上場会社取締役・監査役必読!(フタバ産業・社外委員会報告書)
(7月29日午前 追記あり)
先日、「第三者委員会VS金融庁なる構図」というエントリーを書きましたが、そこでの議論がふっとんでしまうほどの報告書を目にしました。フタバ産業社の不正会計事件につきまして、責任追及委員会が報告書を提出し、同社のwebページにて公開されております。
例のシャルレの社外第三者委員会報告書を拝読したときと同じほどの感動を覚えました。(ただし結論への賛否は別として、でありますが・・・)会計不正に係る内部統制構築義務違反の有無を論じる前提となる事実の認定、そして法的判断・・・。もちろんこの委員会の結論については賛否さまざまだと思いますが、おそらく旧経営陣は、この報告書によって多額の損害賠償請求訴訟を提起されることとなるかもしれません。上場企業の役員(取締役および監査役)の皆様、また法務、経理、総務スタッフの皆様方も是非本答申をご一読いただき、会計不正を防止するための内部統制構築義務とはどのようなものか、それぞれの会社でご議論されてはいかがでしょうか。つい先日出されました日本システム技術最高裁判決なども参考にしながら、また内部統制報告制度の実務の検証などとも関連させながら、検討してみると有益かもしれません。(とりいそぎ、備忘録程度にて失礼します)
PS 本日(7月28日)金融庁よりフタバ産業社に対して1800万円余りの課徴金納付命令が発令されましたが、こうやって課徴金の金額を眺めてみると、東証の上場制度違約金1000万円が大きな数字に見えてきました。(課徴金算定には違約金制度はなんら考慮されないのですね)
(7月29日 追記)朝日新聞ニュースで知りましたが、カブドットコム証券の社外調査委員会の報告書もインサイダー取引防止体制の構築・・という意味で、なかなかスゴイです。まだ全部を読む時間がありませんので、内容についてはコメントできませんが・・・
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コメント
ざっと読みましたが、ここまでの保証・融資ができてしまう上場会社が
あったのかと思うと怖いところですが、もしかするとこれくらいのことができてしまう上場会社が少なくなかったらどうしよう、という感想も持ちました。
ところで、取締役の「善管注意義務」ですが、こうした事件の背景には、取締役が会社財産が投資家からの預かりものであることを忘れているのではないでしょうか。今回のような融資、保証等も、自分ではできないけれど会社にさせてしまう(債権者が呑むかどうかともかく、不履行が怖くて取締役としては保証できない案件だったのではないでしょうか。)
ような行動パターンであり、こうした行動には、善管注意義務への理解が不十分な気がします。
もし、フタバ産業の元役員が損害賠償を受けることになるとしたら、その元役員が何らの利益を得ていなければ(利益を得ていたらそれはそれで問題でしょうが。)、全くの「損」であり、なぜ保証等に走ってしまったのか、理解に苦しみます。
投稿: Kazu | 2009年7月29日 (水) 15時11分
ある方からコメントをいただき、非公開にしてくれ、との依頼がありましたが、私のミスにより「公開設定」にしておりました。
たいへんご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。
ミスの原因
本日、当ブログのエントリーが記事として掲載されたことにより、多数のコメントをいただきましたが、かなり問題のあるコメントが多く、そちらのチェックに時間を要し、常連さん方のコメントにつきましては、つい安心してしまい「内容をきちんと確認せず」に公開設定をしてしまいました。
これからはこのようなことがないよう十分気をつけます。
投稿: toshi | 2009年7月30日 (木) 18時28分