「内部統制報告制度に関する11の誤解」金融庁公表(速報版)
本日、内部統制報告制度(いわゆるJ-SOX)施行直前にあたり、金融庁より内部統制報告制度に関する11の誤解が公表されております。
基本的に、これまでの金融庁の見解や、企業会計審議会内部統制部会の方々の個人的な見解と変更はございませんが、「この時期に」改めて金融庁の見解が述べられることについては、「メリハリのある内部統制報告制度」、「費用対効果を考えた内部統制システムの構築」を再確認する意味があろうかと思料いたします。
なお、11の誤解のうち、4番目の誤解についてはご注目いただきたいと思います。(私も2月の講演会でも何度も申し上げたところであります。)中小の上場企業向けの指針が「実施基準」には不足しているものと感じておりますが、「中小企業の実態を踏まえた簡素な仕組み」について、再確認されております。(総合解説内部統制報告制度 117ページ参照)「代替統制」につきましても、その代替しうることの合理性評価の要点は講演で述べさせていただいたとおりですし、(実施基準でも記載されているにもかかわらず、あまり議論の対象となっていなかった)企業外部専門家のモニタリングを利用することにつきましても触れられております。ぜひぜひ、中小の上場企業の担当者の方にとりましては、費用対効果を目指した内部統制報告制度の導入につき、この4月からじっくり検討していただければ・・・と思います。
また、9番目の誤解(プロジェクトチーム等がないと問題か?)につきましては、私の講演ではとりあげておりませんでしたが、「既設部署の活用」や「企業外部専門家の利用」など、これも中小の上場企業にとってはありがたい記述がなされております。私の感覚からしますと、4番目にしても9番目の誤解にしても、「外部専門家を利用すること」については往々「短時間で社内のシステムがわかるはずがない」と批判される向きもございますが、そもそも外部専門家を活用する「勇気」を持っている企業の場合、ガバナンス構築については精力的なところが多いわけでして、外部専門化を活用すること自体、「統制環境」が良好と評価してもいいのではないかと考えております。(すべて・・・とは申しませんが、私のこれまでの経験からの実感であります。とりいそぎ、執務中ですので速報版ということで失礼いたします)
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コメント
もれ聞いたところですが──。
具体的な引用は避けて書きますが、2と7について正に「誤解」に記載の通りに指示された企業がごく最近ありました。
(そんな事だろうさ、と言われそうではありますが)
投稿: 日下 雅貴 | 2008年3月11日 (火) 15時21分
すいません、ご紹介ありがとうございます。
個人的にはものすごく興味深い点があるように思います。
ただ、時期的に今これを読んだとして・・・上場企業の関連するセクションの皆さんはどういう反応をされるのだろうかと・・・。
取引先等からの問い合わせへの対応、ここで書かれて通りの対応で済むところとそう入ってもやはり対応してもらわないといけないところとの線引きの基準とか・・・示した上で今までよりも丁寧な説明をしなければならないといけないとか・・・結構問い合わせ対応とか業務量として大変になるのではないかとか・・・余計な心配をしてしまいました。
あくまで杞憂だと思いますけど。
もう少し自分で読み直して御勉強させていただきたいと思います。
投稿: ろじゃあ | 2008年3月11日 (火) 16時49分
公表以来、何名かの会計士さんよりメールをいただきましたが、みなさん意外と「これはおもしろいかも」「おおいに議論の余地あり」といった印象をお持ちのようです。
けっこうインパクトが強いみたいですね。
投稿: toshi | 2008年3月11日 (火) 17時32分
■経営者のポリシーなしで誤解はなくならない
DMORIです。
これは八田先生が昨年講演していた、「7つの誤解」の改訂版ですね。
長文の説明でなく、一般の社員にも分かりやすい端的なチャート形式は、とてもよいと思います。
過剰反応に陥っている監査法人に対する、金融庁のイライラか、もどかしさか、はたまた怒りが込められている印象を持ちました。
それと、会計士協会とも連係して「J-SOX過剰反応110番」を設置することや、Q&Aの続編を出すことの予告もしているのも、結構なことです。
ただし、金融庁にも直接取材したのですが、相談室をいつ開設するかの具体的な日程までは、まだ決まっていないとのことでした。決まっていないけれども、とりあえず「11の誤解」を出したということのようです。
しかし、いくら相談室を設置しても、過剰反応を生まない最も大切なことは、経営者自身が、財務報告に対する重大な虚偽を生まない内部統制は、ここまでで充分であるとのポリシーをしっかり持って、監査法人と対等に協議する決意がなければ、決して解決できないでしょう。
投稿: DMORI | 2008年3月11日 (火) 17時56分
また、お邪魔いたします。
実際、中小企業の現場担当からすると大変おもしろいものです。まだざっと目をとうしただけですが、私にとって最も目を引いたのが4.の「職務分掌に捉われる部分が減少した」と判断できる部分です。
我々にとって、全社的な統制の人的資源に当たる部分が最も高いハードルになります。この部分を何とかすることができる論拠となるかもしれません。これだけでも、個人的には非常に大きなインパクトです。
これからじっくりと読んでみます。
投稿: tonchan | 2008年3月11日 (火) 18時03分
内部統制部門のマネージャーを努めて居る者です。
今回の「11の誤解」は、なお一層、誤解を深めるものです。
№4では、「(日本の)上場企業は全て中小企業では無い(大企業である)」と言う前提に立っているようです。本当にそうでしょうか?
日本で言う管理部門の人員数につき、海外企業と日本企業を比較された事はあるんでしょうか?(企業の管理能力は特に量の面では彼岸の差です)
№9では「必ずしもプロジェクトチーム。。。不要。」とのこと。
業種業態に因りますが、業態業界を広くお聞きする限り、従来の仕事の延長線上では無理なはずです。小生が実務家の立場で、すべて実施基準を実施するには、専門組織やプロジェクトチームは必要だと考えます。
残念ながら日本企業の多くの場合、外部の専門家の導入は監査の対応になっても、統制の為にはならないと考えます。
一説によると、今、監査法人や金融庁に泣き付いているのは(=過剰反応)、過去、財務諸表監査で伝票等のサンプリングした事の無い監査法人(解散済)との契約企業が多いとの話もあります。
多くの企業は、過去から財務諸表監査でも内部統制な観点からサンプリングや現場ヒアリングなどの本来の監査を受けていますから抵抗感は少ないのですが、一部企業の「過剰反応」に過剰な反応している事は無いのか?その辺も良く考えてみる必要があるのでは無いでしょうか?
投稿: ゆう | 2008年3月11日 (火) 20時32分
皆様、ご意見ありがとうございます。(また、このエントリーへの更なるご意見お待ちしております)
すこし問題の整理をしておきたいのですが、(ご専門の方には釈迦に説法になりますが)内部統制報告制度が始まっても、財務諸表監査における内部統制監査は今後も同様に施行されますよね。(インダイレクトレポーティングとダイレクトレポーティングの同時並行的施行といいますか)
また、今回の公表された「別紙2」をみますと、制度導入後のレビューが予定されていたり、指導中心の対応が予定されておりますので、やはり内部統制報告制度においても、ルールベースよりもプリンシプルベースでの規制が基本にあるのではないでしょうか。評価基準、監査基準が明確化されても、やはりその企業特有の事情が反映されるわけで、たとえば外部専門家を「独立的評価」だけでなく「整備運用」に活用するとしても、それはたとえば有能な内部監査人の育成や経理担当者の育成などにも重点的に活用されればいいと思います。評価の基準を正しく理解できる人を育てたり、改善を提案できる人を育成することなども、正しい方向ではないかと思います。
投稿: toshi | 2008年3月11日 (火) 21時08分
のらねこです。
誤解を読んで思ったことは、実施基準の以下の部分と、実施基準自体が主張している企業への負担軽減についての「バランス感」を説明していると思います。
「(Ⅲ.1)監査(以下「内部統制監査」という。)の目的は、(略)内部統制の有効性の評価結果をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人自らが入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。」
効果的なコントロールを設定して、業務の有効性と効率性も追求したいです。
投稿: のらねこ | 2008年3月11日 (火) 23時02分
DMORIです。
山口先生の「ルールベースよりもプリンシプルベースでの規制が基本にある」のプリンシプルとは、原理原則という意味でよろしいですね。
のらねこさんの「バランス感」、「効果的なコントロールを設定して、業務の有効性と効率性も追求したい」とあわせて、同感です。
個人情報保護法の過剰反応弊害が、施行後1年も経ってからとりざたされて、経産省がガイドラインを改訂したことに比べると、金融庁が4月スタート前にこうした過剰反応防止を打出すのは、とても良いことと思います。
そもそも実施基準では、内部統制によって不正をゼロにするのはもともと不可能だから、アリ1匹通さぬ統制をするのでなく、仕事の利便性やコストを含めて適正なバランスをとればよいことを、明記しています。
内部統制制度の原理原則は、会計ディスクロージャーであり、重大な虚偽会計によって株主や社会を裏切ることを阻止するのがテーマです。
過剰規制によって前向きな人たちの仕事がやりにくくなって、企業の生産性を下げないように、監査法人も経営者もきっちり意思統一を図るべきでしょう。
投稿: DMORI | 2008年3月12日 (水) 09時00分
しかし、実際どこにどういう形に相談窓口が設置されるにせよ、
相談員(?)をやらされるひとはイヤでしょうねえ(笑)。
かなり具体的な相談になると思うのです。
相談者「これこれは重要な欠陥に当たると会計士に言われたのですが、
そうなのでしょうか?」
相談員「外部監査人とよくコミュニケーションをとってください」
相談者「意見が割れて収拾がつかないのです。
どうすればいいでしょう?」
相談員「各企業ごとの具体的なことについては答えられません」
相談者「ふざけるな!こういう時のためにアンタはいるんじゃないのか」
相談員「(…勘弁してくれよ(涙)…)」
投稿: 機野 | 2008年3月12日 (水) 11時58分
2月29日にtoshi先生の講演を受講した者です。(日本経営協会主催のものです。たいへん参考になり、ありがとうございました)
そのときにも、先生が問題提起として述べておられましたが、会計基準の適用ということについては、会社側に裁量権はあるのでしょうか?つまり、経営者評価の基準と一口にいいますが、その基準は経営者に広い裁量権を認めていて、著しく不当な評価(つまり重要な欠陥が明白であるにもかかわらず、それを有効と評価した場合)を行った場合以外には、経営者評価の基準に適合している、とみていいのではないか、と、そういった理解でよろしいのでしょうか?「経営者評価の基準」も「内部統制監査の基準」も、すでに内閣府令によって「法規範」になってしまったわけですから、そのように解釈してもいいのではないかと思いますが。
「経営者評価のための基準は、ひとつのルールしかない」と考えるから、混乱するのであって、私はプリンシプルベースというのは、そういったことではないかと思いながら業務をすすめています。
投稿: よこぜき | 2008年3月12日 (水) 12時40分
「プリンシプルベースでの規制」とは何でしょうか?いわゆる「裁量行政」とは違うのでしょうか。
内部統制の公的な規制はあくまで最低限の(およそ上場企業として求められるレベルの)ルールに基づいて客観的に行われるべきで、それ以上の企業特有の(たとえば企業価値や競争力を向上させるような)内部統制は、各企業の創意工夫と市場による評価に委ねるべきと考えますが、いかがでしょうか。
投稿: 漉餡大福 | 2008年3月13日 (木) 00時38分
監査法人と内部統制の打合せをやっていて最近思うことは、「内部統制とは何のためにあるのだろうか?」ということです。財務報告の信頼性確保というよりは、監査人のためにやっているような気がしてなりません。
「これはリスクではありませんか」「もっと他にコントロールはありませんか」「これはキーコントロールと言えますか」「証跡となるものはありますか」「承認行為だけでなく、さらに上席者のレビューも行なってください」等々うんざりするほどです。
全部言われるとおりにやっていれば、さぞかし、内部統制監査がやりやすく、財務諸表監査上も十分依拠でき、監査人にとっては非常に助かる内部統制のお手本みたいな会社になるでしょう。
でも、内部統制は表彰されてもいいくらい立派でも、統制活動のために営業活動が鈍化したり、販管費の増大により利益率が落ちたりする企業は、財務報告の信頼性が十分確保されているからということで、投資家から見て魅力があるのでしょうか。それは投資家が望んでいることなのでしょうか。
確かに監査人の言うことが間違っているとは思いませんし、全てを否定するつもりもありません。監査人を欺いたりするような企業もあるかもしれません。
ただ、求められているのは、上場企業が故に監査人から見て十分な(完璧な?)内部統制が必要であるという論理ではなく、上場企業が事業を継続、発展させていく中で、各企業の身の丈にあった最適な(最低限必要な)内部統制が構築されていることだと思うのです。
企業の身の丈を考慮せずに、一律に監査人のモノサシでこうであらねばならないという主張がまかり通ってしまい、それに企業も引きずられてしまっていることが、結局誤解につながっているのだと思います。
投稿: 内部統制右往左往 | 2008年3月13日 (木) 01時14分
「11の誤解」に挙がっているような誤解は多くの企業さんでは解決済み、というか誤解なんてしていないように思います(今現在では)。今年に入ってから出版された書籍類では大概触れられている内容です。1年ほど前だったらまた違った反応が見られたかもですが。。
遅きに失したということでしょう。
今あえて公表した背景、いうならば『金融庁の11の懸念』のほうが興味あります。
投稿: 法務課長 | 2008年3月13日 (木) 01時14分
皆様、ご意見ありがとうございます。反響の大きさに驚いております。個別のコメントへの返信はまた後日とさせてください。
「なぜいまごろこんなリリースが」という意見が多いようですが、改正建築基準法の施行に対する国土交通省の二の舞だけは踏みたくない、というのが金融庁のホンネではないでしょうかね?建築業界の倒産件数の増加をみれば、ホントにシャレですまない話になってきましたし。「なんで今頃」という批判が出るのを覚悟での公表だと推測しております。
投稿: toshi | 2008年3月13日 (木) 02時55分
DMORIです。
右往左往さんが書いている、監査法人さんのセリフを見ると、本当に企業の内部統制現場で苦労されている様子が伝わってきます。
八田先生の講演で、場内がどっとウケたセリフをご紹介します。
「内部統制をかじったばかりの監査人が、あれもリスク、これもリスクと言いまくっている。だからリスクが1万個も出てきたなんて話になる。おまえ(監査人)がよっぽどリスクだ」。
いろいろな方のご意見や、金融庁の見解をまとめると、重装備に陥らないための結論は、すでに出ています。
経営者や内部統制担当役員は、監査人にしっかり言う度量を持たなくてはいけません。
「そのリスクは、株主や社会を裏切るような、重大な虚偽記載を発生させるレベルのリスクですか?」
「その統制は、“鶏肉に牛刀”ではありませんか?」
「内部統制をやりすぎて、現場の社員が営業活動をやりにくくなり、業績を下げることのほうが、株主の信頼をよほど裏切ることになりませんか?」。
投稿: DMORI | 2008年3月13日 (木) 08時49分
内部統制右往左往さまの書かれておられることが
最も分かりやすく現実と本質をあらわされていると思います。
過ぎたるは及ばざるが如し
建前論はそろそろ要りません
(そこにこだわるのなら、いっそ廃止論をぶちかますべきなのです。
制度としてハナから破綻してますから。でも悪法もまた法なり。
それ相応に付き合うしかないのです。ただ、制度として無理がある
わけですから建前、「あるべき論」を議論しても永遠にグルグル
廻り続けるだけで何の解決にもならないでしょう)。
現実的に現場々々で混乱、衝突したときに、どう調整するか。
どうやって外部監査人を言いくるめるか。
「全社的な内部統制」なんて、
どうリクツを並べても所詮抽象概念ですから、
最終的には「当社は大丈夫ですっ」と言い切るしかありませんしね。
.
金融庁は公務員の本能としてなんとか責任から逃れようとしてますが
(今回の公表は言うまでもなくアリバイ作りです)
皆さん逃してはなりません。
投稿: 機野 | 2008年3月13日 (木) 09時32分
インゲンと申します。
いつも読ませていただいております。
やっぱり、アリバイ作りですよね。
上から言われたんでしょうね。
日本という国は
こういう法令を作れば役人や監査法人がどういう対応をするのか、こういう規制を作れば日本がどういう方向に向かうことになるのか、を予見することができない、あるいはそういう予見に基づいた選択ができない、そういう国になってしまっているということにあると思います。
結局リーダーを育てる仕掛け・仕組みがなかったですね。
八田先生もそういうことができるリーダーではなかったということで、冗談言っているヒマがあったら、根本的な改正を少しでも早期に行うべく、行動に移していただきたい。
当社でも、とても大会社ではないのに、
内部統制担当者は(大変だ大変だと言いながら)
嬉々として大会社風の本格対応をしています。
(結構、利益が出ていた(過去形)ものですから。)
管理のフロアだけが活気づいており、バカげた風景だと感じております。
「実業ではない(何かを生み出すものではない)」最たる分野と、私は見ますが、若い人の中にはこういう分野を目指す人も出てくるということであろうし、全く、日本の将来はますます暗くなるということだと思います。
投稿: インゲン | 2008年3月13日 (木) 14時38分
この時期にこういうものを発表しても、完全に表面を取り繕っているようにしか思えません。いまさら出されても、財務報告の信頼性確保のための内部統制対応は、多くの上場企業で(これから上場を目指す企業は別として)、既に大部分の制度設計が終わっているのではないでしょうか。
遅きに失するという評価は、まさにそのとおりかと思います。
それにしても、会社法にしろ、金融商品取引法にしろ、最近は立法サイドの方々の出版物や解説、プレスが多数ありますが、何か非常に技巧的な、ある意味、官僚同士のプライド争いみたいな法律が多いように感じてなりません。
立法後にあれやこれやと解説いただけるのはありがたいのですが、こうあるべき論や立法理念に合わないほうが間違っているといわんばかりの対応もどうかと思います。もともと、法解釈といえる部分もあるので、どちらがどうというのは、それこそ企業側が自己責任において判断すべきものだと思います。
金融庁の解釈と監査法人側の言い分と、はたまた裁判所の見解(今後出てくるであろうもの)と、余計に混乱してしまいそうな気がします。
前にもコメントに書きましたが、法律である以上、解釈の違いや解釈の差が出て当然ではありますが、誤解を生むような立法やPRをしておきながら、いざ弊害が出ると、相手方が間違っている、悪いと言っていること自体、国家としての内部統制がどうなっているのかと感じてしまいます。
それこそ会社の方針が末端社員につたわっていない、あるいは間違って伝わっているに等しく、既に内部統制が形骸化、破綻しているといえるのではないでしょうか。
個人情報保護法あたりから、ガイドライン等を乱発するガイドライン行政の色合いが一層強くなり、それが却って過剰反応を生んでいるという失敗を相変わらず続けているように思えてなりません。法律とは別の行政によるガイドラインが企業の実務を支配、左右している状況が果たして健全といえるのでしょうか。
行政の裁量一つで変わってしまう、ガイドラインに多くの企業が振り回されている現状は、非常に憂慮すべきことかと思います。企業の自己責任、事後責任社会へ変容したといわれていますが、財務報告の信頼性確保のための内部統制については、金融庁が実施基準という船団に上場企業を乗せて・・・という、平成版護送船団方式にしか思えないのは、私だけでしょうか。
投稿: コンプライアンス・プロフェショナル | 2008年3月14日 (金) 00時53分
また、実際の担当者の立場からコメントさせていただきます。
担当者とすれば、どのような内容であれそれを対応に生かすのが全てです。その発表の裏を読んだとしても、少なくともそれが自分の現状に何の利益ももたらさないからです。それを前提に読んでいただけると幸いです。
この誤解については現状の対応内容の補強に使っています。
実は3/12に当社の監査法人との打合せがありました。この中では、「当社の現状では誤解の内容をこのようにクリアしているから十分ですよね。」という念押しの材料としては非常に有効でした。中小の監査法人では絶対的な基準を持っているわけではないので、担当者が押し切れるだけの理論武装するための有効な盾になると思います。
この視線で全ての内容を理論補強のために使えるように精査しているのが現状です。担当者としては「監査法人よりも倍勉強する。」、「使えるものは何でも使う。」というのが基本です。悲しい現実ですが。
以上、少し別の視点からのコメントですので、皆さんのような高尚な意見とは異なります。それでも何かの参考になれば幸いです。
投稿: tonchan(saika) | 2008年3月14日 (金) 10時21分