「財務捜査官」というお仕事(私の知らない世界)
ブログやfacebookで話題になっております富士バイオメディックス社の粉飾決算事件でありますが、最近の証券犯罪事件に特徴的な「複合的犯罪」(粉飾とインサイダー、粉飾と偽計取引等)の可能性が出てきたようです。本事件の特集記事などを読んでおりまして、私は「粉飾アレンジャー」などという呼称があることは初めて知りました(「指南役」と書いてくれたほうがわかりやすいと思うのですが・・・)。富士バイオの件はライブドア事件同様、地検主導型の捜査が展開されているようでありますが、本日はテレビドラマの主役にもなります財務捜査官に関するお話であります。
昨日、本日とも久しぶりに「法と会計」に関わる課題を検討させていただく機会に恵まれ(本業も含め)、たいへん勉強をさせていただきました。なかでも昨日は日弁連会議の後、霞が関にて、来る7月11日に大証さんと大阪弁護士会共催によるインサイダーセミナーにお招きする某会計士の方と打ち合わせを行いました。いつも好評の大証出向経験のある弁護士、大証審査担当者の方々のご講演とともに、セミナーのパネラーとしてご登壇予定の方であります。
大証さんの正式な告知までは(ご迷惑になってもいけませんので)お名前は控えさせていただきますが、トーマツ退社後、約12年ほど警視庁や証券取引等監視委員会において財務捜査官(特別調査課審査官)としての経験をお持ちの方で、当ブログでも過去に何度も取り上げました著名な粉飾決算事件などの審査・調査に実際に携わっておられた方です。そのうちの一つの事件は、私も(民事事件ですが)監査役側の代理人として関与していたもので、少しビックリしました。
この3月に退職されたとはいえ、もちろん個別案件をお話されることは絶対にございませんが、摘発する側の会計事象の捉え方、IFRS時代における粉飾決算捕捉の可能性、会計専門職審査官と法律専門職審査官との役割分担、地検特捜部と警視庁やSESCとの連携、どういったときに摘発に失敗するかなど、「あくまでも個人の意見ですが」ということで非常に興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。お話されるときの誠実な対応から、おそらくこれから会計士に戻られても、いろいろな顧客に恵まれるのだろうな・・・・・と少し羨ましい気持ちになりました。(私も、もう少し若かったら、こういった経歴にチャレンジしたかなぁ。。。)
このブログでは、残念ながら内容まではご紹介できませんが、7月のセミナーでは多くを語っていただきたいと思っております。最近はSESCさんも、その業務について積極的に広報されておられるようですので、守秘義務に反しない範囲で財務捜査や犯則調査のご経験を世に伝えていただければ、と願っております。セミナーは大証(JASDAQ)上場会社さん向けですので、また関西のご担当者の方々には大証さんから告知があると思います。役員さんや従業員さんがインサイダー審査の対象となったとき、課徴金事案なのか犯則事案なのかは、やはり上場会社にとっては気になります。またモデレーターを務めさせていただきますので、参加される方々にできるだけ有意義なセミナーになるよう尽力いたします。
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