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2011年4月 6日 (水)

サンコー(東証2部)、社長解任劇の顛末

昨年12月に「サンコー社、創業家社長解任劇の行方はいかに・・・」と題するエントリーを書きましたが、「東京弁護士」さんのコメントにもあるように、昨日(4月4日)、その解任劇に決着がついた模様であります。前回のエントリーで「このまま元社長は黙っているのでしょうか?」と予想したとおり、創業家である元の社長さん(現在は非常勤取締役)が反撃に転じ、このたび再度サンコー社の経営支配権を手にしたようであります。やはりパワーバランスは昨年12月の時点では崩壊していたのですね。

代表取締役の異動および役員の異動並びに労使共同宣言の撤回に関するお知らせ

今年2月に元社長さん(関係者を含め、50%以上の株式を保有する)より総会開催の要求があったにもかかわらず、会社側はこれに応じなかったため、元社長さんより臨時株主総会招集許可申立てが長野地裁に出され、この3月に許可決定が発令されたようです。株券電子化後、上場会社としては二番目の初めての株主請求による臨時株主総会が開催されることになります。(3月9日にJASDAQ佐藤食品工業さんの臨時総会における役員選任議案可決の例が初めてだそうであります。失礼いたしました。ご指摘いただきましたので訂正いたします。いつもいろいろな方からご指摘いただきまして、恐縮でございます。。。)

「労使共同宣言」の撤回、というのもスゴイですね。現在巷の話題になっておりますイオン・森トラスト共同体とパルコ経営陣との経営支配権争いも、本日パルコ側が従業員の「現パルコ経営陣支持」の宣言を取り付けたことが報じられております(産経ビズニュースはこちら)。45%以上の議決権ベースにおける株式を保有している共同体側ではありますが、やはりパルコ従業員の賛同がなければ企業価値向上は見込めないものと思いますので、これはパルコ側としての大きな反撃になりそうです。上記サンコー社リリースでも、早速「労使共同宣言」の撤回が伝えられておりますが、やはり敵対的買収や社内の支配権争いの場面では、労働者の支持をどちらがきちんと得られるか、ということが日本の企業社会では大きな意味を持つことが理解できるところです(すいません、海外ではどうか、という点につきましては存じ上げておりません)。

Sankochart 「勝てば官軍」と言われますが、こうやって元社長さんが再度経営権を握ってしまいますと、12月の社長解任劇は「クーデターにすぎなかった」と評される(ただ、昨年12月からの株価の動きと照らし合わせますと、これまたなかなか興味深い)。なお、元社長さんの名誉のために申し上げますと、この一連の騒動の終結において、ご自身が代表取締役の職に返り咲くことはせず、別の方を社長として選任するそうであります。またガバナンスの透明性を高めるため、法律専門家、会計専門家を社外取締役として選任する、とのこと。「解任劇」当時は新聞等でも報じられましたが、ここのところ震災関連ニュースが多いため、元社長復活劇については触れられておりません。そこで当ブログにてあえて報じることといたしました。(東京弁護士さん、情報どうもありがとうございました。)

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コメント

サンコーよりも前にJASDAQの佐藤食品工業が今年の3月9日に株主招集の臨時株主総会を開催して、株主側提案の取締役三名選任議案が可決されていますよ〜

投稿: 愛読させていただいてる者 | 2011年4月 6日 (水) 20時11分

いつもありがとうございます。
該当箇所につきまして訂正させていただきました。

投稿: toshi | 2011年4月 6日 (水) 21時06分

やり方があまりにも汚い。
この相手は、勝っても負けても賊軍だったと思います。

投稿: unknown | 2011年4月 8日 (金) 07時48分

先週の金曜日(4月15日)に臨時株主総会がありました。結論は、原案可決です。この結論自体は、もともと、提案株主である元社長が過半数の議決権を保有していましたので、予想された結果ですが、注目に値するのは、会社発表のリリースで、提案株主を除いた一般株主の賛成率に触れている点です。提案株主以外の一般株主の9割の賛成があったことが、提案株主側の正当性を裏付けるものとされています。
http://www.sko.co.jp/news/uploaddocs/20110415.pdf
http://www.sko.co.jp/

投稿: 東京弁護士 | 2011年4月18日 (月) 06時40分

東京弁護士さん、ご案内ありがとうございました。

株主の方々でなければわからない事情もあるのでしょうね。そうでなければ、こういった結果にはならないと思ったもので。

投稿: toshi | 2011年4月20日 (水) 09時30分

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