内部統制報告書の検討(その1-CFOの署名のある報告書)
昨夜(6月16日)の適時開示をご覧になって、「これは当ブログで大きくとりあげないのか?」といったご疑問を抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身、最近いろいろな局面で当事者に近い立場になることがございます。「あれ?先生、最近あの話題にどうして触れないのですか?」と時々メールでご質問をいただくことがございますが、そんなときは、ブログで気軽にとりあげることができない諸事情が発生した・・・とご理解ください(^^;;このあたりが実名ブログの難しいところでして・・・
さて、6月前半までに株主総会を終えた上場会社の内部統制報告書が次々とリリースされております。6月16日付けで提出されたものまで含めますと、現在19社の内部統制報告書がEDNETでご覧になれます。
とりあえず19社すべての内部統制報告書に目を通しましたが、このうちCFO(最高財務責任者)の署名のあるものが2つあります。やはりCFOの署名のあるものは一味違う・・・という印象を持ちました。とりわけ(東京、大阪同時株主総会開催や株主質問Q&Aの招集通知への記載、豪華なお土産などで)個人株主にたいへん人気のあるトラスコ中山社(6月12日株主総会終了)の内部統制報告書でありますが、やはりいいですねぇ。(ちなみに内部統制監査はトーマツさんですね)
業務プロセスにかかる内部統制の評価範囲は、全事業所および全部署を「重要な拠点」としました。
(もちろん、事業内容や「3分の2」の採り方によって、結果として全事業所が「重要な拠点」となる場合もあるとは思いますが)さすが監査役協会において「わが社の取り組み」として、堂々と内部統制を語っていらっしゃる会社は違いますねぇ。実施基準(意見書)に準拠しつつも、まさに攻めの内部統制を実践されていることが理解されます。こういった自己主張といいますか、「こだわり」の見える内部統制報告書が出されると、経営者(トラスコ中山社の場合はCFO)ご自身が積極的に関与されているように感じられます。(いや、本当はどこもそうでないといけないと思うのですが・・・)
いっぽう某会社のように、業務プロセスにおける評価対象となる勘定項目をひとつも例示していないところもありますね。(普通、「売上」「売掛金」「たな卸し資産」などと例示しているところが多いのでありますが・・・)まあ、これもひとつの「こだわり」といいますか「自己主張」なのかもしれません。。。(^^;
これからも、こだわり、自己主張の強い内部統制報告書に出会いましたら、「内部統制報告書の検討」編としてご紹介していきたいと思います。皆様がたも、なにかお気づきの点などございましたらお気軽にコメントをくださいませ。
PS
商事法務のメルマガからの情報入手は定番でありますが、この時期の株主総会情報の入手方法はなんといっても「株主優待ネタ」を紹介されているブログですよね。私のブログでも人気エントリーのひとつになりました「これはすごい株主総会かも・・・」(パトライト社の株主総会)につきましても、株主総会のお土産紹介のブログを覗いたのがきっかけでした。株主優待ファンの方は横のつながりも強いので、辿っていきますと、いろんな総会の様子が情報として入手できます。
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コメント
まあ、こんなことで人気取りをしている余裕はございません(笑)。
「『重要な欠陥』第一号はどこか?」などという
ブラックユーモアにもならない悲しい冗談を言うしかない、
ごく一般的な組織に身を置く身としては、
平成21年度は間違ってもこの狂想曲が繰り返されることがないことを
祈るばかりですよ。
投稿: 機野 | 2009年6月18日 (木) 23時43分
『重要な欠陥』第一号は、ビジネスブレイン太田昭和ですか?
投稿: hyokkori_euph | 2009年6月19日 (金) 17時36分
重要な欠陥第一号、出ちゃいましたね。。。
投稿: toshi | 2009年6月19日 (金) 23時40分