小学館の情報誌「SAPIO(サピオ)」に寄稿いたしました(本日発売)
本日(1月6日)発売の小学館「SAPIO」(1月26日号:定価550円)に、見開き2頁ですが「会社の機密 今の日本では『内部告発者』は『会社からの報復』というリスクをほぼ必ず負ってしまう」というインタビュー記事を掲載させていただきました。最近話題のウィキリークス関連の特集記事の中で、「企業の場合はどうか?」といったご関心への参考意見を述べております。(本日の日経ニュースでも企業のリスク管理の一番の関心が「情報漏えい」ということが伝えられておりますが(トーマツさんの調査)が、情報端末が進化するなかで今後はますます企業の重要情報の流出事故は増え、これを公表する企業と公表しない企業に対応が分かれてくるものと思います。)
公益通報者保護法施行5年となる本年4月ころに、「もっと使い勝手の良い制度に」ということで法改正が予定されていたわけでありますが、どうも昨年暮れの専門委員会の審議内容からしますと、改正は先送りになるようなことが言われております。といいますのも、中小企業経営者らに対するアンケート結果でも、ほとんどの方が「公益通報者保護法など知らない」「名前は知っているが、どのような制度なのかわからない」「とくに社内で制度を作る予定はない」とのことでして、施行5年が経過した今もほとんど周知されていないのが現状であります。法改正よりもまずは公益通報者保護制度の内容を周知してもらう施策のほうが先決ではないか・・・ということで、私も(ちょっと恥ずかしいですが)情報誌に登場させていただきまして、読者の方々に制度のご紹介と現状を知っていただきたいと思いました。
ご興味のある方は、お近くのコンビニでご購入いただければ幸いでございます。<m(__)m>
追伸
このSAPIOという国際情報誌、実はほとんど読んだことがなかったのですが、原英史氏の連載「おバカ規制の責任者出てこい!」、コレ、めっちゃオモシロイです!!このブログでも、過去に何度か「行政法専門弁護士待望論」のなかで書かせていただきましたが、さすが通産省ご出身、行政改革担当大臣補佐官の経歴を有する方だけあって、トンデモ行政規制のツボをズバリと指摘。ホテルと旅館の線引き、ラブホとビジネスホテルの線引きのファジーなツボ(問題点)を的確に指摘しておられます。この感覚こそ弁護士が行政と交渉するときに必要だと思うのでありまして、私自身ブログで書きたくても、知識が乏しいために書けなかった内容であります。バックナンバーも含めて(今回は6回目とのこと)、この連載全部読みたいと思います。
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コメント
確かに、報復リスクは不可避ですし、とても重いですね。
wikiリークスでは、国家レベルでの報復ですし、○○庁だって
証拠偽造を外部に告発していないのに上申した担当○○を閑職に回して干している訳ですから、ましてや私企業が報復しない、ということは考えにくいでしょうね(適法かどうかは別として)
内部通報がなければ違法行為が重大化して会社の生命が危うくなるリスクが高いし、とはいえ内部通報に対しては報復したくなるし、会社経営者の矛盾した心をどう整理してあげればいいのでしょうか、山口先生のアイディアをお聞きしたいです。
投稿: Kazu | 2011年1月 7日 (金) 10時59分
kaziさん、本年もよろしくお願いいたします。
このたびのサピオの掲載にはいろいろな反響がありました。また、追ってお話しようと思っています。
私はやはり内部通報の処理をもう少しうまく企業が行うべきですし、内部告発に至らないような配慮がリスク管理の面から必要ではないかと思っています。アメリカのように報復に対するペナルティというのも賛成はしませんが、報復によるリスクが非常に大きくなってきたことを経営者は認識すべきかと思いますね。最近は内部通報窓口などが周知されてきて「内部通報の連鎖」のような現象すらみえますので。
投稿: toshi | 2011年1月12日 (水) 01時25分