「ビジネス法務の部屋を巡る諸問題」(セミナー)のお知らせ
さて本日はお知らせでございます。大阪弁護士協同組合と第一法規さんの共催により、書籍「ビジネス法務の部屋」の出版記念セミナー「ビジネス法務の部屋を巡る諸問題」が来る1月26日大阪ヒルトンプラザで開催されます。(第一法規さんのご案内はこちらです。)たいへんありがたいことに、もうすでにお申込みされた方が定員を超えておりまして、厚く御礼申し上げます。m(__)mただ、会場を一杯に使いますと、収容人数に余裕はあるそうですので、もしセミナーのテーマにご興味がございましたら、これからでもお申込みいただき、ぜひお越しいただければ幸いでございます。(企業担当者の方でも、法律や会計のご専門の方でも、どなたでも大歓迎です)
セミナーは第Ⅰ部が「2年目の内部統制報告制度の運用と法律的課題」ということで、たとえば私が現在、日弁連法務財団の内部統制研究会や、日本取締役協会の内部統制研究WGにて検討しております法的課題などを中心としてご報告申し上げることや、過年度決算訂正と関係者の法的責任論(本日も日本ビクター社の半期報告書が提出できない事態が報じられておりますが)の解説、そして日本システム技術最高裁判決や公認会計士の法的責任が認められたライブドア損害賠償事件判決、そして大原町農協最高裁判決などをテーマとしてあらためて会社法上の内部統制との関係などについても、会社実務に沿った形でご報告させていただく予定であります。
また第Ⅱ部は、私の本業に近いテーマ、内部告発・内部通報と企業の適切な対応についてご報告させていただきます。来年見直し予定となっております公益通報者保護法における公益通報との関係や、内部通報「踏みつぶし」リスク、内部通報が社内・社外に届いた際の有事対応(公表、懲戒、再発防止策等)を中心にご報告させていただきます。こちらは本業に近いところのお話なので、どちらかといいますと実務経験に基づくところのお話が多くなるものと思います。労働者派遣法改正に関する話題がこのところ新聞報道でも目立って多くなりましたが、みなさまご承知のとおり、内部通報はその80%程度が労務関連であります。今後「派遣か、請負か」といった問題が企業側においても重大な関心事になるものと思いますし、内部通報や公益通報に対する企業側の対応が、その社会的信用にこれまで以上に影響を及ぼすものとなります。法律実務家の方々にも参考となるお話かと思います。
本当はもうひとつ、当ブログでも過去に何度もエントリーをアップしております「行政法専門弁護士待望論」についてもご報告申し上げたかったのでありますが、これだけでもたぶん多くの時間を要しますので、また別の機会にと考えております。このテーマは意外と企業法務との関係で論じられるセミナーはないようですね。きっと企業法務担当者の方々には有益なお話になると思いますよ。(^^) この元旦より施行されました改正著作権法の問題(違法ダウンロードに処罰規定がないからといって安心していませんか?実はその裏にはいろんな意味が隠されているのでは?風俗等、警察行政と共通した問題が潜んでいるのでしょうね。)といったお話や、先日BLOGOSでアクセスランキング最高5位にまでなったエントリー「しまむらVS加茂市」でみられるように、行政の政策法務によって特定企業が合法的に?狙い撃ちされるお話、最近いよいよビックカメラの粉飾問題で動き出した金融庁課徴金処分への不服申立て、消費者庁移管業務に関する実務、そしてなんといいましても改正独禁法における新しい争訟制度など、「闘う企業コンプライアンス」のためには、行政法に精通した法律実務の在り方が問われる時代になることは必至であります。なんといいましても、相手は許認可権を持つ行政庁やこれに準ずる公共団体でありますので、企業の存続のため、ときには素直に頭を下げ、しかしときには企業コンプライアンスのために闘うことも必要であります。そのあたりのバランス感覚がどうしても行政と対峙する企業には必要なのかなぁと最近よく考えております。これまでも租税法関連では行政と対峙されていらっしゃる行政法専門弁護士の方々はいらっしゃいますが、企業コンプライアンスとの関連で対峙できる専門家・・・という方は、まだまだ東京でも少ないのではないでしょうか。私はこれ以上に手を広げることはしんどくなってきましたので(笑)、ぜひぜひ若手の先生方で、こういった分野に積極的に踏み込んでいかれるのを期待しております。
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