ネステージ社 不公正ファイナンス事件と金商法「偽計取引」の活用
ネステージ社(JASDAQ-上場廃止)の関係者の方々が、増資に関連する不公正ファイナンスを行い、金商法違反にて逮捕されたそうであります(朝日新聞ニュースはこちら)。不動産鑑定士さんも強制捜査の対象となっているところに特徴があります。大阪府警捜査二課と証券取引等監視委員会とのコラボは2009年11月のユニオンホールディングス事件以来と思われます。
こういった事件は、かつては刑法もしくは会社法違反で立件されていたかと思いますが、最近は金商法の偽計取引で立件されるケースが増えていると思われます。直接の取引の相手に対して詐術を用いるのではありませんが、株主や投資家を被害者として「偽計」ととらえる手法であります。これも最近のSESCの積極路線の現れではないかと。
なぜ捜索から逮捕まで相当の時間を要したのか?そして、不動産評価には幅があるにもかかわらず、これを「偽計」と認定して立件する「決め手」となったものは何か?このあたりを本日(7月14日)夕方の関西テレビ報道番組「アンカー」にて私が解説いたします(テレビ出演はあまり好きではありませんが・・・)。たぶん私が映るのは10秒程度かと(^^;。
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コメント
今回は不動産鑑定士までグルになって悪さをした例ですね。そもそも鑑定価格が正しく評価されなければ話になりません。ネステージのような面白系の人たちは人脈や日頃の行いから捕まえやすいだけですが・・・
倒産事件では不動産鑑定士の評価を無視して、鑑定価格の10分の1ぐらいで評価しちゃう例もあるらしいですが、債務超過ぎりぎりの更生会社でやって管財人が株主から刑事告訴されたケースもあるようです。
投稿: ターナー | 2011年7月15日 (金) 01時30分
はじめまして、いつもプロのご見解を勉強させて頂いています。
関東在住20代求職中の者です。(会社法を少し勉強しました。)
今回の件ですが、
増資が「現物出資」でおこなわれそれが、不動産鑑定士によって意図的に過大に評価されていたということですが、
そもそも、「独立した第三者」であること自体を証明するのは難しいですよね。これは公認会計士の癒着などと似ているような気がしますが、よくおこりがちなケースなんでしょうか
投稿: 20代男性無職 | 2011年7月15日 (金) 23時10分