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2009年6月18日 (木)

日本監査研究学会(西日本支部)「監査現場の課題と再生」

経済産業省・企業統治研究会の「企業統治研究会報告書」が本日リリースされております。(各委員からの意見なども、かなり詳細に資料として添付されております)研究会資料として公表されておりました「報告書案」と若干内容が変わっておりますね。17日の日経朝刊では「親会社やメインバンクから派遣された役員は独立役員としては認めない」と報道されておりますが、私が報告書を読ませていただいた限りでは、とりあえず一般投資家、株主に十分に説明を尽くせば「社外役員」としての親会社、メインバンク出身者でもオッケー・・・と理解したのですが、どうなんでしょうか?(そのために、社外役員の独立性と実効性とがトレードオフの関係にあることの説明がなされているように思うのですが)むしろ問題は当該企業から報酬を得ているコンサルタントなどが明確に独立性要件にひっかかる(ガバナンス上問題を惹起する蓋然性が高い)としている点をどう評価するか、ということではないでしょうか。たとえば顧問の法律事務所出身の方が社外役員として就任する、といった状況ですね。このあたりは、(昭和59年の日弁連決議、昭和61年の最高裁判決にもかかわらず)証券取引所の自主ルールの改訂によって今後規制が盛り込まれる可能性がありそうですね。

さて、本題でありますが、最近仕事などでご一緒させていただく会計士の方や会計学者の方から「山口先生、監査学会で報告されるんですって?どっからそんな声がかかるんですか?」などと聞かれるたびにプレッシャーを強く感じるようになりました。(もっと気軽な会合かと思っていました・・・)

7月4日の土曜日に日本監査研究学会の西日本部会が開催される、ということで、私も基調報告とシンポジウムに参加する予定でありまして、本日その打ち合わせが本町の監査法人事務所で行われました。ちなみに、私は「会計不正に関する判決と課題」ということで特別報告者だそうであります。(本来は学会の会員でないと報告できないのでありますが、私は会員ではございませんので。しかしいつお目にかかっても佐伯先生は元気なオッサンやなぁ・・・(^^; )基調報告では、多少会計士の方々には辛口なことを申し上げることになるかもしれませんが、これからの司法制度と会計制度との融合的な発展・・・ということを祈念する立場から発言させていただく趣旨でありますので、どうかご容赦ください。

今日の打ち合わせの内容からしますと、シンポジウムはなかなかおもしろそうであります。私は部外者なもので、本当に素朴な質問をいくつかさせていただきましたが、これまで会計士さんの世界では、あまり議論されていなかった問題(不都合な真実?)が結構存在することがわかりました。学会の品位を汚すような言動だけはいたしませんが、会計士業界の外から見た興味ある課題、たとえば会計士の処分問題とか、監査調書と「裁判の証拠価値性」の問題とか、会計監査人・経理担当者間の「協議(指導?)」とベターレギュレーションとの関係など、監査現場で頑張っておられる会計士さん方にとって重大と思われる課題について、いろいろと意見を述べてみたいと考えております。また、部外者であるがゆえに発言が許されるのかもしれませんが、監督官庁による懲戒処分と会計士協会における処分との関係(行政手続法との関連で)などにつきましても、「問題提起」として、一言意見を述べさせていただく予定にしております。いずれにしましても、私自身にもたいへん貴重な勉強の機会でありますので、(アウェーの気分ではありますが)当日を楽しみにしております。

また、監査研究学会の会員以外の方も参加可能ですので、土曜日ではございますが、ご興味のある方は本町のあずさ監査法人事務所までお越しくださいませ。

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