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2008年1月10日 (木)

ビジネス法務の部屋からのインフォメーション

初めてコメントをいただきました法務太郎さんもおっしゃるとおり、連日の東証ルールについての話題でありますが、今度は無議決権株式の上場制度の整備だそうであります。非公開会社については、マザースと同様の審査基準により(株主構成など個別企業の実情に応じて)上場の可否を判断するとのこと。既上場会社についても、無議決権株式を追加上場できる制度を整えていく、とのことであります。一昨日のエントリーで触れました「上場企業への制裁金条項」の問題とか、この議決権種類株式の発行(上場)問題など、昨年3月に公表されました上場制度整備懇談会(東証)によります「上場制度整備懇談会中間報告」のなかで基本的な考え方が表明されておりますので、ご興味のあります方は、そちらをご参照ください。(今後のルール改定の方向性など、少し理解できるかもしれません)ちなみにIPO企業(新規株式公開準備企業)の経営に参加(社外監査役ですが)している関係から申しますと、エクイティファイナンスのあり方は、オーナー経営者が内部統制などまったく関係なしに、グイグイ会社を引っ張ってきて、そのまま大量に株式を保有している場合と、VCの資本参加、経営参加を繰り返しながらガバナンスを充実させて、やっとたどりついてきた場合などでまったく選択肢(利益状況)が異なってきるわけですから、こういった選択肢が増えることにつきましては賛成であります。ただ、社債についても社債権者集会の決議に裁判所の認可が必要だったり、社債権者のために財務上の特約(財務制限条項)の履行を管理する等、(本来、契約関係は存在しないけれども法律で定められた)特別な忠実義務を負っているような社債管理者が規定されているわけですから、こういった社債に近い株式の保有者(モノ言わぬ株主)の立場や利益をどうやって保護していくのか、そのあたりが気になるところであります。

(追記)1月10日、ロースクールの授業で、ちょうどこの「社債管理者」の法律関係について勉強しましたが、なかなかおもしろいです。発行者や社債権者との関係で社債管理者の利害相反状態が生じるケースをいろいろと検討してみると、信託法の考え方に近いものがあります。(追記おわり)

※※※※※※※

さて、当ブログからのインフォメーションをいくつか、させていただきます。まずひとつめは、コンピュータ屋さんや、まるちゃんこと丸山満彦先生も、ご自身のブログで触れていらっしゃいますように、日本内部統制研究学会のHPが公開されておりますので、お知らせいたします。とりわけ、1月21日月曜日に、研究学会発足記念のシンポジウムが開催されます。テーマは「内部統制と企業不正」ということでして、渡辺喜美大臣はじめ、著名な方々の講演、座談会がてんこ盛りですので、お時間がございましたら、上記研究学会のHPよりお申し込みください。ちなみに、私も東京九段会館に参る予定にしております。(シンポジウムの前に理事会が開催されます。)ので、ブログをご覧の皆様で、私がウロウロしているのを発見されましたら、どうかお気軽にお声をかけてやってください(笑)

そしてふたつめですが、すでにニュースでご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、本日、日弁連、大阪弁護士会とも、会長選挙の告示日でして、投票日(2月8日)に向けて選挙戦が開始されました。今年はいずれの選挙もたいへんな盛り上がりです。法曹人口3000人問題は大きなヤマ場を迎えることになりそうです。私自身も日弁選挙、大弁選挙とも、ちょっとですが重い立場にありますので、このブログの更新頻度が1ヶ月ほど、下がることをご了承ください。(なお、1月末には大阪府知事選挙もありますね。)

そして三つめですが、このブログを長きにわたり、盛り上げてくださいました「監査役サポーター」さんでありますが、(最近、お越しにならないので、どうしておられるのか、と思っておりましたところ)、このたびめでたくご栄転されたようでして、監査まわりの職場から旅立たれたようであります。ご登場のころは、「管理人の一人二役ではないか?」とまで噂されましたが、実在の人物でいらっしゃいます(笑)「監査役サポーター」なる名称は返上される、とのことでして、これまでの数々のコメントに感謝いたしますと同時に、今後の監査役サポーターさんのますますのご発展を大阪より祈念いたしております。またお会いできることを楽しみにしております。

1月 10, 2008 未完成にひとしいエントリー記事 |

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コメント

初めてコメントさせていただきます。
シンポジウムに参加させていただきます。

久しぶりに内部統制関係の話を聞きにいけるので、楽しみにしております。

投稿: ど素人 | 2008年1月10日 (木) 10時00分

内部統制研究学会が立ち上がり、議論や実務の進展に寄与するであろうことは非常に喜ばしいことであり、私としても今後、学会の理事に名を連ねられているTOSHI先生や、その他の方々からの情報発信を楽しみにさせて頂きたいと思います。
 しかし、私の偏った視点なのかも知れませんが、八田教授も内部統制の本質は経営管理にあるとおっしゃっており、内部統制のモデルもリスクベースの視点が前提となっているにも関わらず、理事や評議委員のメンバーをみると、どうしても会計、不正という視点に引きずられるのは、非常に不思議なところです。
 錚々たる弁護士の先生方が名を連ねていらっしゃいますので、以前よりはリスク管理やコンプライアンスの議論もされるかと思いますが、内部統制研究学会というからには、もう少し広い視点で役員や評議委員を選出して欲しいものです。その点は非常に残念ですが、立ち上がったばかりの学会でもありますので、今後の運営を期待したいところです。 

 コンプライアンス・オフィサーとして、日々企業の中で経営管理的意味のコンプライアンスや内部統制の実務に携われている方も多数いらっしゃいますが、コンプライアンス・オフィサー認定機構等との連動もありませんし、リスクマネジメント協会等との連係も見受けられません。どこまで実務に根ざした研究がされるのか、私としてはやや懐疑的な部分があるのが正直なところです。
 J-SOXにしろ、公認不正検査士にしろ、ほぼアメリカ理論の焼き直しに近い部分もあり、日本にそのまま当てはまるのか大いに疑問のありますし、今更アメリカではこうだと言われても時期を逸しているかと思いますので、もう少し日本国内で実際に内部統制的職務をやられている方々をメンバーに入れたほうが学会の趣旨に適うと個人的には思っております。
 
 某監査法人が、危機管理広報のセミナーをやるくらいですから、相変わらず、実務抜きの理屈だけでの何でもありの風潮(内部統制、コンプライアンス、危機管理商法)なのかも知れませんが・・・。 

 TOSHI先生も役員のお一人ですので、やや手厳しい内容になりましたが、新年初のコメントでも有りますし、学会のよき創成期でもありますので、今後に大いに期待させて頂きます。

 ちなみに、21日のシンポジウムは非常に楽しみなのですが、出張と重なっておりますので参加できません。ぜひ次の機会にでも参加させていただければと思います。理事としてのTOSHI先生の御活躍を大いに楽しみにしております。次回は是非パネラーや講演の形で、満を持して御登壇願えればと思います。

投稿: コンプロ | 2008年1月10日 (木) 11時08分

コンプロさまの感じられていることは、内部統制、内部監査の実務に
事業法人(企業)で携れておられるかたなら皆さん感じられている
感想だと存じます。かく申す私もそのひとりです。

「ポストJ-SOX」などと表現されたりすると怒りさえ覚えます(笑)。

いま、家が火事で燃え始めてどうやったらこの火が消せるか、
誰なら消せるか、そもそも火なんかついてなかったのに
火をつけたのは消防士じゃないの?そんなこと言ってられないから
とりあえず消せー!消せー!
…と、巷は大混乱のルツボの真っ最中(しかも始まったばかり)なのに、
「さて、燃えにくい住宅を考えましょう」などと会議を始める(笑)。

それとこれとはもちろん話が別ですし、趣旨はたいへんごもっともだと
存じますが、この「現場との乖離」は何なのでしょう?
研究と実務の差、だということでいいんでしょうか。

火なんかついてませんよ、とか、火事の損害費用より消火費用のほうが
遥かに高くつくから放っておいていいですよ、とか、
そういうことを考えて欲しいのですよ、喫緊の問題として。

本来は企業の実務者がメンバーに加わるべきなのでしょうが、
そもそも多くの企業ではそこまでの知見も余裕もありません。

                              .
その辺も含めて、市井の声を何卒おくみ取りいただきたく
先生には失礼の段お詫び申し上げますとともに、
よろしくお願いいたします。

投稿: 機野 | 2008年1月10日 (木) 13時33分

(執務中ですので、短めなコメントで失礼します)

皆様、コメントありがとうございます。
手厳しいご意見ですが、どんどんお受けしますので、ご遠慮なく。
申し上げておりますとおり、特定個人もしくは法人に対する誹謗中傷以外はすべてアップいたしております。
私も財務報告に係る内部統制実務に関わる企業担当者の方とお話する機会が多いので、そういった実務的感覚を少しでも共有できるよう努力してまいります。

投稿: toshi | 2008年1月10日 (木) 13時56分

コンピュータ屋です。

機野さんへ
「「ポストJ-SOX」などと表現されたりすると怒りさえ覚えます(笑)。」
といっている「ポストJSOX」の張本人です。

お怒りはごもっともです。
お許しください。以後気をつけます。(笑)

私も現場人間で、日々家が火事で燃え始めてどうやったらこの火が消せるかを対応しているものです。そうした日々の中ではそんなことはいえませんよね。

こんなことをちょくちょく言っておりますが、
お気づきのときはお叱りをください。

投稿: コンピュータ屋 | 2008年1月10日 (木) 14時42分

評議員の関さんの登録は日本監査役協会会長名ではないんですね(あたりまえか)。誰か監査役協会名で参加される方がいるほうが「監査役」も内部統制にとって重要ですよってのがもっとアピールされる気がするのですが・・・(形式的すぎるんですが)。

投稿: m.n | 2008年1月12日 (土) 01時36分

>M.Nさん

おひさしぶりです。
おそらく関さんのお名前=監査役協会、ということで通ってしまうんでしょうね。あと、評議員の弁護士の方が監査役協会の「内部統制監査基準」制定者のおひとりですから、そちらも監査役協会の代表的存在になるのではないかと思われます。

投稿: toshi | 2008年1月12日 (土) 02時23分

コンピュータ屋さま、たいへん失礼申しました。

お立場、考え方、それぞれあってのことだと存じます。

これからもよろしくお願い申し上げます。

投稿: 機野 | 2008年1月13日 (日) 23時19分

お知らせです。

1月21日のシンポジウムは満員となり、すでに募集を打ち切っているそうです。あの九段会館のホールが満員になるんですかね?ビックリです。

投稿: toshi | 2008年1月18日 (金) 16時09分

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