これは秀逸!(シニアコミュニケーションの社外調査報告書)
執務中にもかかわらず、読みふけってしまいました。これはスゴイ。
おそらく、今年一番の調査報告書ではないかと。
すくなくとも会社と調査委員会の信頼関係がなければ、ここまでの報告書はできないと思います。独立性を維持しつつ、信頼関係を保持するというのは、どういった状況だったのでしょうか?
CFE(公認不正検査士)の教材にもなりそうな報告内容であります。
しかしIPO支援の仕事をさせていただいておりますと、この財務担当取締役の方の気持ち・・・・・安易に理解してはいけないのだろうけど、痛いほどわかります。。。VCあたりから社外取締役の方々が派遣され、いろんな拘束条項が増えていって、後戻りできなくなるとか。。。
誰でも同じ境遇で上場を夢見たら、同じ行動に出るかも。。。家族の顔が浮かんだりして。。。
監督官庁の立入検査の原因となったのはいったい何だったんでしょうか?
読後の感想として、監査役の方々がグルではなかったことが、せめてもの救いでありました。監査役さんの厳しい追及が事件発覚へと導いたものと「信じたい」です。ともかく、本報告書を作成された弁護士、会計士の皆様に、敬意を表します。
| 固定リンク
コメント
いや、これは素晴らしいですねえ。報告書というものは本来ここまで具体的に書かれるべきなのでしょう(が、現実には難しい…)。
外部調査…。是非、某IT系著名大企業さんには見倣っていただきたい(笑)。
投稿: 機野 | 2010年6月 5日 (土) 01時29分
久しぶりに書き込みを、しかも遅ればせにさせていただきます。お許し下さい。
「外部委員会調査報告書」を読ませていただきました。若干思うところをアマチュアの感想文を書かせていただきます。
1、事実はおそらくこの通りなのでしょうが、はたしてここまで詳細な記載の報告書をそのままの形で、開示する必要があるのかどうか・・・。やや違和感を覚えました。
2、こうした報告書には必ず再発防止の提言がなされているのですが、類型化しているというか、ワンパターンというか。中小・新興企業は良くも悪くも創業者・経営者に依存せざるをえず、しかも今回のようにトップ3人が関わったら内部統制の限界を遥かに超えてしまっているわけで、組織でどうたら、というような話ではないな、と。
3、最近、すぐ社外取締役が登場するのですが、このような業務執行に関わる問題で、機能するのかどうか。またこんな違法な議論を社外取締役が参加する場でするわけがないような気もします。
4、ここが一番気になるところなのですが、内部管理体制、組織に問題あり、と総括される事象において、内部統制を監査する・した監査役に責任はないのか・・・。特に当社の役員さん方の経歴を見ると、もっと監査役さんの責任に警鐘を鳴らすような厳しい見方もありえるのではないかと。ちょっと引っかかっています。
こういう問題があると必ず組織に焦点があたるのですが、正直人の問題だろうと思う次第です。とりとめもなく失礼いたしました。
投稿: 総務部長見習 | 2010年6月10日 (木) 11時17分
総務部長見習さん、おひさしぶりです。ご意見ありがとうございます。
CFE(公認不正検査士)という立場からすると、こういった報告書はきわめて貴重なものでありまして、「読み物」としては最高だと思っています。
ただ、ご指摘の点は長見習さんだけでなく、おそらくこれを読まれた方の率直なご意見としては「そのとおり」かと。最初に指摘されておられる点などは、まさに問題点ですよね。私ならここまでは書きませんし、もし書いた場合には、会社提出用とは別に公開用の「要旨」を作成すると思います。
また、最後の監査役さんに関する点は、この報告書に記載されていないところで一番関心を持っています。内部監査部がほとんど機能していなかったので、どこまで「おかしな兆候」に監査役がアクセスできたのか、たとえば「長期営業債権」の簿外処理について執拗に会社側に説明を求めておられたようですが、監査法人と連携してもっと追及できなかったのか等、若干の疑問も感じます。
投稿: toshi | 2010年6月13日 (日) 11時54分