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2009年7月28日 (火)

東証・上場制度整備要綱に対するパブコメ回答集

昨日のエントリーの続きのようになりますが、本日(7月27日)東京証券取引所WEBページにて東証2008上場整備要綱に対するパブリック・コメントおよび回答集がリリースされております。今年から意見を述べた企業や団体の固有名をきちんと公表することになったのですね。(ただし個人名は公表されておりませんが)どこの会社(団体)が、どういった質問や意見を提出したのか、はっきりとわかるようになりましたが、経団連さんのご意見やご質問内容とそれに対する東証さんのご回答を読みますと、昨日のエントリーのような疑問も、やはり素朴に湧いてくるのは私だけではない・・・と思いました。(それにしても経団連さんの最後のご意見はなかなかスゴイなぁ・・・(^^;;  )

ところで、不適切な第三者割当増資がなされるおそれがある場合、改訂される予定の企業行動規範では、当該企業の監査役さんは、自社の増資が不適切でないことを意見書において開示することが要求されるのでしょうか?(どうもそう読めるのでありますが)このあたりは日本監査役協会「コーポレート・ガバナンスに関する有識者懇談会報告書」においても、大規模第三者割当増資における監査役の意見表明としてとりあげられていたところであります。そうだとしますと、またまた「監査役の有事対応」のひとつとして第三者割当増資を行う際の適法性判断(およびその開示)という新たな対応が要求されることになりそうです。監査役制度はあくまでも会社法上の制度でありますが、「上場企業における監査役」ということになりますと、「情報開示」という取締役の重要な職務執行の監視を通じて、東証の自主ルールを遵守すべき立場となりうる、ということなんでしょうね。(本日は備忘録のみにて失礼いたします)

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コメント

 大規模第三者割当が注目を浴びている中、名証上場会社で、株式の第三者割当で、65.34%、新株予約権の第三者割当を合算すると98.63%の希釈化(つまり、発行済株式とほぼ同数の株式が特定の第三者に割り当てられるということです。)という第三者割当増資が公表されています。
 名証では、東証のような上場規程改正が見あたらなかったのですが、名証がどんな対応をしたのか、ちょっと気になります。
 従前の開示よりは丁寧でしたが・・・・。

投稿: Kazu | 2009年8月27日 (木) 16時39分

KAZUさん、ご教示ありがとうございました。その事例はまったく存じ上げませんでした。今日発売の「日経ヴェリタス」では日航の第三者割当増資が再び問題化している、といった記事も掲載されておりましたが、グレーゾーンと思われるような事例は結構ありますね。(ちなみに名証はまだ規則改定はされていないのではないでしょうかね?)

投稿: toshi | 2009年8月31日 (月) 02時32分

 名古屋証券取引所のHPには、7月13日付の定款変更の告知(株主名簿管理人に関する事項)という、上場関連規程とは無関係の改正が最新でした。
 多分、規則改正は対応していないと思います。

投稿: Kazu | 2009年9月 1日 (火) 14時26分

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