ICF(アイ・シー・エフ)強制捜査と会計士の逮捕
ICFに強制捜査が入りましたが、梁山泊グループの強制捜査が行われたのが、昨年の2月14日ですので、ちょうど1年ぶりの強制捜査ということなります。
しかし会計士の方も逮捕されてしまったんですね。この方のブログは愛読しておりますが、逮捕の4日前まで、素敵な文体でエントリーを書いておられます。この方の内部統制報告制度に関するエントリーは「簡にして要を得た」ものであり、卓見であります。しかし、ブログも閲覧可能ですし、直前までエントリー更新をされていたということは、ご自身は今回の身柄拘束は予期されておられなかったのでしょうか?私なら(って、とくに心当たりはございませんが)自分の身柄拘束を予期していれば、このブログもエントリー更新どころか、グーグルの巡回ロボットにもひっかからないように、休止してしまうと思います。もし、身柄拘束を予期しつつも、このようにブログを自然体で書けていたとすれば・・・・、スゴイ人だなぁと。。。
大阪府警4課ですよね。(暴対)マネロンの疑いがあり、海外の投資事業組合の実態解明には、どうしても会計士の身柄確保が必要(逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれあり)ということになるのでしょうか。ライブドア強制捜査のときと同様、参考人で事情聴取を受ける、といった考えがあったのかもしれませんが。
でも、この会社は1997年ころに、皆様ご承知のIT関連の著名な会社がお金を出し合って設立したものですよね。IPOによって大もうけをしようと考えていたところで、ITバブルの崩壊の時期と重なってしまって、儲けが飛んでしまったということで、著名な企業は一斉に株を手放し、あっという間にグレー企業(の関連会社)に株を取得されてしまったようです。株式会社を錬金箱といったイメージで捉える企業が多いのであれば、今後も同様の事例は出てくると思いますが、いかがでしょうか。(それとも、こういった企業が今後出現しないよう、主幹事証券会社の役割が重要であることを世間に示すがゆえに、ICFの強制捜査と時を同じくして丸八証券さんも強制捜査を受けることになったのでしょうか)この方が共著でお書きになった「投資事業組合とは何か」の「はしがき」の直前に記されたコラムの内容を思いおこしますと、なんともやりきれない気持ちになってしまいます。
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コメント
ついにって感じですねえ。
なんか例のイベント時の話題はこの話題になってしまうかもしれませんね(苦笑)。
投稿: ろじゃあ | 2008年2月14日 (木) 10時29分
同僚がライブドアの監査に関連して逮捕されたのに、自分は正義の見方ヅラしてそのことをテーマにした本など出版していたからな。同情できん。身から出たさびとしか。
投稿: ventoo | 2008年2月14日 (木) 21時23分
澤村先生や磯崎さん、保田さんなどの著名ブログで、今回の会計士逮捕に関する不明点が論じられており、たいへん興味深いです。また、著名ブログといえば「デジタル紙爆弾」では、逮捕直前の豊臣被疑者の独占インタビューなど、とても詳しく論じられています。
まだ現段階の報道内容では、会計士の方が共同正犯なのか、幇助犯なのかもわからないために、単に企業価値算定をしただけで逮捕されたのか(おそらくそれはないと思います。私の経験からみて)どうか不明でありますので、私はこのエントリーについてはもう少し様子をみておきたいと思います。いずれにせよ、マネロンがらみの事件ですので、金銭の流れについては相当な証拠を警察側がつかんでいるとみておいたほうがよいと思います。
投稿: toshi | 2008年2月15日 (金) 02時01分
大阪府警の情報では、会計士さんは否認をされていないそうですね。
元梁山泊のオーナー氏は、むしろ利用されたのではないですか?ICF自体にたくさんの案件が持ち込まれていたようですから、この第一企画はそのうちにひとつに過ぎないと思いますよ。この会計士さんは、全体のスキームを知りながら算定したのではないですか?いろいろ議論されていますが、議論以前の問題では?
投稿: unknown | 2008年2月18日 (月) 02時37分