会社法施行5年 理論と実務の現状と課題(ジュリスト増刊号)
ジュリスト(増刊号)のご紹介、というのは、おそらく当ブログでも初めてのことと思いますが、いよいよ会社法施行丸5年を記念して出版されましたのが
でございます。私など、別冊ジュリスト(本誌は「増刊号」)といえば「判例百選」のあの白っぽい表紙を想起するわけでありますが、ずいぶんとシャレた表紙になっております。(最近は、別冊ジュリストもこういった表紙が主流なのでしょうか?)法制審議会会社法制部会長の岩原教授と法務省に出向されておられた小松先生が編者。
以下は有斐閣さんのHPから、そのまま引用させていただきます。
今年5月に施行5年を迎える会社法について,これまでの理論展開や判例・実務の動向を分析し,解釈・運用上の到達点と課題を明らかにする。法制審議会での改正論議の根底にある問題状況を理解する上でも有益。会社法研究者,弁護士,企業実務家にとって必携の書。
こういった格調の高い本につきまして、あれこれと感想を書くのもむずかしいのですが、私的にはどうしても企業会計法の分野、公正なる会計慣行やIFRSと会社法の関係を論じた岸田解説、弥永解説に興味が惹かれます。岸田先生も弥永先生も、企業会計法のご研究は長年のものですから、そういった方々からみたこの5年の会社法施行後の流れというものが、どのように表現されるのか、とても興味がございます。
ただ客観的にみると、モノ言う株主(当ブログにもときどき登場される?)のご活躍もあって、組織再編と株式買取請求権のあたりの解説が必読のところではないか、と思われます。株券電子化の実務課題あたりも、関連論点として、当然に解説が厚くなっているようです。このあたりの話題が、やはり会社法施行5年のもっとも特徴的なところではないでしょうかね。
それにしても、商法学者の方々に加えて、これだけバランスよく実務家の協力を得られたなぁと感心いたしました。東京・大阪の企業法務で有名な法律事務所の方々が、絶妙のバランスで執筆陣に加わっておられます。おや?そんななかに、ひとりだけ個人事務所の弁護士が?(^^;
内容が内容だけに、本書は広報するまでもなく売れ筋の一冊でございますが、執筆者の一人としまして、お勧めいたします。もしよろしければ監査役の皆様もぜひ!間違いなく良本でございます。<m(__)m>
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コメント
はじめてコメントさせて頂きます。東京で弁護士をしている者です。
時々ブログを拝見させて頂いておりますが、大変参考になります。また、ブログを高い頻度で書き続けるバイタリティにもいつも感服しております。
私も法律ブログを最近始めまして、本書籍をブログで取り上げましたので、コメントさせて頂きました(本当はトラックバックでもよかったのでしょうが、はじめての方(しかも同業者)にトラックバックだけというのも失礼かと思いまして・・・)。
よろしかったら、弊職のブログもご覧頂けると大変幸いです。
http://blog.livedoor.jp/kawailawjapan/
それにしても、先生ご自身が本書の一章をご執筆されているにもかかわらず、その事をブログにはっきり書かれないところは素晴らしいなと思いました(笑)。凡庸な弁護士であれば、「執筆しました!」とバンバン宣伝するところだと思いますので・・・。
長々書かせて頂きましたが、今後も楽しくブログを拝見させて頂きますので、何卒よろしくお願いいたします。
投稿: kawailawjapan | 2011年6月 2日 (木) 11時53分
さきほどのコメントで、「先生ご自身が本書の一章をご執筆されているにもかかわらず、その事をブログにはっきり書かれないところは素晴らしいなと思いました」と書きましたが、再度記事を拝見しましたら、最後の部分にさりげなく(?)記載されていましたね。それでも、控えめなご宣伝で、改めて素晴らしいと思いました。
たびたびのコメント、失礼いたしました。
投稿: kawailawjapan | 2011年6月 2日 (木) 14時39分
川井先生、お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。
中身が凡庸なので、宣伝は控えめにいたしました(笑)。
でも、他の執筆陣のご論稿を少しずつ読んでおりますが、さすがにオモシロイですね。検証の視点はさまざまですが。
そちらのブログも拝見し、非常におもしろかったので、本文でも少しご紹介させていただきました。
アクセス数が増えることは良いことですが、その分、当ブログと同様、強者(つわもの)の論客の方々もお越しになりますので(笑)、どうか頑張ってください。。
今後ともよろしくお願いいたします
投稿: toshi | 2011年6月 3日 (金) 02時03分