ZAITEN9月号「迷走する公認会計士」に執筆いたしました(お知らせ)
ZAITEN(財界展望)への執筆は今回が3回目となりますが、9月号(たぶん8月1日ころ発売)の特集は「迷走する『公認会計士』」ということで、かなり刺激的な内容になっております。この本は発行部数が半端じゃないので、結構執筆には気を使うのですよね、毎回。(もちろん他の執筆でも気を抜いているわけではございませんが・・・・やはりお読みになる方の理解度がマチマチなので、けっこう誤解を受けたりするリスクが高いのですよ。。。)
私は、すでに当ブログで取り上げております「非上場大会社への監査」について、ブログよりももう少し詳しい周辺事情なども織り交ぜて「ホントに非上場大会社の監査をする人はたいへんだろうな」というあたりを書かせていただきました。「非上場大会社」ではございませんが、最近の協同組合組織などの会計不祥事を見ておりましても、社内の監査システムがまったく機能していない事例が多く、こんなところで外部監査人の設置義務を課しても怖くて監査できないのでは?と痛感いたします。こういった分野に監査証明業務の運用を拡大することは、会計士業界にとっての職域拡大に資するものであり、ぜひとも進めていただきたいとは思っておりますが、「会計不正と監査人の責任」についての議論も併せて進めていく必要があるだろう・・・・と思います。
弁解がましくて恐縮ですが、(会計士業界の外野の者ゆえに)私の論考は比較的穏健な内容だと思います。といいますのは、編集部さんから送られてきた9月号を拝見いたしましたが、執筆陣を見ていただくとおわかりのとおり、テーマも内容もかなりスゴイ(^^;。先日の会長解任請求問題の背景(細野さん)、3大監査法人の経営分析(帝国データバンクさん)、IFRS延期問題(東京財団さん)、「おバカ」な会計士論(戸村さん)などなど、なかには「冷静に読んでちょうだいね(汗)」と先に申し上げたほうがよろしい内容なども含まれております。私は本業や委員会の関係で、いろいろな監査法人の大先生方と、普段からお話をする立場なので、ここに書かれている内容はほぼ承知しているのでありますが、執筆者の「思い」も加わり、楽しく読めました(楽しく読めない方も多いかも)。
弁護士業界同様、会計士業界も、これからの組織の在り方を検討することが急務であることは間違いないところですね。弁護士業界と異なり、会計士業界においてたいへんなのは監督官庁との関係だと思うのですが、そういえば一昨日、PCAAOB(金融庁/公認会計士・監査審査会)の事務局長に「あの方」が就任されたことがリリースされていましたね。あの方と、金融庁で1時間ほどお話をさせていただいたことがありましたが、市場の健全性確保のための会計士、監査法人の果たす役割については、とても思い入れが強いことが印象的でした。検査局審議官とご兼任だそうですが、ぜひとも頑張っていただければ・・・と。(相変わらず、あの雑誌LEONに登場する「ちょいワルおやじ」っぽい感じなのでしょうか?たぶん私と同年代ですが、どうやってあの体型を維持されているのか不思議であります)
ちなみに特集記事ではありませんが、私的には日揮社の社内事情を追った経済ジャーナリストの方の記事は一番おもしろかったです。日揮社といえば、今年FCPAで米国に180億円の罰金を支払って訴追延期合意をしており、米国との和解条件に内部統制システムの構築も含まれているわけですが、こういった社内事情のなかで、ホントに再発防止のための仕組みって、どうしたら構築できるのだろうか、と。担当役員の方はたいへんだろうな・・・などと勝手に思ってしまいました。
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コメント
「財展」ですか。東京の業界の方から反応はありませんか。なければ良かったです。
投稿: tetu | 2011年8月 5日 (金) 00時42分
個人的にいくつかご意見はございましたが、とくに「業界」さんからの反応はございませんでした(いまのところ)。正直、私が執筆したところはとくに問題とされるものではないと認識しています。
投稿: toshi | 2011年8月 5日 (金) 00時56分