実に楽しかった日韓弁護士協議会(in札幌)
9月11日、12日に札幌プリンスホテルにて開催された第31回日韓弁護士協議会に参加してまいりました。昨年は「独禁法の域外適用」に関する共同研究がメインテーマだったそうでありますが、今年は「企業におけるセクハラ・パワハラ」がテーマということで、(なぜかよくわからないのですが)私が「企業側からみたセクハラ・パワハラ防止体制」についての基調講演をさせていただきました。もうひとりの日本側からの講演者は労働者側代理人として多くの事件に関与していらっしゃる東京の山下敏雅弁護士であります。(お会いして初めて知りましたが、パワハラ裁判の代表的事件である2007年の日研化学事件の原告団長だったそうですね。山下先生は、冒頭からいきなり流ちょうなハングルで話し始めたのでビックリ!韓国側弁護士のみなさん、大きな拍手・・・・あんた、どこで勉強したん??)
韓国側はハナ大投証券遵法支援室の社内弁護士でいらっしゃる方で、私のレジメと比較いたしますと、あまりに中身が濃いので、これまたビックリ!(^^; ともかく、私は彼女のレジメのどこを読んでいるのかがリアルタイムではわからず、進行状況がわからぬまま、和訳文を必死で読んでおりました。(笑)ただ、日本も韓国も、セクハラやパワハラ(韓国では「パワハラ」なる用語は一般的ではございませんが)に関する裁判所の判断基準には違いがないことに安心いたしましたが、その判断基準の依って立つ基盤、つまり「社会における男女の役割」とか「会社と労働者との意識の違い」などが大きく異なるために、裁判の結論に大きな差があることは初めて知りました。いずれにしましても、私のスピーチは本来、アドリブが勝負・・・というところでありますが、そのアドリブが翻訳によってどのように韓国側に伝えられているのか・・・がとても不安でありまして(笑)、ホームであるにもかかわらず、かなりアウェーな気分に浸っておりました。ただ、参加されていらっしゃる韓国側弁護士の方の多くが、ソウルの大きな法律事務所で、おもに現地の日本法人を担当されていらっしゃる方だったので、日本語に相当堪能であることに救われたような気もします。
シンポジウムもなんとかこなし、やっとレセプション・・・。これが実に楽しかった。韓国における裁判員裁判の実情(韓国は昨年から裁判員制度を導入しています)、兵役の関係で、裁判官か検事として任官した新人法曹のその後の人生、子供の強烈な受験戦争と弁護士としての仕事、その他法曹の私生活などなど、ビックリするような話がてんこもりでありました。たしかに参加されている方はハングルが話せる日本弁護士、日本語が話せる韓国弁護士が多いのでありますが、臆面もなくカタコトすら話せないで参加している私でも十分楽しめます。これは絶対参加する価値ありです。来年は済州島で開催されますが、もし時間とお金に余裕がありましたら(?)ぜひまた出席させていただきたいと思います。最後になりましたが、私の拙いレジメを翻訳していただいた愛知県弁護士会のS先生、またコテコテの関西弁をもろともせずに、通訳をしていただいたソウル弁護士会のB弁護士に厚くお礼申しあげます。m(__)m ありがとうございました。(明日13日、帰阪の予定であります)
| 固定リンク
コメント