | 2007年10月27日 (土) 02時24分

30万人に600億円、給与の遅配は40億円・・・。すごいですね。
というか、よくここまで辞任しなかったものですね。

監査役というのは、時には、再生手続きの早期に入って、これいじょう事業劣化を食い止めるべきだ、みたいな背中を押す意見具申のようなことは出来ないのでしょうか?
(もっとも具申にとどまる限界のあるお立場だとは思いますが)

いずれにせよ、とても上場企業とはいえない、お粗末さばかりが目に付きます。当社だけではありませんが。

まだ比内鶏の社長の方が潔いというか、なんというか、ですね。

コーポレートガバナンスを正すのが、株主ではなくてお役所というのもさびしい現実を感じます。

投稿: katsu | 2007年10月27日 (土) 11時27分

1.全監査役の「辞任」について

10/26付のリリースによると、「現在の役員の状況」として3名の監査役の名がありますから、この監査役3名はまだ「辞任」(辞任の効力が発生)していないんですね。期限付または条件付での「辞任届」を提出したということなんでしょうね、多分。取締役1名も同様なのでしょう。

この会社は、「補欠監査役」1名を予選していますので、現任者が「辞任」したら、予選補欠者が即就任になる筈ですし、あと2名については、いわゆる「仮監査役」の選任申請を裁判所にしなければいけない訳です。こういう動きがない(公表されない)ということは、上記のとおりと解さざるを得ないでしょう。

それにしても、「全監査役辞任」と聞いて、クレイフィッシュ社の件がすぐ出てくるあたり、さすがに先生のデータベース(抽斗)は充実していますね。(01年の事件かと記憶していますが、私も当時ケーススタディ的に興味深く眺めておりました。)

2.取締役会議事録について

EDINETによると、10/9付の有価証券届出書添付の取締役会議事録は、ご指摘のとおりです(監査役3名は記名のみで押印なし)。ところが、翌10/10 に訂正届出書が提出されており、そこでは、なんと取締役会議事録までもが訂正されております。前日提出の議事録では「出席監査役3名」(記名のみ、押印なし)となっていたものが、翌日提出のものでは「出席監査役1名」(記名押印あり)となっているんです。

「押印なし」の場合、うっかりして押印し忘れた(押印していないバージョンをアップロードしてしまった)、ということもあるかも、と思えなくもないのですが、出席監査役の人数を善意で間違えるということはちょっとあり得ないんじゃないでしょうかね。

ここから疑われるのは、この会社、まともに取締役会なんかやっちゃいないな(現に会議を開いていない)、ということです。外れていたら申し訳ございません。>関係者の皆様

投稿: 監査役サポーター | 2007年10月28日 (日) 00時07分

toshiさま
エントリーへのコメントありがとうございました。
今回の件、相当な総合問題でございます。
申立てが東京ではなく大阪だったというのもいろいろな問題のあんなことやこんなことを考えた上でのことなのではと考え始めております。
とすると今後どんな展開があるのかというのも注目されるところですが・・・。
ちなみにここ1ヶ月ぐらいの株価の動きというのは非常に興味深いものがあったように思います。
また遊びに来させていただきます。

投稿: ろじゃあ | 2007年10月28日 (日) 11時18分

>katsuさん
そちらのブログで、詳細な今後の運営見込みについて読ませていただきました。すでに各地の教室で家賃滞納状況となっているようですので、そもそも教室自体が存続できるのかどうかも怪しいですね。(大手企業が支援することで、家主さんも和解されるかもしれませんが、交渉コスト自体も膨大なものだと思います)新規の受講生が一気に増えないと、経営自体も成り立たないように思います。

>監査役サポーターさん
コメント、ありがとうございます。おっしゃるとおり、取締役会については「?」だと私も思います。ほかの企業法務に詳しい弁護士に聞いてみても同じ意見でした。なお、昨日、本日と日経新聞に、ドタバタの経過が掲載されていましたね。経営改革委員会の先生(実名あり)が、監査役の方に、早急なる対応を求めておられたようですので、最近まで経営改革委員会は活動をされていたみたいですね。

>ろじゃあさん
やはり新株予約権発行はかなり大きな問題を抱えていますね。しかも、ブログでは社長自身が70%ほどの大株主と書きましたが、急遽ほとんどの株を譲渡していたようで、いわゆる新興企業の末路の典型状態になっていたようであります。消費者、労働問題、スポンサー、そして??の世界・・・と、大阪の保全管理人の先生方の仕事はきわめて多忙でしょうね。ご苦労さまです。

投稿: toshi | 2007年10月28日 (日) 22時48分

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