« 会計ドレッシング-10episodes(東洋経済新報社) | トップページ | 「経営判断原則」に関する最高裁のスタンス »

2011年8月18日 (木)

コージツ社の敵対的TOBの今後の展開はいかに?

イオンVSパルコ以来のM&Aネタであります。昨年7月の第三者割当増資で第2位株主となった会社より、株式公開買付の届出を出されたコージツ社(JASDAQ)ですが、取締役会はTOBに対する反対の意思を表明しておられます(DRCKJらによる当社株券等に対する公開買付けに関する反対の意思表明のお知らせ)。今日(8月17日)のコージツ社の株価は、取締役会の反対表明を受けて、買付者が買付価格を引き上げるのではないか・・・という思惑買いによって136円あたりまで高騰したようですが、また130円に落ち着いているようです。

たぶんガチンコだと信じておりますが(まさかシナリオはないですよね?(^^; )、買付者側にも、会社側にも、また第三者委員会にもバリュエーション(企業価値評価)で著名な方々が参加されているので、外野の者からすると、非常に興味深い事例です。企業価値算定を専門とする方々の間でも、「どっちが正しい」という議論になってしまうのでしょうかね?会社側は、反対の意思表明に至るまで、公正な判断を担保するために第三者委員会を設置しています。第三者委員会は、取締役会がTOBに対する意見表明に至るまでの手続きの公正性判断、TOB価格の妥当性、買付者による支配(上場廃止による)が企業価値向上に資するか、といったところを判断し、さらに買付者との価格交渉まで行うものだそうです。

この反対表明によって、今後の買付者側の対応が注目されるところですが、私はどうしてもコージツ社の取締役の方々の行動の適正性に関心を持ってしまいますね。(意見表明に関する)手続きの公正性に問題なし、との第三者委員会の意見が出たわけですから、コージツ社の取締役の方々は、(賛成意見も表明できることが明らかとなりましたので)TOBの賛否について慎重な判断が要求されることになります。現在の登山ブームが一過性のものであることを前提としても、なぜ1株147円以上でないと「合理的な判断」とは言えないのか、買付者の経営ノウハウがよくわからないのであれば、なぜ(せめて第三者委員会からでも)その経営ノウハウを質問によって明らかにしようとしないのか、株主であれば素朴に「知りたい」と思うところに触れておられないので、とてもナゾであります。私はM&Aについては素人的な発想になってしまいますが、1年前に買付者が増資に応じたときには1株92円でも「ほかの一般株主に不利になるようなものではなく、公正な価格です」と説明しておきながら、今度は「130円でも安すぎる、ダメ!」とおっしゃるわけですから、プレミアムを考慮しても、その違いはなんで?と一般株主としては素朴に疑問が湧いてくるように思うのですが・・・。せめてそのあたりの説明が必要かと。

まだまだ本件はいろいろな動きがありそうなので、またイオンVSパルコの時と同様、続編を書きたいと思います。いずれにせよ、TOBをかけた支配株主から社外取締役が選出されているので、このような会社にとって肝心なときに社外取締役が機能しないというのも問題かと(どなたが独立役員として届出がなされているのでしょうか?)。やはり社外取締役の独立性というのは重要ですね。それと、この第三者委員会報告書の内容ですが、これって上場会社のMBOを阻止する少数株主側にとっても今後の訴訟で使えそうな内容ではないか・・・・・と思うのは私だけでしょうか。

8月 18, 2011 商事系 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104680/52502397

この記事へのトラックバック一覧です: コージツ社の敵対的TOBの今後の展開はいかに?:

コメント

コメントを書く