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2008年6月15日 (日)

2002年ころの監査法人って・・・(ドラマ「監査法人」)

株主総会の議事運営に関する相談などに対応しているうちに帰宅が深夜になってしまいましたが、なんとかNHKドラマ「監査法人」のビデオ(うちはまだVHSテープを巻き戻すやつです・・(^^; )をいま視聴しました。「厳格監査派」というのは、あの小野寺さん(代表社員)くらいで、ほとんどのジャパン監査法人の代表社員の方々は「ユルユル派」なんでしょうかね?ただ経営コンサルタントさんがコメントされているように、60分のドラマのなかで「見せる」必要からか、かなり誇張されているところもあったように思いました。

このドラマは2002年ころのお話、ということだったと思いますが、地方の被監査会社に着いてすぐに社長とゴルフって・・・・・、ホントに6年前くらいはそんな感じだったんですかね?それに監査スタッフ(会計士補さん)がまったく同行していませんでしたけど、そんなことは普通ないですよね?それと、匿名の告発電話(告発ファックスもあったけど)だけで売上と売掛金に疑問を抱いて、監査計画も立てずにいきなり実査?(マジで?)やっぱりこのドラマをご覧になった一般の方々は、「期待ギャップ」(不正を暴く正義の味方)をますます増幅させてしまうのではないか・・・と少しヒヤヒヤしてしまいました。(そういえば、弁護士モノのドラマの法廷シーンなんかで、「こんなこと、絶対にありえへん」とツッコミを入れたくなるのを想い出しました。ドラマなんで、ウケるところも必要なんでしょうね)

ただ、橋爪功さんや、長門裕之さん、黒沢年男さんなど、錚々たる俳優さん方はやっぱりウマイなぁ・・・ あの粉飾決算を行う北陸建設工業は、けっこうリアルじゃないでしょうか。実際にこのブログでもご紹介したナナボシの事件の判決を読んでおりますと、主査をだますために、あれこれと情報を入手しては、監査法人側の手続を予想しながら騙しきるわけですから、北陸建設工業の粉飾隠しについては、私はけっこう「ありえる」話だと思ってみておりました。また若造の会計士(主人公)に「適正意見は出せない」と言われた社長さんが「こんな監査法人、クビだ!!」と怒鳴った後の(社長を諫める)専務のひとことも妙にリアル感がありました。あと、銀行の関与というものも、おもしろかったですが、このドラマを銀行の方がみたらどう思ったでしょうね?(完全な悪者に映りますよね)しかしよく考えてみると、弁護士と違って、会計士さんには(一般の方がイメージしやすい)「公開の場」というものがなく、すべてが守秘義務に包まれた世界のお話ですから、会計士さんが社長さんに懇願されたり、逆に脅迫に近い恫喝を受けたり、不穏な取引に応じたりと・・・・、いろんなことは実際にはあったんでしょうね。

問題は、このドラマをみて「よし!俺も会計士になろう!」と若い商学部の学生さん方が思うかどうかですね。子供を置いて家を出てしまった奥さんですか・・・・↓(ううっ・・・涙)先日の公認会計士協会近畿会のアンケート結果(監査に携わる会計士の勤務時間)を思い出してしまいました。みなさん、家庭は大切にしましょう。子供に「パパ!今度の日曜、どこに連れてってくれるの?」と聞かれる時間など、あっという間に過ぎ去ってしまいますよ!笑

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コメント

プロの方から見れば、ドラマには誇張があったり、簡略化のために誤解を招く点があったとしても、それは、やはりドラマですから、あまりめくじらをたてなくてもいいかな、と。ドキュメンタリー番組ですらないので、大目に見てもいいんではないか、と思います。
むしろ、誇張等を前提としても、昨今の状況を考えるうえで意義はあるでしょう。公認会計士法の改正の背景となるべき問題状況を、具体的にイメージするうえで、有益だと思います。一番関心をもったのは、金商法193条の3が
インセンティブのねじれの問題、担当パートナーとの癒着、金商法193条の3が必要とされる意味(会社法397条の限界)、監査法人の内部管理態勢、PCAAOBの存在意義。。。
しかし、このドラマで、監査役はどこかで出てくるのだろうか、取締役会は。。。そのあたりに個人的に興味がありますね。

投稿: 辰のお年ご | 2008年6月15日 (日) 14時40分

企業や監査法人どころか監督官庁の名称まで架空という、
見事なほどの腰の引けかたはさすがは日本のドラマですね(笑)。
この辺がアメリカあたりとは違うところで。

やはりどなたかに事実に即した原作(小説)を書いてもらって、
それをドラマ化するという形にすべきでした。
いくら大ベテランの脚本家・矢島正雄氏であっても
理解できない世界は創作できないわけですね。

投稿: 機野 | 2008年6月15日 (日) 23時49分

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