株式後悔-後悔せずに株式公開する方法
常連の皆様よりいろいろとコメントをいただいておりますが、どうも本業が忙しく、なかなかお返事が遅れておりますことお許しください<(_ _)>
ただ、「迷える会計士」さんにご紹介いただいているdancing-ufoさんの「ゲゲゲ!の監査法人」これはなかなか興味深いエントリーですね(^^; ブログの醍醐味・・・というのは、こういったものを読むと感じます。S有限責任監査法人の会計士さんとは、いろんなところで(仕事とか研究会とかで)ご一緒する機会が多いので、これ、話題にしてみようかなぁ(笑)怒られるかなぁ・・・・・・また、監査法人側もいろいろ数字については反論はあるのだろうなぁ・・・・たとえいろいろ聞けたとしても実名ブログではちょっと書けない内容かも。。。
さて、忙しいと言いつつ、気になる新刊が出ると、ついつい購入してしまうのでありますが、タイトルにつられて(おもしろそう!!)と衝動買いしましたのが
株式後悔-後悔せずに株式公開する方法(チームIPO著 株式会社無双舎 1600円税別)
早速、きちんと読ませていただきました。弁護士、会計士、証券会社審査担当者、VC(ベンチャー・キャピタル)関係者、証券取引所関係者、IPOコンサルタント等の方が集まって「チームIPO」という勉強会を開催されていらっしゃるそうですが、そのメンバーの方々が(名前も出せない方も含めて)共同執筆された400頁弱のIPO指南書であります。「指南書」といいましても、手にとってご覧になるとおわかりのとおり、たいへん読みやすい本でして、「なるほど、こういうことをしていてはIPOはむずかしいのか」といった、逆転の発想で書かれたものです。御承知のとおり、IPOには逆風が吹き荒れている昨今の状況ではございますが、こういった時期だからこそ、関係者のホンネの部分なども、じっくり聞いてみる価値があるのではないでしょうか。
「取引所のキモチ」「証券会社のキモチ」「会計士のキモチ」「VCのキモチ」などなど、それそれの立場から、IPOを目指す企業に対するホンネを語っておられ、そこに関係者がそれぞれツッコミを入れる、という構成はなかなかおもしろい。たとえば私自身IPOを目指す会社の社外監査役を辞任した経験がございますが、社長さんとの間で「アンタとはやってられまへんわ!」ということになってしまった経験を持つ身としましては、「あるある大事典」的な内容に思わず納得してしまいます。社長さんの愛人が子会社役員だったり、率先して粉飾決算を目論んだりするケースならばそれほど悩むこともないのでありますが、人間的には「いいひと」だけど会社資産と個人資産の区別がどうしてもできない社長さん・・・というケースは結構あるのではないでしょうか。所詮は「経営者」次第ということも言えそうでありますが、それでもVCさんと証券会社の審査担当者では、経営者のどこを見るのか・・・というあたりで違いがあるのもオモシロイですね。
正直申し上げて、本書のご意見については、私個人の意見とは、かならずしも合わないところもございまして、思わずツッコミを入れたくなるような部分もございますが、たぶん著者の皆様も、おそらく読者のいろんなツッコミを期待されておられるのではないでしょうか。キレイゴトでは済まない、新規株式公開の場面におけるそれぞれの立場の方の「エゴ」も垣間見えてくるようで、とても新鮮で楽しめる本です。真剣にIPOを目指す企業と、それをとりまくIPO関係者の上場実務をこういった読みやすい本で勉強するのもいいかもしれませんね。ちなみに私自身が一番興味をそそられましたのが「VCのキモチ」です。上場準備の段階で、一番コンプライアンスを意識するのがVCさんの要求事項だったりするわけで、VCさん側の事情などもすこしだけわかるような気になりました(少しですが・・・笑)
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コメント
「ゲゲゲ!の監査法人」のエントリーに対するコメントでも、するどい分析がされていますよ。
投稿: goo_n | 2010年11月16日 (火) 01時09分