日本VSカメルーン戦に匹敵する注目度!:監査法人VS第三者委員会!
すいません、長いタイトルの割には内容が薄いエントリーであります。(多忙のため、ダイジェスト版で失礼します)
「はやぶさのカプセル帰還」「カメルーン戦勝利」と、ひさしぶりに日本中にうれしい話題が飛び交っておりますが、ディスクロージャーの世界では、またまたスゴイ開示情報が出ております。日本風力開発社(マザーズ)の「会計監査人の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ」うーーーん、これまたスゴイ。。。
追記;6月15日早朝に当社の他のリリースなどを読みますと、やはり当社固有の事情もあったようですね。(追記おわり)
先日のTL社の事例につづき、またまた監査役会(正確には監査役全員の同意)により、会計監査人を解任するという事態が発生しております。そして今度は日本で最も大きな監査法人さんが解任された、とのこと。ちなみに会社法340条1項(監査法人の職務懈怠)による解任だそうであります。いっぽうの大手監査法人さんは、解任に関する意見開示を現在準備中とのこと。また、今回の解任劇に直接関わっておられるわけではありませんが、6月30日の株主総会で新たに就任予定の監査役さんは、司法試験合格者を多数輩出している名門ロースクールの会社法の大先生でいらっしゃいますね。。。(当然、今回の監査法人解任劇を熟知しての監査役就任ということだと思いますし、なんだか会社側の意気込みのようなものを感じます。)
大手監査法人さんが懸念されている事項について、「懸念するほどのことではない」といった独立第三者委員会報告(意見)が提出されたにもかかわらず、当該監査法人さんは懸念が払しょくされないとして、意見表明に難色を示しておられたことが解任の最大の理由と思われます。(ちょっと意見書の内容は法律に詳しい方でないと理解できないものと思われますが、このようなスタイルの意見書もあるのですね。)ここのところ、監査役の有事対応の話題は事欠かないのでありますが、とりわけ本件は監査法人さんの意見開示も含めて、今後の展開が注目されるところではないでしょうか。本当にリリースを精査する時間がなくて申し訳ありません。とりいそぎ備忘録程度のみ。。。
(追記その2)会社リリースを読んでの素朴な疑問として「なぜ当該監査法人さんは、解任されたにもかかわらず、一時会計監査人への引き継ぎに協力するのだろうか?たしかに会社法監査については準委任契約上の引き継ぎ義務はあるかもしれないけれども、おそらく解任理由は争っておられるわけで、これでは(財務諸表監査に関する契約の)合意解除による場合と同じであり、解任理由があることを(法的には)認めたことにならないのだろうか?」とも思われます。しかし、会計士さんには、異動に関する事情が発生した場合には、公認会計士の職務上のルールとして、適切に引き継ぎをしなければならないそうであります。つまり法的にはどうであれ、事実上、その会社の監査から身を引くときには、きちんときれいに立ち去る、ということなんですね。さすが、投資家、株主のために仕事をする職責だと理解いたしました。(なるほど・・・)
| 固定リンク
コメント
監査人は単に覚書の法的効力といった話だけでなく、実際に買戻しがあるとなると「内示書」によって収益(斡旋料)を計上することに問題があると思っているのではないでしょうか。
第三者委員会報告書を読んでみると、会社に対してヒアリングして、その事実の根拠を確かめたというだけに思えますが、その経済的実態については触れていないように思えます。また、記載の仕方がいかにも対象会社側のために作成された感がぬぐえません。
さらに風力発電・蓄電池が子会社であるSPCに販売される場合、対象会社(親会社)において収益を計上できるのかも気になります。連結上、収益は取り消されて、棚卸資産(または売上原価)が減額するという会計上の論点もあると思います。
投稿: まろ | 2010年6月15日 (火) 11時11分
以前に山口さんがおっしゃっていた、第三者委員会での弁護士と会計士のアプローチの相違が、監査法人の解任に至った根本的な原因になっているかと考えています。弊事務所のブログでも会計上問題になっていると思われる事項を含めてエントリーしましたので、もしよろしければご覧下さい。
投稿: 新拓 | 2010年6月15日 (火) 22時08分
率直な感想として…
会計士も監査法人も、ほんとピンキリですなあ。
捨てる神あれば拾う悪魔あり。
投稿: 機野 | 2010年6月15日 (火) 23時32分
皆さま、コメントありがとうございます。
まろさん、ご解説ありがとうございます。
新拓さん、そちらのブログでも勉強させていただきます。
機野さんにはノーコメント(笑)
さっそく、本日(16日)午後3時に監査法人さんの反論が出ておりますね。また、(再反論も含めて)じっくり読ませていただきます。
会計監査人の職務にとって、大きな一歩だと思っております(その理由はまた別エントリーにて)
投稿: toshi | 2010年6月16日 (水) 22時33分
まんざら知らないでもないかもしれない(笑)監査法人さんのコメントを読みましたが、小生が知る限り、まー、そんな良識や常識に反するようなことはあそこは云いませんよね。
実は覚書問題が問題の根幹ではなく、もっと根本的な、そして深刻な事態があるように思えてなりません。あくまでも外野からの無責任な発言ですが。
近い将来、その真相については明らかになってしまう状況に陥ってしまうのでしょうね、きっと。
以上、極力、婉曲に遠回しに書いてみました(笑)。
投稿: 機野 | 2010年6月17日 (木) 01時26分