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2008年4月 4日 (金)

株主総会想定悶答(お気楽に)

halcome2005さんから教えていただいて、監査役協会のHPをのぞいてみましたが、「財務報告内部統制報告制度」に関するアンケート調査結果が公表されております。また月刊監査役5月号に掲載される予定とのことでありますが、このアンケート結果をちらっと読ませていただいたところ、問9で「専門の対応組織の統括責任者は誰か」との問いに対して「社長」と回答された企業が全体の25%(新興市場36%、その他22%)もあるようです。

ということは以下のような株主総会想定問答が考えられますね。

「新聞で新しい制度が始まったって聞いたけど、おたくの会社は内部統制報告制度の準備はやってはるん?」

「当社は私を責任者として、一丸となって構築してまいりました。実際の評価は今後になりますが、適正な報告を行い、皆様方に信頼されるような財務諸表を開示すべく尽力してまいりたいと考えております」

「評価は誰がするんかいな?」

「もちろん、経営責任者である私が行う予定であります」

「おたくが責任者で作ったものを、おたくが評価するって、そらあんた、そんなんでまともな評価ができるわけがないですやろ?(会場全体を見渡しながら苦笑)もし評価するんやったら、どうやって公正な評価ができるのか説明してくだはれ」

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コメント

昨年に引き続き会社の総会担当部門から株主総会想定問答集の作成依頼がありましたので、参考にさせて頂きます。

投稿: ゆう | 2008年4月 4日 (金) 15時19分

>ゆうさん
4月2日の日経新聞で退職慰労金支給規程廃止後の企業アンケート結果が掲載されておりましたが、あのあたりもきちんとおさえておくべきではないでしょうかね?

総会担当者の方でも代行さんでも、弁護士でもいいのですが、「総会想定問答のブログ」のようなものがあったら社会資本としていいかもしれませんね。機関投資家の方もコメントいれたりして。

投稿: toshi | 2008年4月 4日 (金) 15時46分

続き──

「いやはや何を言うてはりますのやら──
法律にちゃあんと経営者が責任持って評価せいて書いてありますがな、わての事だっせ経営者っちゅうんは。
まあそらあ、あんさんの言うてはる事も分かりまっせえ、責任者が自分で自分評価してどないすんねんちゅう事ですやろ。
しゃあから、そのモニタリングっちゅうんは社内の専任部署がやりよります。まあ──言うたら、第三者的な視点を「擬制」して、そういう報告書がわてのとこにまわって来よります。

でえ、わての役目はその評価に目え通して、質問して、ほんとのところをようく考えて、どうしようこうしよう言う改善の指示出しよります、指示出したら出したで、それからどうなったんか後々に根掘り葉掘り聞きよります。そらもお、容赦なしだっせ。
せやから、評価っちゅうよりも報告内容を吟味して改善せい、改善を睨んだ評価っちゅう目えを休まず光らしとけ言うんが正味のところでっしゃろなあ。
言うたら何ですねんけどな、法律はここんところが言葉足らずなんとちゃいますやろか。内部統制をまっとうにせいよ言うんがお上の意思でっせ。そう言うわけですねん、評価は改善のための手段ですよって、目え光らせるんが大事なんですわ、分かってくれはりますか?

え、そんなん良い事だけ書いた報告書がまわってきたらどないする?
あんさんも疑り深い方でおますなあ…監査人になれまっせ、いやほんまに。
──そない喜びないな、だいたい今のあんまり褒めてへんから…
せやね、まあ、あり得る話でっしゃろなあ。ところがそうは問屋が卸しまへんねや。職業監査人がその報告書を監査しますよって、ええ加減な事書いとったら、わてがごっつ突っ込まれますわ。そう言う事した報告者にはわてが目一杯突っ込み入れて奥歯ガタガタいわしますわ。

さあ、これでどないだ!?
え、お前にそんな改善が出来んのかいて──
やめさしてもらうわ!」

投稿: 日下 雅貴 | 2008年4月 8日 (火) 14時46分

経営者の内部統制評価報告書は自己評価による報告である。
自己評価であれば、社外者は報告の信頼性に疑義をもつ。
そこで経営者は、報告に対し独立した職業的監査人による監査を受け、信頼性の保証を受ける必要がある。という話ですか。
(エージェンシー理論)

投稿: 通りすがり | 2008年4月 9日 (水) 01時09分

日下さん、通りすがりさん、ご回答ありがとうございます。日下さんのようなコテコテのしゃべり方をする関西人もいまはあまりみかけないと思いますよ(笑)そういえば「くいだおれ」食堂が60年の歴史に幕を閉じる、ということで大阪人にはまたひとつ寂しいニュースです。

この想定悶答に私なりの回答を付すとすれば
「たしかに現時点で評価をする、ということであれば自分で作ったものを自分で評価することになるかもしれません。しかし内部統制は経営活動のプロセスを評価するものであり、1年間の運用状況、また運用次第では整備状況も改善する必要がございます。財務報告の信頼性確保のため、このような運用、改善の状況をも評価の対象とする以上は私自ら統括責任者となり、また評価を行うとしても、なんらご懸念の点はないものと認識しているところでありますので、どうかご理解ほどお願いいたします。」

あたりが無難ではないでしょうか。あんまりむずかしいことを説明しても株主の皆様に理解してもらえないのも困りますし。社長自ら経営改革に邁進するつもりであることを強調してみました。

ガリバー社のように、社長がふたりいれば、「統括責任者はA社長」「評価責任者はB社長」と回答するのもいいかもしれません(笑)

投稿: toshi | 2008年4月 9日 (水) 02時09分

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