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2009年1月15日 (木)

ペイントハウス3億円架空増資、SECが調査

一昨日のエントリーへのコメントで「ロックンロール会計士」さんが、上場企業の退出にからんで役所と証券取引所と公認会計士協会で役割分担とかあるんでしょうかね?との疑問を呈されておられましたが、(実は私もよくわかりませんが)なんとなく、そんなこともあるのかなぁ・・・と思わせるようなニュースもちらほらとあるような気がいたします。

それにしても、なんとなく「なつかしい匂い」のするペイントハウス社の件ですが、産経新聞ニュースによりますと、2005年5月当時(JASDAQ上場時)の増資が架空増資(見せ金増資)ではないか?とのことでSECは「偽計取引」の可能性が高いとみて調査をされているようであります。(毎日新聞ニュースのほうが詳しいようですね)ただ、この本によりますと、NOVAが破たんした2週間後である2007年11月7日付けの読売新聞の報道にて、SESCがペイントハウスのこの架空増資の件で関係数か所を捜索していたことが報じられていたようです。また、2005年7月からSESCがペイント社の有価証券報告書の検査を開始していたことと考え合わせますと(その後、金融庁初の有価証券報告書訂正命令の発出へとつながることになりますが)、ずいぶんと長い間、SESCはペイント社の件を追い続けていたように思われます。資金の流れや法人間の支配関係から「相場変動目的」や偽計取引の故意を客観的に立証することの困難性を改めて感じますね。

ただ、捜査が困難であることだけで、長時間を要した、ということでもないのかもしれません。そういえば、先にご紹介した本にも掲載されておりますが、毎日新聞で名前の挙がっておられる方は、NOVAの件で「仕掛け人」たる地位にあったとか。2006年当時、ペイントハウス社の会計処理に噛みついたのはジャスダックでしたし(その後、上場廃止処分禁止の仮処分騒動が起こったのは3年前のエントリーのとおりでありますが)、その会計処理に適正意見を表明した会計士さんを(年末に)問題視したのは公認会計士協会ですし、その会計士協会は金融庁への懲戒勧告を申し出ておられるようですし、なんとなく、ストーリーが読めてくるような気がしております。一昨日のエントリーでも書かせていただきましたが、上場廃止基準が今年いっぱいは(少なくとも時価総額ベースでは)緩和されるようですし、現時点では退出していただきたい企業をすぐに退出させることはできない環境にあるでしょうから、ともかく「退出していただきたい企業」が増えることだけは「役割分担」をもって阻止しようということではないでしょうか。(しかし3年ほど前のエントリーを読み返しますと、ずいぶんとアホなことやエラそうなこと書いてますね・・・・(^^;ハズカシ・・ 今だと、ちょっと世間の怖さを知ってしまったので、ここまでツッコミ入れることはできないかも・・・)

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