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2010年9月 8日 (水)

ISO26000と組織の内部通報制度

(9月8日午後 追記あります)

少し前になりますが、9月3日(金)の日経夕刊1面で「企業の責任 国際規格に」として、ISO26000(組織の社会的責任に関する国際規格)の最終規格案が全加盟国に通知されたことが報じられておりました。9月12日までに全加盟国の賛否が問われ、予定では11月に当該国際規格が発効する、とのこと。企業の倫理的行動のなかには、「違反事例を組織的に内部通報する制度の確立」も示されているそうであります。

おそらく内部通報制度は7つの原則のうちの「組織の倫理的行動」に、そして7つの主要課題のうちの「公正な事業執行」に関連するテーマかと思われます。公正な事業執行の具体的課題は①汚職防止、②責任ある政治的関与、③公正な競争、④影響力の範囲における社会的責任の推進、⑤財産権の尊重とされておりますが、このうち内部通報制度が最も関連するものは①の汚職防止(このなかには基本的に金商法違反等も含まれます)でありますが、ほかの4項目についてもかなり深く関連性を有するテーマと解されているようです。

私はこのISO26000最終規格案(仮訳)のごく一部しかまだ閲覧しておりませんが、内部通報制度の確立というのはおそらく

「組織は、次のとおり、倫理的な行動を積極的に推進すべきである・・・・一、報復を恐れることなく、倫理的な行動の違反を報告できるメカニズムを確立する。」

というあたりではないかと思われます。つまり内部通報制度の確立とは、単にヘルプラインを設置するだけでなく、通報者が事実上の不利益を受けない仕組みと運用の保障までを含む概念であることがわかります。また公益通報者保護法を遵守することも、当然に含まれているものと思われます。ちなみに、この規格案には企業コンプライアンスを推進するガイダンスが多数含まれており、ひょっとすると「企業統治」において、監査役制度を対外的に紹介するためにも有効ではないか、と思われます。いずれにしましても、このISO26000とソフトローの関係は、今後の研究対象になるのでしょうね。

先の新聞報道では、ISO26000は社会的責任投資の評価基準に採用される可能性が高い、とされておりますが、当ブログでも、「認証制度」のないISOが企業にどのように規格の実効性をもたらすのか、「横並び好き」な日本の組織にどのように反映されるのか、今後関心を持っておきたいと思っております。(認証制度がないことを奇貨として、私的な認証制度が商売になったりして。。。)

(9月8日午後:追記)

「報復を恐れることなく、倫理的な行動の違反を報告できるメカニズム」・・・などと書いておりましたら、著名な内部告発事件の告発者ご本人よりコメントをいただきました。私の「内部告発・内部通報その光と影」におきましても、大きくとりあげた事例に登場する方です。事件に関するご著書を発売されるそうで・・・・・(売れるだろうなぁ・・・・・コメントありがとうございました。)

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