遂にでましたね「内部統制に重要な欠陥」および「意見不表明」
揶揄するつもりは毛頭ございませんが、BB太田昭和さん→「当社の内部統制には重要な欠陥があり、有効とは評価できなかった」 大木さん→「内部統制監査において意見を表明できないと言われた」
本日現在151社の内部統制報告書が出ましたが、太田昭和さんが、重要な欠陥第1号、大木さんが内部統制監査意見不表明第1号ということになりそうですね。とりあえず、冷静に内部統制報告書と株価への影響を研究してみたいと思います。しかし、適時開示ルールによって、監査法人さんの意見不表明に関する文書受領の場合には開示の対象となり、自社で「重要な欠陥あり」と報告する場合には「探さないとわからない」というのも、やっぱりちょっと違和感があるかもしれません。。。(もちろん、BB太田昭和さんのWEBにも、公告されているわけではありません)とりいそぎ、速報版としてアップしておきます。
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コメント
山口先生
大木は、重要な評価手続が実施できなかったとして、評価結果を表明できないとしていますが、決算期日に実施できなかったとしても、提出日までにそのまま評価できないということはどう考えるべきでしょうか。
BBの方は、期末では有効でないとしていながら、提出日までに繰延税金資産の回収可能性について内部統制は有効と付記していますね。こういう是正措置が速やかに講じられる場合、市場は冷静に評価するのかどうか、週明けの動向に関心が高まります。
投稿: 辰のお年ご | 2009年6月20日 (土) 00時30分
BB太田昭和さんはスケープゴートと申しますか
その職種柄「良い『悪い見本』の例」になられた感じですな(笑)。
穿ちすぎかもしれませんが、ある種意図的なものを感じて
なんか嫌な気分です…
投稿: 機野 | 2009年6月21日 (日) 02時06分
大木のようなケースについては、報道(ロイター)も内部統制制度についての認識に混乱が見られますね。
監査法人が意見を表明しないとする記事の次の段落で、「大木の内部統制監査報告書に対する監査意見は、「無制限適正意見」になるという」と書いています。正しくは、内部統制報告書ではなく、財務諸表監査の監査意見が「無限定適正意見」となるということでしょう。
会社の行う内部統制評価と監査人が行う内部統制監査・財務諸表監査の関係について、報道機関でさえ間違えるわけですから、一般の投資家は理解出来るでしょうか?
会社が内部統制評価を完了出来なかった原因は、財務の知識を持った人材の不足のようですが、このような状況は年度当初から明らかなはずですから、早期に対応すべきでしたし、監査法人の指導力が不足していたともいえるのではないでしょうか。
投稿: 迷える会計士 | 2009年6月21日 (日) 17時41分
毎回拝見しております。
迷える会計士様の意見の中で、監査法人の指導力の不足を指摘されていますが、そもそも財務報告に係る内部統制報告制度は会社が自ら自主的に行うべきものであり、監査法人主導で行うものではないので、この指摘は明らかな間違いです。
現在監査に従事している会計士の立場から言わせていただきますと、いくらうるさく指摘しても、内部統制報告制度を軽んじている会社はあるものです。結局のところ会社の業績にはなんらプラスの影響もないのですから。
会社側としては、こんな面倒な制度なんていいかげんに済ませて、最後の最後に監査法人に泣きついて適正意見をもらおうという、非常に浅はかかつ軽薄な考えしかなかったのでしょう。そんな考えの甘さがこの結果なのです。
大半の会社さんは内部統制報告制度を少なからず重要視して、着々と準備をしているのにもかかわらず、このO社の報告書を読むと、事業年度末日後にコンサルさんと契約し、専任チームを立ち上げてと。事業年度末日?ありえませんね、こんな会社。
一方、繰延税金資産の回収可能性について。通常は、決算前に会社と監査法人との打ち合わせによって繰延税金資産の計上の可否は検討済みのはず。にもかかわらずこのような報告書が出ています。
あくまでも個人的な見解ですが、とりわけ繰延税金資産、特に子会社に関しては、回収可能性なんてまったく無視して、一時差異あり、はい、即、税効果といった具合に、繰延税金資産を計上する会社が多いこと。親会社の経理の人手が足りないとかで、子会社まで目が行き届かないことが非常に多いのです。この場合、まず親会社の経理に回収可能性の検討を社内でどのようにしているのかを伝え、親会社の経理が子会社へ伝え・・・としているうちに審査がせまり、短信発表がせまり、・・・、あげくのはてには親会社の経理が、監査法人の監査が遅いなんて言い出す始末です。
いったいぜんたい、財務報告制度をなんだと思っているのかと、上場会社に問いたい。監査法人の監査をてきとーにのりきればいいといった態度の会社が多すぎるのです。
もっと投資者への投資情報を提供しているという立場を考えるべきです。また、株主のみなさんも、配当や株価上昇ばかり狙うのではなく、総会に出席して意見を言う必要があるのではないでしょうか。ただ、平日に総会を集中して開催されては、有給とったりしない限りはなかなか出席できませんね。一投資者の立場としても言わさせていただきました。
投稿: ある監査法人の会計士 | 2009年6月23日 (火) 00時12分
いや、会計士の先生方が身を粉にして働いておられることは
承知しておりますし、実際に殉職したかたもおられるようですから
批判を申し上げるつもりはありません。
ただ、仕方がなかったとはいえ、これだけ現場を振り回して混乱させて
事業法人側に責任を押しつけるような書きぶりには
正直困惑いたします。
そりゃあ酷い会社もあるでしょうが、それは酷い株主がいたり
酷い監査法人があったりするのとおんなじですよね。
投稿: 機野 | 2009年6月24日 (水) 06時14分
監査法人(会計士さん)の指導力不足、会社の自主的な対応、どっちもどっちです。内部統制整備・評価への対応も出来ないような上場企業は、どうかと思います。ちゃんとした財務諸表を作成できる経理屋がいないのであれば、外部委託するとか何とでも対応できたはずであり、上場企業の責任を果たしていないとしか言えないと思います。ちゃんと対応できない企業も悪いけれども、ちゃんと指導できない監査法人(会計士さん)も多いと思います。 ちなみに当社は、法規制対応ではなく、内部統制=業務改善と認識し、5年前から内部統制整備に取り組んでおり、お金がなかったので監査法人などのコンサル(指導)も受けずに我流で対応しました。(担当者はけっこう大変でしたが) それが良かったのかどうかわかりませんが、世間で言われている「2年目以降の対応」も含めて、後から明らかになると思っています。 なお、実際の内部統制監査では、担当している会計士さんも勉強もしていない、指導力のない会計士さんも多くて、監査の実施どころか(そのノウハウを他社の監査で活用するために)監査報酬を払って逆に教えていたように思います。(すみません・・・ちょっと言い過ぎでした)
投稿: KY | 2009年6月24日 (水) 09時29分
KYさまが書かれていることに便乗するわけではありませんが、うちの事務所も会計士の先生方には随分とお教え申し上げたような気がします。どうやら各社からの質問を吸い上げて監査法人のノウハウにされていったようで(笑)。その分の監査フィーは無料にすべきではないかとか、逆にこちら側が貰わねばならないのではないかとか、まああくまでも内輪での笑い話としてですが本音では本当にそう思いましたよ…
投稿: 機野 | 2009年6月24日 (水) 11時28分
いつも勝手にグチらせて頂いている私としましては、
ある監査法人の会計士さんのおっしゃる趣旨はよくわかります。
(ただ「一部の」という留保は必要だと思いますよ。)
内部統制報告制度に限らず、会計や法制度への理解がない
(理解しようとする姿勢がない)経営者は多いですね。
しかし、一部の悪質な経営者は別として、単に無知な方を見下げては
いけないと思います。専門家の方々のように難解な本を読んだり
日常的に勉強できる環境にはないわけですから。
一介の社員としては、そんな経営者を諭す役割を外部の専門家には期待します。
また、目線を下げて、わかりやすい言葉で制度趣旨や対応の必要性を
理解させる姿勢も大事だと思いますよ。もっとも、これらは社員の仕事ですが、
外部の専門家に言われるのが一番効くのです。これを、本分ではない、報酬を
もらってないなどといってやらないのはどうかと思います。
企業も「社会的責任」だの外延の定かでない義務を負わされているのです。
事例を集積してノウハウにしている件、私も同感です。
その点、証券代行さんは報酬度外視ででいろいろ動いてくれて助かります。(開示屋さんも)
投稿: JFK | 2009年6月25日 (木) 00時20分
機野さまのコメント(監査Feeを無料にすべきでないか、逆にこちら側が貰わなければならないのではないか)を見て思い出したので、追記しておきます。 09年度の内部統制監査Feeについては、監査法人からは前年度並みの提示がありましたが、前年度比2~3割減で決着する予定にしています。これは、初年度に比べて監査マニュアルの蓄積により効率化が進み、監査時間が減少するためということもありますが、我々のノウハウ料を回収しないと・・・(笑)
投稿: KY | 2009年6月25日 (木) 09時55分
すいません、管理人としては、なかなか絡みづらいところがありまして、話題に入ることができませんでした。。。(笑)来週あたり、J-SOX本も執筆されておられる現場担当者の方と「1年目の総括」について協議をいたします。ここでの貴重なお話は、そのときの話題にしたいと思います。
投稿: toshi | 2009年6月26日 (金) 14時27分