内部統制報告書の検討(その6-西松建設社のケース)
本日(6月29日)も、朝から18社(午後7時現在:東邦グローバルアソシエイツ、日本アンテナ、光ハイツ・ヴェラス、幻冬舎、戸田工業、加藤製作所、インスパイアー、ジェイオー・グループHD、御園座、ウィルソン・ラーニング・ワールドワイド、ブックオフコーポレーション、エーアンドエー・マテリアル、平賀、ユニバーサルソリューションシステム、トラベラー、オープンインターフェース、バーテックスリンク等)ほどの「重要な欠陥あり」とする内部統制報告書が提出されております。また、フタバ産業、ゴンゾ、アルゼの3社において、内部統制監査における「意見不表明」がリリースされておりますので、合計21社について有効性に問題がある、とされる内部統制報告内容となっております。今年1月18日のエントリー(西松建設の内部統制に「重要な欠陥」は認められるか?)でも触れておりました西松建設社(東証)より内部統制報告書が提出されました。結果は、やはり「重要な欠陥があるため、内部統制は有効とは認められない」というものであります。
全社的統制の不備を重要な欠陥であると認識し、評価日までになんとか是正しようと努めてきたが間に合わなかった、評価日以降も是正に向けて尽力しています・・・という内容のものであります。経営トップの裏金作り・・・という企業コンプライアンス上看過しえない問題が「財務報告に係る内部統制」の有効性に影響を与える、とする判断について、今後の参考になるものと思われます。
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コメント
今日の日経ビジネスオンラインで、高橋篤史氏が「J-SOX法、「重要な欠陥」の重要度は?」という記事を書いてますね。
記事の中で、一部報道で混同がみられると指摘していますが、自身の記事でも「重要な欠陥」が明らかにされた会社として、大木や石垣食品もあげられています。
また、「「重要な欠陥」が認められても、監査で適正意見が出ないわけではない」と書いていますが、「重要な欠陥」について会社と監査人の間で協議されているはずですから、内部統制監査では適正意見が表明されるのが通常でしょう。
資本市場に詳しいライターでも、混乱するんですかね。
マスコミは、投資家に正確な情報を提供する役割を担っているわけですから、適正な財務報告のための重要なパートといえます。内部統制報告、内部統制監査、財務諸表監査について十分に理解した上で、正確に報道してもらいたいと思います。
投稿: 迷える会計士 | 2009年6月29日 (月) 20時36分