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2008年12月 8日 (月)

三洋電機不正会計(違法配当)事件、株主代表訴訟へ

(9日未明 追記あり)

この土日の読売新聞朝刊の一面記事は、三洋電機社の株主の方々にとってはかなり注目すべき話題が続いていました。日曜日はパナソニックによる子会社化の話題(あれ?つい最近まで、先買権契約はGSと大和SMBCの二者間契約だと報じられていましたけど、三井住友も加えた三者間契約だったと報じられていますね。)でしたが、土曜日はちょっとビックリの株主代表訴訟(賠償提訴請求)に関する記事でありまして、三洋電機社の株主の方が、約278億円の損害賠償訴訟を(旧経営陣に対して)提訴するよう、会社に求めるそうであります。(読売新聞ニュースはこちら。週明けにも提訴請求書を送付する、とのこと)このままいくと、過年度修正に係る不正経理問題について株主代表訴訟が提起されることになりそうです。

株主代理人はダスキン事件の原告株主側におつきになっていた方ですね。ちょうど一年ほど前、当ブログでも何度かエントリー(三洋電機の粉飾決算と会計士の判断ほか)させていただきましたとおり、本不正経理事件につきましては、商法(会社法、金融商品取引法)の大御所の先生が社外調査委員会委員を務めておられ、その委員会報告がかなり経営陣(監査役も含めて)に厳しい報告内容を示しておられますので、今後の旧経営陣に対する賠償提訴の動向がまた関心を集めるところだと思われます。なお、監査役への法的責任追及も視野に入れておられるようですが(あくまでも新聞記事からの推測)、そうなりますと、会社への「役員責任追及の要求」は監査役と代表取締役双方にクロスで書面を通知することになるのでしょうね。この場合、代表取締役側と、監査役側とでは、それぞれ独立して別途、法律事務所のサポートを受けて提訴判断を行う、という段取りになるのでしょうか。また、もし(会社としては)提訴しないとの結論になった場合、株主からの要求があれば「不提訴理由通知書」を送付する必要がありますが、これも代表取締役側、監査役側それぞれ別個に通知書を作成する必要がありそうです。そして、代表取締役側、監査役側それぞれが、一年前の「社外調査委員会報告書」の内容をどのように評価して、どのような結論を下すのでしょうか?旧商法時代の事案ですから、違法配当に関する会社への責任につき、取締役と監査役の責任要件が異なっていたこともありますので、かなり複雑ですね。

ちなみに、監査役の損害賠償責任も認められたダスキン株主代表訴訟では、当初、株主側の提訴請求の手続きに法令違反が認められ、裁判では争点となりましたが、裁判所は「手続上の瑕疵が治癒された」として、結論には影響がないものとされておりました。ちなみに、ダスキン事件の場合もそうですが、こういった事件の場合、原告株主側が提訴対象となる役員を選定することになりますので(ダスキン事件の場合には、不祥事公表を熱心に社長に勧めておられた社外取締役さんが被告からはずれていましたよね)、会社法で初めて採用された「不提訴理由通知書」の記載状況から被告となる取締役、監査役と被告から「はずれる」取締役、監査役が選定される可能性もあるんじゃないでしょうか。そこでは法律では割り切れないようないろんな「人間模様」が浮かび上がってくるような気もいたします。

(お知らせ)コメントを頂戴しておりますが、以前から申し上げているとおり、特定企業(特定人)の違法事実を指摘して批判されるものにつきましては、申し訳ありませんが(管理人の法的責任にも関連するものであり)掲載できませんので、あしからずご了承ください。

(9日;追記)朝日新聞ニュースに提訴請求書が送付された、との報道がなされております。監査役や某ニュースキャスターだった社外取締役の方も提訴請求に含まれているようです。現経営陣は旧経営陣に対する提訴はしない方針をすでに固めているとか。ところで違法配当を問題とするのであれば、会計監査人に対する損害賠償請求はどうなるのでしょうか。

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コメント

toshi先生
こんにちは。お世話になっております。
会計監査人の責任問題ですが、業界内でもテーマとしてよく話されているところであります。連帯責任ですから、非常に怖い。
責任レベルが商法と会社法で異なっていたかと思いますが、商法時代のことですので違法配当については無過失責任だったのかなぁと。
それに加えて、責任追及される監査人が解散法人になりますので、解散後1年経過で責任追及は可能か不可能か。
また、解散時まで社員でいた方と、解散前に退社された社員の方で、責任レベルが異なるのか否かなど。
今回の事案で明確になる部分が多々あるのかなと思って注目しております。

投稿: grande | 2008年12月 9日 (火) 11時57分

GRANDEさん、コメントありがとうございます。最近、このての関西での裁判につきましては利害関係人になってしまう場合がありますので(^^;、コメントへの私見は差し控えさせていただきます(ごめんさない・・・)提訴が予定されている監査役さん方にとっても、例の報告書がある以上は、きびしい闘いが予想されますね。

投稿: toshi | 2008年12月12日 (金) 01時37分

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