あちゃちゃ!元監査役さんの横領事件(こりゃあかんわなぁ・・(^^; )
東証一部上場会社の元監査役の方が同社および同社健康保険組合から1億5000万円を横領し、自宅改築資金等に充当したとのこと(プレス工業さんのリリース)。事件発覚後、この元監査役さんは全額を返還されたそうであります。うーーーん、こりゃビックリのニュースであります(^^;; 以前、監査役会が機能していないことが「重要な欠陥」に該当し、内部統制は有効とは言えない、とする内部統制報告書を御紹介いたしましたが(京王ズHDさんでしたっけ?)、こういった事例も「監査役間での相互監視もできておらず、統制環境に大いに問題あり」として全社的内部統制に著しい不備がある、とされるのでしょうか。また、(この方は平成20年にすでに退任されているとはいえ)監査役監査報告にはどのようにお書きになるのでしょうか?社長が責任をとって減給(自主返上)・・・というのは、社長さんの監査役に対する監督責任??それとも内部統制構築義務違反の自認??いろいろと考えさせられるところが多いです。。
ニュースによりますと、この元監査役さんは、健康保険組合の職員に対して「絶対的な支配力」を利用して虚偽の伝票を作成させていた、ということですから、ここでも内部通報制度が機能していれば早期に発見できた可能性があります。いくつかの会計不正事件を御紹介したときにも申し上げましたが、不正から抜けられない従業員を早期に解放し、共同正犯としての逮捕から免れさせるためにも、もっと真剣に内部通報制度や公益通報者保護法の改正を考えていただきたいものであります。(ただ、通常は監査役さんに対して通報されるケースが多いのですが、監査役さんの不正・・・ということになりますと、それはそれでまたムズカシイかもしれませんが・・・)
ちょっと気になりますのが、着服したお金を全額弁償したことで、会社及び健康保険組合は元監査役さんに対して刑事告訴はしない、とのことだそうであります。これはみなさん、どのように思われますでしょうか?理事長としての立場を利用していたとはいえ、伝票を改ざんした「詐欺的行為」に近いものではないかと思われますし、健康組合職員も不正に巻き込んでおりますので、金員では償えない被害が会社側にも出ているのであり、かなり悪質ではないでしょうか。刑事告訴をしない、というのは素直に考えますと「見つからなければ着服したほうが得。やったもん勝ち」を認めることにはならないのでしょうか?不正行為に利用された職員さんは、本当にこの経営判断で納得されるのでしょうか?おそらく、刑事告訴はしないことを条件に、1億5000万円の即時回収を求めたからではないかと思われますが、立件された後に全額返還による「嘆願書提出」というのが正しいのではないかと。
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コメント
全額返還されたから刑事告発しない、といったことは良く耳にします。万引きして捕まったけど、商品は返したから罪に問わないことと同じです。人のものを盗んでも返したらそれで罪は帳消しなのでしょうか?盗む行為自体が犯罪だと思うのですが。
社会的な影響も考えて、刑事告発すべきだと思うのですが。株主の方はどうお考えなのでしょうか。
投稿: ケン | 2010年10月19日 (火) 09時02分
こんにちは。
健康保険組合の職員さんを巻き込んでいたからこそ告訴しないのではないでしょうか。
もし告訴したら、この職員さんも起訴されるか、すくなくとも取調を受けることになるでしょうから。
投稿: とおりすがり | 2010年10月19日 (火) 10時19分
何かいなと、思わず本文を読んでまうタイトル。勉強になるわぁ。次のも楽しみにしますぅ。
投稿: AK | 2010年10月20日 (水) 00時24分
失礼しました。ちょっとタイトルが大げさだったかもしれません。このブログのスタイルからは逸脱していましたでしょうか?内容は備忘録程度のものでしたので、タイトルほどの「おもしろさ」はなかったかもしれません(^^;当事者の方々に失礼のないよう、今後も留意したいと思っています。
投稿: toshi | 2010年10月25日 (月) 01時13分