内部通報制度の運用はむずかしい・・・(その2)
ちょうど1年前の2008年3月に内部通報制度の運用はむずかしい・・・として、ある自動車販売会社における内部通報事案をご紹介いたしましたが、本日(2月27日)の読売新聞の一面記事に、東証一部のオリンパス社の内部通報事件が掲載されております。(読売新聞ニュースはこちら)昨年の自動車販売会社の事例とは異なり、こちらは社内のヘルプラインの責任者が幹部社員に対して、通報者が特定できる情報を開示してしまった、という事案のようです。(会社側の反論として「本人からの同意があった」という点では、昨年の自動車販売会社の事例と同じであります)
私も昨年よりも若干、外部通報窓口業務の数が増えまして、現在(グループ企業を合わせて)10社以上の内部通報(外部窓口)業務を継続しておりますが、正直申し上げて「内部通報窓口業務はキレイな仕事ではない」と断言できます。(これは、当事務所にご依頼されている会社様が聞いてもナットクしていただけるはず。ちなみに、私はどこの企業の窓口をやっているか、ということはもちろん秘密。そこの社員さんが口外してしまったらわかっちゃいますけど。)関係者の方にはお伝えしておりますが、昨年12月ころから、退職者もしくは退職間際の方の通報事例が非常に増えました。(ちなみに、ヘルプライン規約では、退職後1年未満の方の通報も受け付けるところが多いと思います。もちろんパート社員の方の通報も受け付けます。)以下、私の最近の経験より・・・
ある会社では、○○運転懲罰規約が制定施行された後の○○運転事案でありましたが、完全に匿名通報で受理し、また社内責任者も匿名で調査したにもかかわらず、すぐに誰が通報したのかは判明してしまいました。そうすると、通報者から私に電話がかかってきて「先生、あれほど匿名でお願いします、と言ったじゃないですか!!『窓口の弁護士が名前を出した』って、みんな噂してますよ!!!どうしてくれるんですか!!!!」
「・・・・・・・・」(呆然・・・)
ある会社では、支店長による○○偽装事件に関する匿名通報、こちらも社内責任者も匿名で社内調査のうえ、事実を把握。その後、社内における事情聴取のため、匿名通報者へ連絡すると
「え!? 私そんなこと言いましたっけ? とりあえず、迷惑なんで、もう電話かけてこんとってくれます?」
「・・・・・・・・」(唖全・・・委員会や忘年会をキャンセルして、年末に走り回ったのはいったいなんのためだったのか?)
もちろん、外部通報窓口は、社内責任者にさえ名前を明かさず、そのうえで事前説明も記録化しており(調査内容によっては、社内の雰囲気によって誰が通報したのか判明してしまう可能性があるが、それでもいいか?)、また、調査結果については有利・不利を問わず、きちんと通報者に説明することを前提としてやっているわけでありますが、こんな感じであります。もっとひどいのになりますと、法律事務所の事務局にひととおり(一方的に)伝えた後、「弁護士さんに同じことを伝えておいて」で電話を切る方もおられ、これでは正式な通報とは言えないものの、放置するわけにもいかず、事後手続に追われるなど、混迷を極める事案が増加中であります。(そういえば、ひとつ終わると、「これ次の案件ね」と合計4つほど通報されてきた方もいらっしゃいました。「いったいこの人は何者やねん」と思いましたが・・・)巷間、ヘルプラインをサービス提供するコンサルティング会社などありますが、いったいどうやって窓口業務を遂行しているのか、果たしてきれいに事務処理ができているのか、本当に聞いてみたいところであります。
皆様、内部通報制度の運用については本当にお気を付けください。私、ちょっと前までは偉そうに「内部通報で社内が変わる!」などと申し上げておりましたが、最近は少し気持ちが変わりました。よくよく考えてみると、私のような個人事務所にニッチなコンプライアンス案件を依頼するような(奇特な)上場企業というのは、実は前から総務や法務にユニークで進取の気性をもった担当者がいらっしゃって、会社の経営者も、そういった(ブログにまで目を通している)担当者の意見を最大限尊重している会社なんですね。だから、そもそもあまりコンプライアンス的に大きな問題が発生しないところが多いようです。だからこそ、大胆にも、毎月一回「内部通報はこの法律事務所へ」などと社内広報もしているわけです。(たしかにそこまで広報しますと、次から次へと通報が届くわけでした・・・)つまり内部通報で社内が変わるのではなく、そもそも社風のいい会社の内部通報窓口をやっているにすぎない・・・というのが、真実なのかもしれません。
しかし、このたびの内部統制報告制度における「全社的内部統制」の整備として、付け焼刃的にヘルプラインを設置したような会社の場合には、今回の新聞事例のように、窓口業務の基本的なところで紛争が発生するリスクが非常に高いと思います。とりあえず、通報手続の失敗のなかから学ぶ必要が絶対にありますよ(^^; そのためには通報手続の集積が必要であります。私の実務経験からするならば、通報者と会社と、どっちの言い分が正しいのかはわかりませんが、こういった紛争に発展すること自体が、ヘルプラインの運用に不備があると言わざるを得ません。社員にとって、どこに窓口があるかもわからず、またどんなことが受付られるのかも周知されていない、といった会社はけっこうあると思いますが、この制度の運用におきましては、会社の言い分と通報者の言い分とが、五分五分の場合、実質的な紛争に至った場合には会社側が全面的に不利な状況に置かれることは留意しておいたほうがよろしいと思います。このたびの報道にもありますように、内部通報制度の運用不備が露呈しますと(「制裁人事」等の労働問題に絡む案件になりますので)「人権救済センター」が即時動き出します。(このあたりも、社会の常識と会社の常識とが乖離しているところかもしれません)通報があれば、ぜひ早めに顧問弁護士さんとご相談されることをお勧めいたします。
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コメント
内部通報にしろ、外部通報にしろ、最初に適切に対応しないと、適切な解決は殆ど不可能になってしまうように思います。と言うのは、通報に対し、最初に関係者や経営サイドの対面を守ろうとして、不適切な対応をしてしまうと、多数の経営サイド関係者が不適切なことに加担したことになります。後で問題を解決しようとすれば、一人の正しい人の名誉を回復するためには、多数の経営サイドの人間を処分しなければならないことになり、経営者は二の足を踏むことになるでしょう。このことが、また解決を遅らせることになるのでしょう。
オリンパスのような立派な会社でも、間違いを犯す社員は居るかも知れませんが、これを適切に是正できる経営者がいないのは残念でなりません。
通報者を英雄にする必要は無いと思いますが、通報者の名誉が完全に回復されることを切に望みます。
また、同社の多くの社員にも、見て見ぬ振りせずに、当該社員を心から支援する勇気をもってほしいものです。
投稿: yoshi | 2009年2月27日 (金) 22時15分
社風そのものが変わらなければ、コンプライアンスも内部統制も
絵に描いた餅だということですよ。
多くの企業での非正社員・派遣社員への正社員の非協力・非連帯的態度
にも如実にあらわれていることと同じであって、
つまり誰もが巻き添えになりたくないのです。
社員の勇気や正義感に依存してはなりませんよ。
それは正義のために犠牲になることを強いているわけですから。
殆どの、フツーに生きてきた、家庭のあるサラリーマンは
そんな危ない橋は渡りません。
もちろんそれも、程度問題であって、人の生き死に関わるようなことに
対しては黙っていられないという良心は持っているわけですが、
これまで少なからずの企業人が行ってきたカルテルや談合等については
そんなリスクを冒してまでも告発したりはしたくないというのが
本音ではないでしょうか。
それを「お前は間違っている」などと非難する権利は誰にもありません。
あくまでもまず経営者が変わらなければなりません。
内部告発がきっかけで会社が劇的によくなるなどと、マンガのような
ことはまずありえないのですから。
それでも、と同時に私は思うのです、
仕事や人間関係や家庭や、時には命さえ失う危険を冒して
正しいことを正しいと主張する勇気あるひとに対しての敬意を
忘れてはならないと。
投稿: 機野 | 2009年3月 1日 (日) 22時40分
DMORIです。
公益通報者保護法を読んだときから、この法律が機能するには数十年かかると思っていました。
匿名を原則としないで、通報者が守られるわけがありません。
オリンパス社だけでなく、外部弁護士ですら経営者に通報者の情報を伝えてしまった事件もありました。
山口先生にはすみませんが、外部弁護士も企業からギャランティを受け取っている関係がある以上、弁護士の100%が本当に体を張ってでも通報者の保護に努めるとは、思えません。
人間は、「誰から報酬をもらっているのか」には弱い面があるものです。
その点では、企業からギャラをもらっていない関係である、報道機関や監督官庁に、信憑性の高い情報を添えて匿名で通報するのが、サラリーマンにとっては最も安全な方法であり、内部通報によって企業のコンプライアンスを高めるためには、最もおすすめします。
投稿: DMORI | 2009年3月 2日 (月) 22時03分
謹慎中ですが少しだけ。
行政は匿名では動かないのが現状です(またそうあるべきと思います。)。匿名で告発したければ相応のメディアがあるし、そもそもネットで自由にできます。それを超えて、匿名通報に役所や会社が右往左往する社会はいかがなものでしょうか。
内部通報制度は存在だけでも驚異的な力を放つと思います。
しかし、内部監査人を通報先とした場合、年間通報はほとんどないのが現状と聞きます(社員の愚痴メールはよくあるそうな)。内部監査人とはいえ社内の誰と繋がっているかわかりませんから、人間の心理からすれば当然の結果だと思います。このように画餅に帰している現状を問題と捉える会社は良い会社です。むしろ、ほどほどの機能で制度だけおいときゃいいという会社は多いです。問題ですが。
制度の存在意義は、外部機関の信頼性にかかっています。
人為的に専門機関等を創設することもありえるでしょうが、どうしても不信というか、うさんくささがぬぐえない気がします。
やはり、なんとも表現できない独特の信頼ある職業、結局弁護士さんにかかっています。私は弁護士の職業倫理に期待します。
投稿: JFK | 2009年3月 3日 (火) 01時05分
日本テレビが偽の?告発者に騙されたという事件もあったばかりですね。
この国では個人という存在が社会的にも精神的にも弱いのからかも
しれません。普段は企業に守られているのがこういう場合は裏目に
出るわけですね。
一歩間違えれば自殺者を更に増やす結果になるだけかも。
投稿: 機野 | 2009年3月 3日 (火) 06時23分
謹啓
はじめまして。
とある企業で法務・内部通報窓口実務を担当している者です。
先生のブログをおりおり拝見し、いろいろ参考にさせていただいておりますが、この度は一言申し述べさせていただきます。
ほかでもありません。『「内部通報窓口業務はキレイな仕事ではない」と断言できます』とのご指摘は、日ごろ尊敬している先生のお言葉とも思えず、甚だ残念でなりません。
確かに私どもの窓口に寄せられる事案の内容の大半は、キレイかキタナイかといえばキレイでなく、ときには個人攻撃や中傷目的に類するものさえあるのが実情です。
が、それに対応する窓口業務の仕事そのものには上下貴賎の別なく、あえて言えばキレイでもなければキタナクもないもの、との信念で日ごろ仕事に取り組んでおります。
私どもの仕事はとかく社員から胡散臭く忌むべきものとのイメージで見られがちで、重要な仕事にもかかわらず後継人材の育成にも何かと障りを感じているのが現状です。
そうしたなかで先生のような見識もあり影響力もある方が、公の場で内部通報窓口業務への予断と偏見を増幅するようなご発言は甚だ残念、迷惑千万、このような軽々のご発言は是非控えていただきますようお願い申し上げる次第です。
頓首
投稿: 松嶋屋 | 2009年3月 3日 (火) 17時15分
このエントリーは思いのほか、たくさんのご意見を頂戴しまして、ありがとうございました。また、松嶋屋さん、気分を害されるようなエントリーになってしまって、申し訳ございませんでした。とくに社内で窓口業務を担当されている方の業務を「キレイでない業務」と指摘するつもりではございませんが、いわゆる世間でのイメージと現実とのギャップや、内部通報リスクというものをご紹介したい、という気持ちからのエントリーであります。(ちょっと言葉使いに不適切な点があったと思います)
また、私自身、内部通報窓口だけでなく、いわゆる不正検査業務を行った経験もありますので、「胡散臭い」目で見られることも了解しておるつもりです。もし予断と偏見を増幅させるようなものだとしたら、むしろそれをキレイごとではなく、もうすこし他の表現で示す必要があるかもしれませんね。
内部通報窓口業務の実際を、ご紹介することのむずかしさを痛感いたしましたが、またこのシリーズは続けていきたいと思いますので、松嶋屋さんのような方のいらっしゃることを念頭において、さらに誠実に研究していきたいと思っております。(ご指摘、ありがとうございました)
投稿: toshi | 2009年3月 3日 (火) 17時41分
ところで「謹慎中」とはどういうことでしょうか?>JFKさん
ぜひぜひ、謹慎などなさらずに(笑)、ご賛同の意見、ご異論、また活発にお寄せくださいませ。このブログはたくさんのご意見がないと、なんとなく「つまらない」気がしませんか?(笑)
投稿: toshi | 2009年3月 3日 (火) 17時54分
私も山口先生と同業者で、内部通報窓口担当を複数しているものです。
先生のおっしゃる気持ちはよくわかります。やはり、この制度の窓口
担当弁護士は非常に舵取りが難しいと実感しています。特に、顧問
弁護士を兼ねているとなおさらです。
私は、匿名を希望する通報者には、かならず、会社に匿名でも事実上
わかってしまうことが多いこと、人事職制上の不利益は受けないだろ
うが、いろいろ事実上の意地悪をされることをとめることは困難であ
るという現実を、言ってしまいます。また、会社の顧問弁護士なので
なにかあれば、会社側に立つという立場であることも必ずいいます。
ということで、通報者に過度な期待を抱かせないようにするのが肝心
と思っています。しばしば、通報者は、弁護士に対して水戸黄門のよ
うに期待してくるので、通報者との間でそのような認識ギャップを
無くすようにしなければならないと気をつけています。
投稿: Rembrandt | 2009年3月 3日 (火) 21時20分
>toshi先生
ありがとうございます。
無責任に意見を言う者としての相応のマナーについて個人的に考え直しておりました。
先生は別段、ここでコメントする方々は職業柄どうしてもバランス思考のフィルタを介した意見になりやすいように見受けられます。それはそれで、穏当でよろしいと思います。私は私なりに、自分の経験から思うこと、自分の頭で考えたことをストレートに表現していきたいと思います。
さて、
先生方のような外部窓口をされている方、松嶋屋さんのように内部窓口をされている方それぞれに色々と難しい問題があるようですね。
個人的には、松嶋屋さんとこのように法務部門が通報窓口を兼ねるということは実際問題どうなのか、非常に興味があります。
私見としては、内部窓口には限界があると考えていますが、私が想定している「内部」は、内部であっても一定程度会社からは一線を画した内部監査部門のような組織です。これが、社内に多くの接点がないと務まらない法務部門となると、通報窓口業務は法務本来の業務に差し障るのではないかと率直に思います。内部に窓口を置く場合、担当者(組織)は特殊視されるのが当然で、だからこそ、実際に誰が担当なのか一般社員にはわからないようにする工夫がいると思います。この点内部監査部門の場合、組織自体が特殊外部的なので問題は少ないと思いますが、法務部門は違います。もっとも、法務部門と一口にいっても経営者と一線を画する部署(純粋なコンプライアンス部)を備えている場合もあり、このような部署に通報窓口を置いておれば内部監査部門のケースと同様でしょうが、単純に法務兼通報窓口となっている場合は上記のような問題が生じ得ると思います。
ぜひ松嶋屋さんの意見が聞きたいところです。
投稿: JFK | 2009年3月 3日 (火) 23時39分
おはようございます。
私は古くからのおつきあいがあるというひいき目をやめたとしても、toshiさんの言葉遣いに不適切なところがあるとは全く思いませんでした。文脈から内部通報制度そのものの否を指摘している訳ではないのははっきりとわかるのに、「キレイ」「キタナい」の言葉尻で不快感を表明されるとは、随分と意地の悪い絡み方であるな、と私は抗議された方のコメントの方をむしろ不快に思いました。全ての個別案件の詳細を書いた上で包括的でない感想を述べる訳にはいかないところで、内部通報制度が(運用者の前向きな意図に関わらず)抱えるリスクについて指摘しようとされておられるのですから、ごく端的に「キレイ」「キタナい」の判断を仮の足場として書かれたとて、一体何の問題がありましょうか。これが内部通報制度自体の是非を言っているように思われる可能性があると感じる、その感じ方の方に、より大きな問題があると思います。もしそう読まれた方が具体的におられてブログなどでそう書いておられるのでしたら、是非ご紹介いただきたい。私も誤解をなくすためにひと肌脱がせていただきたいからです。toshiさんは常日頃制度そのものについてキレイキタナいで二分してとらえておられるわけでは全くないところ、内部通報制度=善と反射的に読みがちな読者に、そうした反射的で無垢な判断こそが皮肉にももたらすリスクについて指摘するために、敢えてこうした刺激的で端的な表現を使われた、と読むべきです。
余計な話ですが、私が内部通報者だったら、この方が運用しておられるとわかれば、私は内部通報をあきらめるな、と思いました。制度の正義の味方ぶりに、不要に陶酔されている、と感じられるからです。内部通報者の、在籍しながら(退職を決めておられない場合ですが、それにしても凄いことです)かつ通常の自分の権限では不可能な改革を、「公」益にてらして、臨時に、止むなく、越権的に、実現しようとしている、そうした極めてナイーブな立場を、丁寧に理解する理解力を欠いておられる可能性がある。大変不安に思うだろうと思うからです。
前になくなった河合隼雄さんが、人の手助けをすることの難しさを指摘しておられたのを思い出します。「俺が助けに来てやった」という華々しい正義の味方など全く「なくもがな」であって、人の手助けをしてあげる人は(なんでそこまで、と思う気持ちをおして)、さらに腰を低くして、これから助けてあげようとしている人が、(私は人に迷惑をかけてまで助けられてしまった)、といった精神的な負担を相手に追わせないように、配慮するところまですべきであって、それができなければ助けるべきでない、と。私もつくづくそう思います。
以上ですが、私の言い方も冗長で素直に聞きづらい言い方かもしれませんで、ならば私も酔っているという批判を免れません。そこは本意ではありませんので念のため予めお詫び申し上げます。
投稿: bun | 2009年3月 4日 (水) 08時53分
初めまして。こちらのブログをいつも拝見させて頂いております。
ブログへのコメントは滅多にすることはないのですが、どうしても一言
申し上げたく、入力させて頂きます。
実は私は監査実務に携わっており、内部通報窓口実務も行なっております
が、本題については山口先生の意見と同感であり、よくぞ言ってくださっ
たという気持ちでいっぱいです。
残念ながら、私にとって松嶋屋さんの意見は、前の方の意見と同じく、
不快であり残念でなりません。
躊躇なさることでコメントがあたり障りのないものになることを心配して
おります。
今後も忌憚のない意見を期待しております。
投稿: greatblue | 2009年3月 6日 (金) 18時32分
toshi先生
先日は当方の無遠慮な書き込みに対し、もったいないお言葉を頂戴し恐縮しております。もろもろの事情でお礼が遅れまして失礼しました。
内部通報の実務を担当する者なら、私を含めこの仕事が綺麗事で済まない事は十分わかっているところと思いますが、それだけに先生のような方にキレイでない、と断定されたことには少なからぬ抵抗感がありました。ただ、書き込みの際の勢いあまってのこととはいえ『迷惑千万…』の表現は言葉が過ぎたと反省しております。お許しください。
ところで読売新聞にまたまたトヨタ自販の外部通報窓口を担当する弁護士のこととして、会社に通報者の実名を通知した件で弁護士会から戒告を受けたとの記事が出ていました。当社でも社内のほかに弁護士事務所に外部窓口を設置しており、他人事とは思えません。
本件に関して、先生のお考えや解説を頂戴できれば幸甚です。今後はご発言にみだりにケチを付けるようなことはいたしませんので(笑)、どうぞよろしくお願いいたします。
JFK様
コメントありがとうございます。
ご指摘の、法務と通報窓口の兼務については、まずマンパワーの上から、当社を含め従業員数百人程度の会社では別々に置くことがなかなか難しいという現実があるかと思います。
実際運用面においても、私のつたない経験では通報者からのヒヤリングをはじめ事実関係の調査等で法務との兼務だからといって、客観性や公平性に特に支障が出るということはなく、むしろ弁護士との連携などにおいてはやりやすい面もあるかと思います。
もちろんマンパワーに余裕があればどうか、そもそも理念としてはどうなのか…、となると実務家としてはなんとも言えないというのが率直なところで、諸先生にご教示いただきたいと存じます。
ただ一つ私に言えることは、この制度がうまく機能するかどうかは、これは企業規模などに関係なく、制度の建てつけより担当者の人(にん)の問題、つまり信頼感に負うところが大きいということです。それと、もちろん制度を重視するというトップの明確な意思が不可欠なことは言うまでもありません。とりあえずはこんなところでご勘弁ください。
投稿: 松嶋屋 | 2009年3月13日 (金) 13時42分